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第6話

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「…アリス?」


「ーーあのぉ~さっきからぁ~何のお話をされているのですかぁ?」


「「「「「え?」」」」」


「ア、アリス?ほら褒賞の話だ。その褒賞で君は私と結婚するんだろう?」


「???。私ぃ~サラン様と結婚するつもりは全くないですよぉ~?」


「な!!」


「「「「「え!!」」」」」


「えぇ~?」コテン


「ど、どうして!?き、君は私のことが好きなのではないのか?」



「?サラン様のことわぁ~お友達としては好きですけどぉ~恋愛面では全く好きではないですよぉ?」


「!?」


「ーーあなた今までサラン様のことが好きでサラン様の側にくっついていなのではなくて?」


「えぇ~?私からサラン様に近づいたことわぁ~ほとんどないですよぉ~?」


「「「え?」」」


「サラン様ってぇ、どうしてか私の行くところ行くところに来て話を聞いてほしそうにするからぁ~お話ししてただけですしぃ~、お友達になってほしいって言われたからぁお友達になっただけですよぉ?」


「~~!」カ~///


「他の男の人もそうですぅ~。話かけられたから話していただけですし~みんなただのお友達ですぅ~」


「ですが、よく彼らと出かけていたりしていたではないですか。」


「それわぁ~、お友達ですしぃ~サラン様や他の方が好きな物買ってくれるってぇ~言って下さったからですよぉ?それにぃ~アリア様達から注意されてからわぁ~行ってませんよぉ~?」


「ーー確かにそうですわね…。」


思い返してみればサラン達が誘っても何かしら理由をつけて断っていた気がする。


「それにぃ~わたしわぁ~貰えるものは貰っておく主義ですからぁ~買ってくれるって言われたら誰とでも行きますけどぉ~怒られてまではいかないですぅ~」


「……なるほど。それは申し訳ないこと言いました…」


「大丈夫ですぅ~」


「待ってください!ですがあなたは注意されてもよくサラン様や他の殿方達の後ろに隠れていたではないですか!」


「そ、そうです!他にもサラン様とお二人で話すだけではなく、人目があるのによく男の人に肩や腕を組まれていたではありませんか!」


そうアリアの側にいる令嬢達が言う。


「そうなんですぅ!アリア様達と話す時とかぁ~、サラン様にも他の方達にも前を塞がれて邪魔だなぁ~どいてほしいなぁ~っていつも思ってましたぁ~!」


「「「……」」」


「それにぃ~みんな何故か肩を組んできたりぃ~密着してきましたけどぉ~私はすぐに離れていましたよぉ~?流石にぃ~お友達に触らないでぇ~って言いづらくってぇ~」


「「「……」」」



 そう純粋そうにアリスは言う。第1王子並びに取り巻き達は呆然としている。


「……なら、何故わたくし達に何も言ってくれなかったのですか?」


「言おうとしたんですけどぉ~、その度にサラン様達が来てぇ~喧嘩になっちゃってたんで言えなかったんですぅ」


「…なるほど」


 身に覚えがありすぎて、令嬢達はなんだかアリスに申し訳なくなってくる。


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