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第十三章『藍をこめて』

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    最初のボランティアの依頼を終えたパレット部達は帰り道の途中までがたまたま同じ道だったので一緒に帰っていった。
裕子「楽しかったぁ!」
万紀「疲れたけどな……」
史「あら、私は大したことなかったけど」
亜弥「桜の花びらいっぱいだったね!」
優梨子「はい、そうですね」
千晶「私もつっかれた、でもいいアイデアが浮かんだから取り掛かりたい」
   たわいのない会話してたら優梨子と万紀が人の気配がした。
優梨子「誰かがいるような気がする」
万紀「あぁ、あたしも感じたところだ」
   パレット部員達全員が後ろを振り向くと、黒髪でツインテールをしてる人が差し入れを持ってきてくれたのだ。
裕子.千晶.優梨子「早織ちゃん!?」
万紀「あたしのクラスにいる人か?」
早織「うん、そうだよ」
史「なんで貴方が私達をついてきてるのよ?」
早織「それはどうしてもお礼がしたいから」
亜弥「へぇ?   お礼?」
   早織(さお)がパレット部に追いかけたのはお礼がしたかったから、何も出来ない自分に申し訳なかったからだろう。
早織「大した物じゃないけどよかったらどうぞ」
   早織が差し出した差し入れの中身はスポーツドリンク六本が入ってあったのだ。
早織「自動販売機があったから本当は七本買いたかったけど、六本目を買ったら品切れちゃったの、お口に合うどうかわからないけど」
亜弥「嬉しい!   ありがとう!」
万紀「丁度喉がカラッカラッだぜ!」
史「どうしてもなら頂くわ」
千晶「早速アニメーションの作業に使うよ」
優梨子「人に物を貰うのは初めてです」
裕子「ありがとう!    早織ちゃん!」
   パレット部員達が早織の差し入れに喜んだようだ。
早織「じゃあ、私はこれで……」
裕子「ちょっとまって早織ちゃん」
早織「何?」
裕子「よかったらパレット部に入らない?」
   裕子から突然のお誘いに早織は。
早織「私がパレット部に入っていいの?」
万紀「あぁ、一人入ってくれたら大歓迎だぜ」
史「それなりに楽しいわよ」
亜弥「差し入れをもらったし、ボランティア活動一緒にやろうよ」
千晶「いいんじゃない?   早織が入るとまとまりやすいし」
優梨子「私達がお礼をするのはこれぐらいしか……」
裕子「ね?   みんな大歓迎してるよ?」
   パレット部員の暖かさに惹かれた早織は
早織「分かった、パレット部に入るわ」
裕子「本当?   ありがとう、早織ちゃん!」
    早織がパレット部に入ってくれることが嬉しくて裕子は早織に抱きついた。
早織「ただし明日」
優梨子「へ?   明日?」
早織「明日パレット部に紹介したい人がいるんだけど、その人を連れてきていい?」
裕子「勿論だよ!」
早織「ありがとう、裕子ちゃん」
万紀「そうだ早織、帰り道あたし達と一緒か?」
早織「はい、途中までですけど」
亜弥「良かったら一緒に帰ろうよ!」
早織「うん、いいよ」
   早織がパレット部に入ってくれた事を嬉しかった裕子達は一緒に帰ったのだった……
   帰る間、自己紹介をした。
早織「私は一年三組の藍原早織(あいはらさお)です、私の名前の漢字を見てさおりと読まないで欲しいです」
裕子「授業中、先生達によく間違われるよね……」
早織「我慢してるけど嫌なの」
万紀「分かった、あたしも気をつけるわ、早織、あたしは黒沼万紀(くろぬままき)、よろしくな」
優梨子「私は桃井優梨子(ももいゆりこ)です」
亜弥「私は二年三組の藤本亜弥(ふじもとあや)でーす!   よっろしくー!」
史「……三年一組灰谷史(はいやふみ)」
千晶「知ってると思うけど朱宮千晶(しゅみやちあき)」
裕子「私は大無田裕子(おおむだゆうこ)です。よろしくね、早織ちゃん」
早織「みんな、よろしくね」
   自己紹介を終えたパレット部員達、そして早織が言ってた紹介したい人とは?気になりながら一緒に帰っていったのだった……
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