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第8話
しおりを挟むこの国を救った聖女であるアリス・ロードの好きな人、それがこの国で1番醜いとされているイアン・スターチス。その言葉を聞き皆が唖然とし、その後に起こったのは絶叫の嵐である。
「な、な、な、冗談だろ!!!」
「あらあらあらあら、まあまあまあまあ」
「………。」
サランは叫び、アリアは珍しく驚愕を表にし、国王に至っては言葉の意味を理解できず、その言葉に裏があるのかと考えている。イアン本人は突然出された名前に放心状態であり、他の参加者達も各々でリアクションをとっておりカオスである。
「ムッ!冗談じゃないですよぉ~。」
「あ、あの宰相だぞ!裏で何をしているかわからない極悪人の!」
「サラン!貴様は何を根拠にアイツを極悪人などと申しておるのだ。」
「ち、父上。ですが噂で…。」
「まさかそのようなくだらない噂に躍らされておるのではあるまいな?奴の身が潔白であることなど等に調べがついておるわ!」
「そうですよぉ~サラン様めっ!」
「「「………」」」
大勢の前でこの国の宰相を極悪人と言ってしまったサランは国王から叱責を受けるが、アリスの気の抜ける怒り方に気力が抜け、変な空気が漂う。
コホン
「で、ですがアリスさん。どうしてイアン宰相様のことが好きなんですか?」
「えぇ~///」
「それは私も聞きたいな。なぜうちの宰相を?」
アリアも国王もアリスを見極めようと目つきを鋭くする。
「私ぃ~昔から格好いい人よりぃ~ちょっと不細工な人の方がキュンッ!ってきちゃうんですぅ。」
「「「「「………。」」」」」
「イアン様を初めて見たのは5年前の新年の挨拶の時だったんですけどぉ、一目惚れしちゃった!きゃっ///」
「「「「「………。」」」」」
「それからぁ、宰相様のことを色々と調べてぇ~もっともっと好きになりましたぁ~」
「「「「「………。」」」」」
「イアン宰相様わぁ、確かに顔は悪いかもしれませんけどぉ、努力家でぇ~何事にも一生懸命でぇ~噂とかいろいろな悪口を言われたとしてもすっごく立派に国王様の隣に立って国を守っていることが何よりも素晴らしくてぇ~知れば知るほど好きになっちゃいましたぁ~。…恥ずかしいぃ~///」
そうアリスは微笑みながら目を輝かせ、両手を頬に置いてくねくね身悶えている。
「「「「「………」」」」」
「そ、そんなぁ…」
「あらあら、まあまあ!」
「ふむ。」
アリスの言葉に嘘があるように思えずサランはショックを受け、アリアや国王はアリスを見直している。
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