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小話1-4
しおりを挟むこの国の国民達は皆、聖女と宰相との結婚を当たり前の様に祝福している。アリスが宰相に告白したのはつい3ヶ月前だ。それなのに国民に動揺が走ったのは僅か2日程で後は応援ムードが流れていた。それは何故なのか?
「どうですか?アリスさん」
「……ふふ♪」
「?」
「それわぁ~、私お友達が多いからですぅ!」
「??え?」
「実わぁ、前々からお友達たちにぃイアン様とのことを色々と話していたからぁ、私が告白したって聞いてぇ応援してくれたんですぅ~!」
「…お友達だけでここまで広げられると?」
「はい!そうですぅ~。それにぃ私ってモテるんですぅ~」
「?」
「昔から色々な男性にモテていたんですよぉ~」
「え、ええ。そうなのね?」
「そうなんですよぉ~。本当に困っちゃうくらい!」
アリスに何故かを聞いているはずなのに、自分のモテ話をされた。アリアはそれにどう答えればいいのか困っていると
「それでぇその男性の周りの女性達ともお話する機会が多いんですよぉ~」
「?」
「その人達にぃ、色々沢山恋愛の相談とか乗ってもらっていたんですぅ。他の人達からの話も聞きたいなぁ~って言って話を広げてもらったりぃ~」
「!!」
「街の人達わぁ、本当にすっごく優しくてぇ、男の人わぁ私の言うことを何でも聞いてくれますしぃ、女の人わぁ相談をいっぱい乗ってくれるんですぅ!」
「………」
「本当に~たっくさんいるんですぅ!」
「………」
「あ!もちろん男の人達に恋愛感情はないですよぉ?私はイアン様一筋ですからぁ~。その人達も私の想い人のことわぁ~知っていますしぃ理解もしてくれているのでぇ」
「…じゃあ今回もその方達に協力してもらったと?」
「はい~そう言うことですぅ!」
アリアは考える。アリスが言う沢山の人がどれだけの人数なのかはわからないが、一瞬で自分の不利にならない情報を広げ、噂を覆すことが出来る程の人脈をアリスは持っているということを。
「…では、サラン様のことは?」
「サラン様ですかぁ?」
「ええ、今どういう状況に置かれているか知っていますか?」
「知ってますよぉ~!」
「では、他のサラン様と一緒にいた方達のことは?」
「それも知っていますよぉ~」
「………」
サランはあの後、すぐに城を追い出され途方に暮れていた所をある商人の女性助けられ、今は毎日尻に敷かれながら忙しく、でも楽しそうに暮らしている。他の者達も同じである。それぞれ卒業パーティーで醜態を晒したとして各々処分を受けたが、サランと同じ様に誰かに拾われたり、よりを戻したり、無理矢理結婚したはずなのに夫婦共に仲良く過ごしていたりと誰1人不幸になった者はおらず、幸せそうに暮らしている。
確証はないが恐らく…
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