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第六十九章『EEEその七』

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   携帯ショップpuにいたら辺りがすっかり暗くなったようだ、裕子の家で康平、咲羅、彰が泊まっていた。
咲羅「希美が帰ってくれたのがいいけど」
彰「なんで俺たちが裕子の家に泊まることになったんだ!?」
康平「あれこれあったからしょうがねえだろ!」
   なぜ裕子の家に泊まってるのか振り返ってみましょう。
裕子「お母さん!   ありがとう!」
裕子の母「困ってるんじゃないかと思って来ただけよ」
康平「まじ感謝します」
   ある帰り道で裕子、裕子の母、康平、咲羅、彰、希美が帰っていた。
希美「これでこうゆがスマホを持ってくれたの~」
咲羅「まっ確かに」
彰「う……う……」
   彰はまだスマホの事で引きずってるようだ。
咲羅「まだ引きずってるの!?    いい加減にしなさいよ!」
希美「また行けばいいの~」
彰「分かったよ……」
裕子の母「所で裕子のお友達さんかしら?   こんにちは」
咲羅「どうもっす」
希美「こんにちはなの~」
彰「こんにちは」
   裕子の母に挨拶したところで思いついたらしい。
裕子の母「そうだわ、もう遅いから家に泊まりに来なさい」
咲羅「え?」
彰「まじで」
康平「いいんすか?」
   裕子の母の発言に三人は戸惑ってるようだ。
裕子の母「ええ、せっかく沢山お友達がいるから泊まりに来て、大歓迎よ」
   裕子の母の笑顔に負けたのか。
康平.彰.咲羅「お言葉に甘えて泊まらせていただきます」
裕子の母「まぁ、よかったね、裕子」
裕子「ありがとう、お母さん」
   しかし、全員とはいかなかった。
希美「私の家族は厳しいから予定通りに帰らないと怒られるの~」
裕子の母「それなら仕方ないわね、今夜遅いし途中まで一緒に帰りましょ?」
希美「はいなの~」
   みんなと帰って今に至る、彰、康平、咲羅はリビングでくつろぎながら話し合っていた。
彰「裕子の家って一軒家だったなんて」
咲羅「相当普通の家庭みたいね」
康平「精一杯の笑顔にされたら断りきれなかったしな、まさに親子そっくりだぜ」
    康平の言う通り、裕子の母と裕子は見た目はちょっと違うが性格がそっくりな所があるのだ、そのタイミングで夕食が出来た。
裕子の母「出来たわ、ご飯よ?」
全員「はーい」
   彰、咲羅、康平、キッチンでお母さんのお手伝いをした裕子はリビングにある食卓に並んだテーブルの所に行き、椅子に座った。
全員「いただきます」
彰「うんめー」
咲羅「ほんとだわ、私のお父さんよりも美味しい」
康平「うま、久しぶりに手料理食ったぜ」
裕子「久しぶりに食べた、美味しい」
裕子の母「まあまあ」
   こんな楽しい食卓は久しぶりだ、夕食を食べ終わったみんなはデザートを食べていた。
彰「うんうん、デザートまで手作りなんてすげぇ」
裕子の母「これはね、裕子が作ったのよ」
裕子「ちょっとお母さん!」
    裕子の母に言われたのがよっぽど恥ずかしかったのか、裕子の顔が赤く染まる。
咲羅「いいじゃない、作り方は簡単だけど美味しければいいわ」
康平「裕子、デザートうまいぜ」
裕子「康平さん、ありがとう」
裕子の母「まぁまぁ」
   食卓でみんなとやりとりしてるのが裕子の母にとって微笑ましいようだ。
   そして裕子の母は改まったように話してきた。
裕子の母「貴方達、もしかしてEEEのメンバーでしょ?」
彰「はい」
咲羅「えぇ」
康平「そうすね」
裕子の母「騒ぎになると大変だったから黙っておいたのよ」
   裕子の言う通り、裕子の母はEEEのメンバーを気遣って分からないふりをしてくれたのだ。
康平「ありがとうございます」
