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小話1-3
しおりを挟む「お友達?」
「はい~」
アリスからのお願い。その言葉に自分が出来ることならと気合いを入れていたアリアであるが、「友達」と言う言葉に呆気に取られる。
「…何故?」
「だってぇ~私ぃ、学園で女の子の友達ってぇサラン様達がいたからあんまりできなかったんですぅ…。アリア様わぁ正義感があってぇ真面目でぇ優しい方だからぁお友達になりたいなって、すっごく思っていたんですぅ…。……ダメですかぁ?」
「う゛っ」
可愛い…
アリスはサラン王子や他の男子生徒のみならず男性教師陣にもとてもモテていた。女子生徒達からは「あざとい」などと言われてもいたが見た目は凄く可愛く、自分の魅せ方もよくわかっている女性であった。
そのアリスから不安気に上目遣いで見られたアリアの庇護欲が疼く。
「アリア様ぁ~」
「わ、わかりましたわ。お友達になりましょう。アリスさん」
「本当ですかぁ!やったぁ~!」
「……」
喜ぶアリスを傍目に何だか胸がくすぐったいような負けた様な気持ちになりながらアリアは1つ、アリスに聞きたかったことを尋ねる。
「コホン!アリスさん、1つお聞きしたいのですが…」
「はい!何ですかぁ?アリアちゃん?」
「アリアちゃん!?」
「えぇ~ダメですかぁ?ちゃんと公式の場ではアリア様って呼びますけどぉ、私的な所でわぁアリアちゃんって呼びたいですぅ~。お友達になったんですもん。いいですよねぇ~」
「え、えぇ構いませんわ」
「ありがとうございますぅ!あっ!アリアちゃんもぉ、私のことぉアリスちゃんって呼んでいいですよぉ?」
「わ、私はとりあえず遠慮しておきますわ」
「そうですかぁ~」
アリスはアリアが断ったことで少し悲し気な表情をしていたが、このままでは話が進まない!と思いアリアは本題を切り出すことにした。
「そ、それで聞きたいことなのですが…貴方と宰相様が結婚するに当たって市民達の祝福の声がとても大きいのです」
「そうなんですぅ!皆さんおめでとう!って沢山声をかけてくれていてぇ、すっごく嬉しいんですぅ!」
「…そう、それはとても良いことだと思うのですが、その反対に貴方と宰相様との関係を否定する者が少ないのです。…いえ、王都の民だけで言うと殆どいないのです」
「……」
「皆さん貴方と宰相様との結婚を大いに喜んでいる。…でも、貴方は聖女として国民に人気のはずです。その貴方が、…言っては悪いことですがあの宰相様と結婚をする。見た目のせいで悪い噂が絶えない方です。そんな相手との結婚をあたかも知っていたかの様に国民は祝福しているのです。それどころか、宰相様の悪い噂自体がなくなっていっている」
「……」
「アリアさん。貴方何か知りませんか?」
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