20 / 32
人狼の血
カタコンベ
しおりを挟む
通路を進むと、怪鳥リルーが少し先で待っていた。ここは坑道跡らしく、所々に支柱が残されている。その一つで羽を休める彼女は、まるでランタンのように明るく周囲を照らしていた。
リルーの止まる場所まで来てようやく、ダナウはジルヴィを離した。
「ねえ! どうしてノノノを置いて行ったの? 彼は――」
「アホか。少しは頭使え」
ダナウは必死で訴えるジルヴィを引き剥がし、不機嫌そうに衣服の乱れを整えた。
「あいつには人狼事件の黒幕だって容疑が掛かってるんだ。そんな奴が半狼の俺と一緒にいるところを見られてみろ。有罪確定だろ」
「あ……」
ジルヴィは項垂れて両手を落とした。それに、とダナウは付け加える。
「俺もお前も、捕まったら殺処分は免れ得ない。でも、ノノノだったらまだ弁解の余地がある。あのオッサンを信じようぜ。俺たちよりうんと長く生きてるんだしな」
「う、うん……そうだね。ノノノは賢いもんね」
大丈夫、大丈夫と言い聞かせるジルヴィの声が虚ろに響く。二人はいたたまれなくなり、とにかく道を進むことにした。
坑道は長く続いていた。光源といえばリルーの輝く翼だけなので、あれからどれほど時間が経ったのかもわからない。さらに、人外の身であるために体力もある彼らでは、疲労度によっても経過時間が測れなかった。
ついに、坑道が終わりを迎えた。緩やかな上り坂の後、突き当りに鉄の扉が見えたのである。
「閂が掛かってる。ジルヴィ、開けられるか?」
ダナウに求められて、ジルヴィは嫌々指先を変形させる。
「前にも言ったけどさ、僕が変身するのってすごく痛いんだよ。魔術で見た目を誤魔化してるんじゃなくて、本当に体の組織を変形させてるんだから」
というのはノノノからの受け売りである。閂はすんなりと外され、鉄扉が重い腰を上げた。ギリギリという心も削られそうな音を響かせながら開く。その先はまたしても暗闇であった。
「ここは……うわっ」
ジルヴィが悲鳴を上げて飛び退る。続けてダナウも「いっ?」と叫ぶ。
仄暗い明かりの中に丸い頭が浮かび上がる。いくつも、いくつも。それらは中央に座す石棺を取り囲んでおり、虚ろな眼窩で侵入者を睨み付けていた。
「カタコンブ(地下墓所)か……」
ダナウはしがみ付くジルヴィを引き剥がし、慎重にカタコンブ内を調べ始めた。ジルヴィもリルーを抱き締めて後に続く。
「えぇ……ダナウ、こういうの怖くないの……?」
「むしろなんでお前は怖いんだよ。お前の方がよっぽどバケモンだろうが」
「そういう問題じゃないよぅ」
怯えるジルヴィを嘲笑いながら、ふとダナウは昔の後輩のことを思い出す。魔物は嬉々として殴り殺す癖に、姿の見えない幽霊は酷く怖がる奇妙な女がいたっけな。そう考えたら、またしても気持ちが塞いでしまった。
「あっ。やった! ダナウ、梯子!」
彼の感傷はジルヴィによって遮られた。指差す方向には、確かに上へ伸びる梯子がひとつ。それを登ると、そこはひんやりと冷たい教会の小礼拝堂の中だった。
ほぅと安堵の息を吐く。信仰とは無縁な、むしろ異端と断罪されるべき存在の彼らだけれども、今この瞬間にあっては、静謐に満ちたこの聖域が何よりも安心感をもたらしてくれていた。
「よし。ここもさっさと出るぞ」
「もう少し休まない?」
「人に見つかったら困る」
ダナウは有無を言わさずジルヴィを追い立てて教会堂を後にした。
