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第六十七章『EEEその五』

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   ユニーバのレッスン室で本格的にEEEのダンスレッスンが始まった。
咲羅「いい?   今回練習する曲は『SUMMER Marilyn』よ?   いくよ!?」
男性全メンバー「はい!」
裕子「ごくり」
希美「ん~」
   EEEの定番曲『SUMMER Marilyn』をかけ始めた、『SUMMER Marilyn』は夏に盛り上がるアッパーチューンだ。
彰「一人で悩んでいて~どうしたんだ~嫌な事があったの~か話してみてよ」
奏太「ずっと抱えたままは~どうかしてる~笑顔のままの君~が僕は好きだよ」
大補「さっ嫌な事は吹き飛ばそ~う真夏の太陽が僕らを呼んでる」
礼朗「君が輝く姿はとても素敵だ~よだから行こう」
全員「盛り上がれ~君も貴方もさぁさぁ悲しいことを忘れちゃうぐらい思いっきり楽しもうSUMMER  Marilyn SUMMER Marilyn mermaidのように自由に輝こう
みんなで騒げば楽しいのさ」
康平「真夏の海は輝かしくて真夏の太陽も輝き増して
君はどうしたいんだい貴方と共に生きたい
真夏は一瞬しかやってこないから
思いっきり騒ぎたいや」
咲羅「忘れたくないよ~真夏の夜は切なく感じた~せめてこれだけは伝えさせて~また行こうよ」
全員「盛り上がれ~君も貴方もさぁさぁ悲しいことを忘れちゃうぐらい思いっきり楽しもうSUMMER  Marilyn SUMMER Marilyn mermaidのように自由に輝こう
みんなで騒げば楽しいのさ」
   EEEのダンスレッスンが終わった。
裕子「すごい」
希美「迫力あるの~」
咲羅「ありがとう、でもここから三時までずっと練習よ」
   咲羅の言葉で驚く裕子。
裕子「EEEは練習をずっとするんですか!?」
咲羅「どこのアーティストも当たり前に練習するのよ?   甘く見ないで」
裕子「はい、あの……もしかしてEEEのリーダーですか?」
   裕子の問いかけに咲羅は答えた。
咲羅「そういえば言い忘れたわね、そう、私がEEEのリーダーを勤めてるの」
裕子「高校生なのにすごいですね」
咲羅「それは裕子も同じ、一年生なのに部活の部長を務めるなんて凄すぎるわ」
裕子「そんな、当たり前の事をしただけです」
咲羅「私だって当たり前の事をしてるわよ、もしかして裕子と気があうかもね、希美も」
希美「さらら嬉しいの~」
   EEEの男子メンバーは咲羅に忘れられていた。
彰「おーい、忘れないでよーー」
奏太「俺らだっているぞ」
康平「まだまだ踊りてえよ」
大補「俺も」
礼朗「オイオイそこで女性の友情を芽生えたか」
咲羅「礼朗は黙って」
礼朗「はいはい黙ります」
   EEEはさらにレッスンでダンスを重ねるのだった。
   レッスンの昼休み、裕子達は咲羅が注文したお弁当を食べていた。
裕子「美味しい」
希美「本当なの~」
咲羅「私達はこれが普通なんだけど」
彰「咲羅って大金持ちなんだよね」
奏太「うん、羨ましい」
康平「俺はどっちでもいい」
大補「だからお金には困らないわけ」
礼朗「マジで感謝します」
咲羅「それ以上言うと殺すわよ」
男性メンバー「すいません」
   男性メンバーは女性メンバーの咲羅に弱いようだ。
裕子「ところで皆さんはおいくつですか?」
彰「二十五歳だよ?」
奏太「二十三歳」
康平「俺が最年長で二十七歳」
大補「俺は二十六」
礼朗「俺は二十一歳」
咲羅「そして私は十七よ」
裕子「そうなんだってえ!」
   EEEのメンバーの年齢はバラバラ、最年長は二十七歳の康平、最年少は十七歳でリーダーである咲羅なのだ。
希美「みんないるとこうゆが最年少なの~」
裕子「う……」
咲羅「安心して、裕子は最年少でもすごい人だから」
康平「それ、フォローになってね?」
   みんなでワイワイお昼ご飯を食べるのだった。
康平「裕子、ちょっと来い」
裕子「はい」
   お昼ご飯を食べ終わってまだ時間が余ったので康平と裕子は事務所の最上階に行った。
咲羅「恋人っていいわね」
希美「羨ましいの~」
礼朗「はぁ……俺も早く恋人を作りてえ」
大補「俺も俺も」
彰「ひゅーーひゅーー」
奏太「彰はさっきからうるせぇ!」
彰「ぐへぇ!」
   奏太は盛り上がる彰のお腹に攻撃する、レッスン室で残る人達の会話だった。
   ユニーバの最上階、何もないお部屋で康平と裕子が二人っきりになった、康平は意思を固めて話す。
康平「裕子、聞いちまったが実は二十七歳なんだ」
裕子「知らなかったです、私と同い年かと思った」
康平「それはありがてえけど、俺にもイかれてるところもあるぜ」
裕子「そんな!?」
   裕子は体に悪い所がある康平を心配する。
康平「俺は裕子のこと学年に言われるまであまりにもしっかりしてるからずっと高三かと思ったぜ」
裕子「いやいや……たまに言われます」
康平「なんだよそれ……言い慣れたみたいな言い方しやがって」
裕子「私変な事を言いました?」
康平「冗談だよ」
裕子「えーー!」
   冗談に笑う康平に対して困ってしまう裕子。
康平「裕子」
裕子「何?」
   すると裕子は康平に抱きしめられた、これが好きな人の温もりだ、そう感じた。
裕子「初めて男の人に抱きしめられた、暖かい」
康平「そうか?   俺が初めてか?」
裕子「うん」
康平「俺は裕子を幸せにする、大切にする、この先もずっとずっと、五年後になったら必ず迎えに行ってやるから待ってくれないか?」
   康平は本気のようだ、話を聞いた裕子は返事をした。
裕子「はい、待ってます」
   裕子は気付いたら一生懸命な姿の康平に惹かれたようだ、裕子は思う、早いけど付き合ってよかったと。
康平「さぁ、もうそろそろレッスン室に戻るか」
裕子「はい!」
   裕子と康平がユニーバのレッスン室に戻ろうとしたら裕子が何かを言い出した。
裕子「康平さん」
康平「なん……」
   すると裕子が康平の左頬にキスした、そして裕子と康平は両想いになった。
康平「な!」
   康平も流石に顔が赤くなり、両手で隠す。
康平「つ……次は覚えてろ!」
裕子「あははは!」
   これが裕子と康平の恋愛物語が始まろうとしてる、それを知らずに二人はレッスン室に戻ったのだった……。
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