咲羅「助かったわ」
彰「それでいつも通りに生活出来たわけだね」
裕子「いつもはどうしてるんですか?」
   裕子はEEEのメンバーに聞くと悩みながら答えた。
彰「いつもは変装して出かけるんだけど」
咲羅「今回はうっかり忘れたわ」
康平「裕子がいてくれたからバレずに済んだ」
裕子「そんなことはないです」
裕子の母「二人は申し訳ないけど二階に空いてる部屋に行ってくれるかしら?」
   裕子の母が彰と咲羅に向かって申し訳なさそうに言っている。
彰「なんで?」
咲羅「分かりました」
彰「え?」
咲羅「いいから行くよ!」
彰「なんでぇぇぇ!?」
   咲羅は彰を引きずりながら連れて行き二階へ向かった。
康平「なんであの二人は二階に行ったんだ?」
裕子「まさか……」
   裕子は嫌な予感がしたらしい。
裕子の母「裕子、もしかして付き合ってるでしょ?」
裕子「!?」
裕子の母「だって、EEEのメンバーの康平さんと仲がすごく良さそうだったから微笑ましくて」
   裕子の嫌な予感が当たった、裕子の母に康平と付き合ってるのが一瞬でバレてしまった。
康平「裕子のお母さん、実は俺から誘ったんです、付き合おうと」
裕子の母「どうして裕子と付き合いたかったの?」
    裕子の母の質問に康平は照れながら答えた。
康平「なんだろう、一生懸命で笑顔が守りたくなるようなすげぇ可愛くてそれに一緒にいると楽しいんだ」
裕子「康平さん!?」
   康平が裕子について語り出すからなのか裕子の顔が赤く染まる、恥ずかしかったようだ。
裕子の母「じゃあ、裕子はどうしてEEEの康平さんが好きなのかしら?」
裕子「えっと、一生懸命頑張る姿に惹かれちゃって……後、面倒くさがり屋なのに気さくな事が」
康平「裕子!   もういい!」
   今度は裕子が康平について語るからなのか康平の顔が赤く染まる、恥ずかしかったようだ。
裕子の母「まぁまぁ、ふふふ……」
  裕子の母は二人のやり取りに微笑ましいようだ。
裕子の母「二人に話したいことがあるわ」
裕子「何?   お母さん?」
康平「なんすか?」
裕子の母「裕子はまだ十五歳なの、だから妊娠させないこと」
康平「はい、五年後待つ覚悟があります」
裕子の母「ふふふ……それならいいけど後、康平さんと付き合う事は周りの人に言いふらさないこと」
裕子「うん、バレたら大変なことになるから」
裕子の母「それともう一つ、外でのデートは控えた方がいいわ、康平さん、いつでも家に来ていいからいらっしゃい?」
康平「ありがとうございます、裕子の家でデートが中心になるかな?」
裕子「そうだね、康平さんのためならなんでも我慢する!」
康平「面倒くせぇけど俺も裕子のためなら迷惑かけたくねぇから精一杯頑張るよ」
裕子の母「まぁまぁ、もう今夜は遅いからそろそろ寝なさい?」
裕子「はーい、行こう、康平さん」
康平「あぁ」
   裕子と康平は二階に上がろうとしたが裕子はお母さんに向けた。
裕子「お母さん」
裕子の母「なーに?」
裕子「その……いきなり康平さんと付き合ったのに条件付きだけど許してくれてありがとう」
裕子の母「なーに、裕子が楽しめれば充分なの、康平さん、裕子を守ってくださいね」
康平「任せてください」
   裕子と康平はそのまま二階に上がったのだった。
   裕子のお部屋で裕子と康平は一緒のベッドで横になっていた。
康平「裕子、いいお母さんでよかったな」
裕子「うん」
康平「どうなるかと思ったが許しを貰ったから裕子の家で思い出を作ろうな」
裕子「そうだね」
   康平は裕子を抱き寄せながら顔を近づける。
康平「そんじゃ、おやすみ」
裕子「おやすみ、康平さん」
   康平は裕子のおでこをキスをし、そのまま二人で眠りについたのだった。
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