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第2話

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 ところ変わってここ、ガーベラ王国執務室にはこの国の国王であるサリオルとその息子である第二王子ガラン、そして、彼らの腹心である宰相イアンが部下から報告を聞いていた。


「…やはりサランはダメだな」


「ええ、政略とはいえ国に決められた婚約者を蔑ろにし、1人の少女と仲を深めるとは…。例え相手が聖女であったとしても容認することはできませんな」


「兄貴すげ~」


 そうサリオルは断言する。賢王と呼ばれるだけあり、サリオルの姿は威厳に満ちており、武術の心得もあるのかその身体は鍛え上げられていた。その隣には、スタンピードが起こった際すぐさま前線に駆けつけ、先陣を切り国を守ったガランが立っており、彼もなかなかの風格を備えている。


「ガラン、感心するな。ーーアイツは国よりも自分の方が大切だからな。この前のスタンピードの時も自分の部屋のベッドで丸まって怯えていたらしい。王族でありながら皆が命を懸けて懸命に戦っている時に自分だけが安全地帯でただ震えていただけとは情けない…。アレに王は務まらん」


「だがどうされますか?聖女をこの国に留めておくために王子と結婚されるのは良いことですぞ。サラン様を廃太子させ、爵位を与えますか?まぁサラン様に領地を上手く経営出来るとは思えませんがな」


「温いな。アイツは平民に落とすくらいがちょうどよいだろうよ。だが平民に落としたとしても、それに聖女がついて行けば国外に出られる可能性もあるか。ーー厄介だな」


「ええ」


「ガラン。確かお前には婚約者はいなかったな。どうだ?聖女と婚約するか??」


「絶対ぇやだ」


「だが一緒に戦った仲であろう?」


「それでも嫌だ」


「…それに市民からの人気も高いぞ?」


「無理」


「……そんなに嫌か?」


「あんな女と結婚だなんてごめんだね」


「ーーそういえばガラン様、聖女はどのような少女なのですかな?」


「そうだな。私たちは後始末などがあったせいであまり彼女と関わることが出来なかったからな。そこまで嫌がるほどなのか?」


「ん?暗部に調べさせてねぇのか?」


「調べさせたがこれといって何も出てこなかった」


「んーそうだな。よくわからない不気味な女だな。俺たちに手を貸しに来た時もニコニコ笑ってたし、悪魔を倒す時も終始微笑んでたしな。普通あの場所でニコニコ笑っていられるか?」


「…ずっと笑っていたのか」


「…確かにそれは不気味ですな」


「その後にも何回か話したけどよぉ、なんか自分の魅力を全部わかってます!みたいな感じと喋り方で男連中からめちゃくちゃチヤホヤされてたわ~。助けてもらってなんだけど俺はああいう打算的な女は嫌いだね」


「「…なるほど」」



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