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第六十二章『裕子に出会わなかったら』

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   今日は引き続いて色彩学園が職員会議があるため部活はお休み、裕子は咲子が働いてる食堂『赤い木』で裕子、姫乃、希美、えり菜、一歌、咲子、亜弥、史、七美、みのり、久乃、奈々央、凛、三保が来ていた。
裕子「私一人だけ一年生だなんて……」
姫乃「あら?   誘ったのは裕子さんですわよ?」
希美「そうなの~」
えり菜「話があるっと聞いてここに来ましたが」
一歌「何なのよ!?   もう!?」
咲子「話だなんてなんだろう?」
亜弥「まさか、裕子が重大な発表があるとか!?」
史「そんな訳ないでしょ!?」
七美「聞いただけでゾッとします」
みのり「何でしょう?」
久乃「何の集まりかしら?」
奈々央「さあ?」
凛「裕子さん、興味深いわ……」
三保「そもそもどんな話なのか」
   どうやら裕子に誘われて二年生と三年生は『赤い木』に集まったらしい、裕子はみんなに向けて発表した。
裕子「先輩達は私に出会ってよかったんですか?」
えり菜「え?」
三保「急すぎるわね」
裕子「実は一年生だけ私のお家にお邪魔した時に私に出会ってよかったことについて話されたの」
咲子「それで気になったわけですね」
みのり「分かります」
   まずはみのりが共感したようだ。
みのり「私は友達いましたけど少数でした、裕子さんに出会わなかったら楽しくなかったんですよ?」
裕子「どうして?」
みのり「人生を楽しめなかったんです、だから裕子さんに出会ったら楽しくなりました」
裕子「そうなんだ……」
みのり「せっかくなんで皆さんも話しませんか?」
   みのりがみんなに向けて話す。
奈々央「じゃあ!   じゃあ!   私から!」
   奈々央がやる気満々のようだ。
奈々央「私は友達があんまりいなかったな、裕子に出会ってるのと出会わなかったのが大分違う、出会った事によってすごく楽しいぜ」
   引き続いて久乃も話した。
久乃「私も友達がいなかった方なの、裕子さんって楽しい方だから出会って良かったの」
七美「私は友達が全くいませんでした、裕子さんに出会ってから生まれ変われる気がします」
凛「裕子さんは興味深いわ、私は友達なんて作る気なかったけど、今は裕子さんに出会ったから友達を作る気になれたわ」
三保「……確かに、裕子さんって私達と違った力が持ってるわね、私も出会ってなかったらつまらない人生を送ることになってたわ」
   七美、凛、三保に続いて裕子に感謝を送る、そして、史も裕子に感謝を送った。
史「裕子に出会わなかったら私は変われなかった、何も出来ないままで終わってたと思う、だから裕子、私からも感謝してる」
裕子「そんな……照れますよ」
   三年生に褒められた事で裕子は照れてるようだ、すると亜弥も言ってくれた。
亜弥「私も!   裕子に出会わなかったら明るく振る舞え切れなかったよ」
咲子「充分明るく振舞ってますけどね……私も裕子さんに出会ってなかったら変われましたよ、せっかくですから一歌さんも言ってくださいよ」
一歌「はぁ!?   何で私まで!?」
   一歌は咲子に言われたのがムカつくようだ。
一歌「なんなのよ!?   べ……別に一個ぐらいあるわよ、裕子さんは!   何かが違うのよ!   私達とね!   ふん!」
咲子「最後まで素直じゃないですね……」
   一歌は言うも、素直じゃないようだ。
希美「こうゆは優しいし、まとまりがいいからいい人なの~えりーも言って~」
えり菜「私も!?   まっ、裕子に出会ってなかったら勉強にならなかったですよ」
希美「えりーも素直じゃないの~」
   えり菜が素直じゃない事で落ち込む希美。
姫乃「そうですね、裕子さんって面白い方だから出会ってなかったら何も出来なかったと思いますわ、だから裕子さん、こんな私をパレット部で引き取ってくださり、ありがとうございます」
裕子「そんな……照れますよ」
   裕子は姫乃の感謝の言葉に照れてるようだ。
裕子「みんなありがとう、後は解散していいよ」
姫乃「私はこれで失礼しますね」
希美「こうゆバイバイなの~」
えり菜「それでは失礼しますね」
一歌「また来るから覚悟すれば?」
咲子「じゃあ、私は食堂の手伝いするので失礼します」
亜弥「まったねーー!」
史「失礼するわ」
七美「また学校で」
みのり「そうですね」
久乃「またね」
奈々央「バイバーイ」
凛「ふふふ……」
三保「また会いましょう」
裕子「じゃあ、私も帰ります」
   裕子を含んだ二年生と三年生はそのまま解散したのだった。
   色彩学園の休み時間、裕子は映美先生のお手伝いをしていた。
映美「すまないな……私のお手伝いをしてくれるのは裕子だけだ」
裕子「いいえ、当たり前ですから」
   お手伝いをする裕子は映美先生に聞いてみた。
裕子「映美先生」
映美「なんだ?」
裕子「映美先生は私に出会ってよかったんですか?」
   突然の質問に悩む映美先生、そして答えた。
映美「そうだな、裕子に出会ってよかった、入学当時は変わった人だなと思ったが、接していくうちに芯が強い人だなと思った、だから、裕子が作りたいことを応援したかったんだ、そして色彩学園を初めてきた私さえも馴染ませてくれた、裕子と同じ初めて来た場所なのになんだか、仲間に入れたみたいで嬉しかったんだ」
裕子「そんな……私はやりたい事をやりたいだけです」
映美「さぁ、授業の準備をするぞ」
裕子「はい」
   よく見ると映美先生の頬に赤く染まっていた、裕子はそれを知らずにお手伝いをしていたのだった。
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