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小話1-1

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 ガーベラ王国、王城の中庭で1人の女性がテーブルに座っていた。


 彼女の名前はアリア・キャルメリア。


 この国の公爵令嬢であり、つい先日第二王子であるガランとの婚約が決まったばかりだ。


「アリア様ぁ~!お待たせしてしまってぇ申し訳ありません~」


 対してアリアに謝っているのは、こちらもつい先日この国の宰相であるイアン・スターチスと婚約し、スピード結婚をした女性であり、聖女とも呼ばれているアリス・ロードもといアリス・スターチスである。

「いいえ、大丈夫ですわ。こちらこそ急に呼び出してしまって申し訳ありません」


「そんなことないですよぉ~。アリア様にぃ~呼ばれてとても嬉しかったですぅ」


「…そう言って頂けると助かりますわ」


「はいー。アリア様ぁガラン様とご婚約されたのですよねぇ?おめでとうございますぅ!」


「え、ええ///あ、ありがとう」


「やっぱりぃ、ガラン様がアリア様に告白したんですかぁ?」


「え!な、何故それを!?イアン宰相様から聞いたのですか!?」


 アリスはアリアの様子を見て「やっぱりぃ~!」と言いながら頬に手を当て身をくねっている。だが、ほとんどの者が知らないはずのそのことをアリスが知っていることにアリアは頬を赤くしながら尋ねる。


「えぇ~違いますよぉ~。だってぇ、ガラン様がアリア様を好きなのってぇ、ガラン様の様子を見てたらわかりますよねぇ?だからぁサラン様との婚約が白紙になってぇアタックしたのかなぁ~って思ってぇ」


「ア、アタック…で、でも貴方達はあまり関わり合いがなかったのではなくて?」


「それでもぉ、ガラン様がアリア様の名前を言う時の声色とかぁ、仕草とかぁ目を見れば大体予想できますよぉ」


「………」


 声色?仕草?アリアはガランに告白された時の様子を思い出すが、その場にいた国王夫妻や宰相はもちろん、彼の学友である側近達も寝耳に水状態で軽くその場がパニックになりかけていた。それなのに、アリスはガランの僅かな態度の違いから彼の気持ちを察していたと知り驚く。


「ま、まぁその話は置いておきましょう」


「えぇ~、アリア様とガラン様のいちゃいちゃ話聞きたいのにぃ~」


「い、いちゃいちゃ!?だ、ダメです!今日はそんな話をするために呼んだのではないのですから!」


「…残念ですぅ。また、今度聞かせて下さいね?」


「え、ええ」


 止めてももっと突っ込んで話を聞いてくるかと思っていたアリアは、意外にあっさり引いたアリスにホッとすると共に、今まで周りにいなかったタイプなため、既に疲れ果てていた。


「それでぇ、お話ってなんですかぁ?」


「…それは座ってお話しましょう。お茶もあることですし、ゆっくりしていって下さい」


「はぁーい♪」


「……」




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