全色パレット

第三十一章『全色揃った！』

   放課後、三年三組で三保、凛、みのりが裕子の迎えを待っていた。
みのり「何かあったんでしょうか？」
凛「部活を始める準備をしてるじゃない？」
三保「だいだいそんな感じじゃない？」
   そう心配していたら裕子がやってきた。
裕子「おまたせしました、じゃあ早速案内しますね」
凛「お願いね」
みのり「何かあったかとハラハラしました」
三保「そんなことないから」
   凛とみのりと三保は裕子に案内され、パレット部室まで着いた。
裕子「着きました、ここが私達が活動してるパレット部室です！」
みのり「入っていいんですね？」
凛「他の部員達が待ってるから入りましょう？」
三保「そうね」
   そう言うと裕子がパレット部室のドアを開けた、パレット部員達が暖かく迎えてくれる。
早織「これが裕子ちゃんが言った新しい部員？」
亜弥「うわぁ……意外と大人」
七美「二人は知らないですけどみのりさんがパレット部に入るなんて嬉しいです」
映美「さぁ、早速自己紹介をしてもらおうか？」
   いつも通りパレット部員の自己紹介が行われた。
三保「三年三組の紫垣三保よ、私の秘密を知ろうとする人は容赦なく声をかけるからね」
優梨子「恐ろしい」
亜弥「ひぃ～」
希美「わーい、今日からみほり先輩って呼ぶね」
三保「相手からあだ名で呼ばれるのは初めてだわ、別に嫌な気持ちはならないから好きに呼んでね」
えり菜「三保先輩すいません」
凛「三年三組の青葉凛よ」
希美「わーい、今日からりんりん先輩って呼ぶね」
凛「好きにして頂戴」
えり菜「凛先輩すいません」
凛「あら？   こう見えて楽しんでるから」
えり菜「そうだったんですね！   失礼しました！」
みのり「私は黄川田みのり、三年二組です」
希美「わーい、今日からみのー先輩って呼ぶね」
みのり「みのー先輩、可愛らしいですね」
えり菜「いや、みのり先輩、貴方の事ですから！」
みのり「ふぇ～」
えり菜「す……すいません……」
凛「みのりさんは嫌な事をされたりちょっとでも刺激されると泣いちゃうの」
万紀「どんだけメンタルに弱ぇんだよ！？」
史「そんなの時間が経てば泣き止むでしょ、三年一組灰谷史」
凛「史さん、みのりさんはなかなか泣きやまないわ」
史「じゃ、どうすればいいのよ？」
凛「料理をさせればいいけど……」
裕子「みのり先輩、また料理食べたいです！」
みのり「ほんとですか？   明日作りますね」
史「これで立ち直るのね、裕子も苦労するね」
裕子「最近発見しました」
史「最近！？」
凛「これでまた泣き止む方法が増えたわ、裕子さん感謝してるわ」
裕子「最近なんですけどね」
七美「私達のこと忘れないでください！   三年二組紺谷七美です」
久乃「七美さんが成長したわ」
奈々央「本当だな！」
七美「二人とも茶化さないでください」
久乃「ごめんなさい、三年二組永緑久乃です、お見知り置きを」
奈々央「三年二組橙山奈々央です！」
希美「二年一組白鳥希美です～」
えり菜「私は二年一組清水えり菜です」
姫乃「私は二年一組若葉姫乃と申します」
凛「姫乃さんはどうして生徒達に囲まれてるかしら？」
姫乃「さぁ？   分かりません？」
凛「ふふふ……姫乃さんは面白いわ……」
三保「凛さんが言ってること気にしなくていいからね」
姫乃「はい、分かりました」
一歌「私は二年二組の茶園一歌よ」
咲子「私は！   二年三組！  赤木咲子です！ 」
亜弥「私は二年三組の藤本亜弥でーす！   よっろしくー！」
早織「私は一年三組の藍原早織です」
千晶「一年三組、朱宮千晶」
優梨子「私は一年三組桃井優梨子です」
伶奈「私は一年三組紅林伶奈だ」
裕子「改めて私は一年三組大無田裕子です、よろしくね」
映美「私は一年三組の担任、一色映美だ」
万紀「あたしは一年三組黒沼万紀、実は黙ってた事があった」
三保「それは？」
万紀「それはこの学校に五年留年してんだ、裕子は勿論、映美せんせ……」
    するとパレット部員達が騒ぎ出した！
早織「え！   嘘でしょ！？」
伶奈「てっきり私達と同い年かと」
優梨子「はひ～」
千晶「裕子、なんで言わなかったの！？」
裕子「万紀に黙ってって言われたもん」
咲子「知らなかったです……」
亜弥「それじゃ、万紀パイセンじゃん！」
一歌「なんでそんな事を黙っていたのよ！？」
希美「子供かと思った～」
えり菜「ってことはれきっとした大人じゃないですか！？」
姫乃「まぁ、そんなことあるんですね」
史「……は？」
七美「ふえー」
みのり「ふぇ～」
久乃「えっ！？   私より年上なの！？」
奈々央「まじすか」
凛「万紀さん、興味深いわ……」
三保「驚くわよ、普通」
万紀「……みんな、すげーリアクションだな……黙ってるのは悪かったよ」
映美「私は聞いた事があったが、五年も留年したとは知らなかったな」
万紀「え、映美先生までもかよ！？」
   今日もパレット部は賑やかですね、これで全色揃った！これから先はもっと青春して本当の彩りを知ることになるだろう……