ノッティラ・ノーフォーク・ノートリーヒの家を訪れて、一日か二日か。その間、一切日の光を浴びなかったために、すっかり時間の感覚を失くしてしまった。久方ぶりに吸う外の空気は新鮮で、微かに落ち葉の匂いが混じり始めていた。半円程度になった月もだいぶ西へ傾いている。それでも空が白むにはまだまだ時間があり、パリの街は夢の中で微睡んでいた。
「ここがどこだかわかるか?」
「さぁ……リルー、ちょっと見てきてくれる?」
リルーは一声鳴いて了承を示すと、音もなく夜空へと舞い上がった。
「鳥って便利だなぁ」
「大丈夫だよ。ダナウの耳も十分便利だよ」
「別にヤキモチ妬いたんじゃねぇよ」
教会の前に立ち尽くしているのも不審なので、二人はリルーが飛んで行った方向へと歩き始めた。さながら、優雅な夜の散歩である。先刻の緊迫した出来事なんて遠い昔のように思えた。
一難去ってまた一難。
残念ながら、トラブルは彼らを放っておいてはくれなかった。
ダナウの耳がピンと立つ。感じ取った気配の場所を探して振り返ったその瞬間、彼は肩に強い衝撃を受けて弾き飛ばされた。
「うあっ……!」
「ダナウ!」
石畳に叩き付けられるダナウ。その上に巨大な黒い獣が覆い被さっていた。
「ら、ライカンスロープ(人狼)……っ!」
ずらりと並んだ鋭い歯の間から、熱い吐息が水蒸気となって白く漂い消えていた。その瞳は炎よりも眩しく、毛並みは夜の海のようにぬらりと光を受け流す。大きさは馬より一回り小さい程度で、明らかにただの狼とは種を異にしていた。
アンバーの中で開き切った瞳孔がジルヴィを射抜いた。大きな大きなその口が、ほんの僅かに笑ったような気がして。
「お前っ、ダナウから離れろ!」
ジルヴィはライカンスロープに飛び掛かった。指がゴワついた毛を捉えるも、長い口吻に強打されて路上に振り落とされる。
「ジルヴィ、逃げろ!」
その隙に組み敷かれているダナウが狼の腹部に蹴りを加えるも、巨体には微塵も響かない。それでも諦めずに闇雲な攻撃を繰り出すが、ライカンスロープは嘲笑うように見下ろすだけだった。踏み付けられた左の上腕がミシミシと嫌な音を立て始める。
「う、ぐううぅ……ッ」
苦痛の声が漏れる。白く曝け出された喉元に狼の牙が掛かった。
――食い千切られる。
本能的な恐怖が全身を駆け巡った。
「やめて!」
鮮血が迸る。しかし、人狼の顎が捉えたのはダナウではない。ジルヴィが滑り込むかたちで彼を庇っていた。
「う、そ……っ、ジルヴィ……ッ!」
だらりと腕を垂らした少年の体。
肩から上は、狼の口内に。
「こっ、このおぉっ! てめえええぇぇぇ!」
滴る血液を顔面に受けながら、ダナウは激情のままに憤怒を解き放った。ブワリと吹き出す暗灰色の体毛。四肢が、鼻面が、牙が伸びる。一呼吸の間に狼の姿へ変身した彼は、自由の利く右腕をライカンスロープの顔面へと叩き付けた。
鉤爪の一撃は躱される。ライカンスロープは軽々と一歩跳び退り、口にぶら下げた少年の肉体を大きく振り上げた。
次の瞬間、為されることを。
ダナウは察知することができたが、妨害は間に合わなかった。
ぐちゃり。
汚い音だった。
「ジルヴィ――ッ!」
まるで人形でも弄ぶかのように、獣は二度、三度。その度に耳を覆いたくなるような音が響き、ぶら下がった肉体は歪な形へと変貌を遂げていった。
リルーの止まる場所まで来てようやく、ダナウはジルヴィを離した。
「ねえ! どうしてノノノを置いて行ったの? 彼は――」
「アホか。少しは頭使え」
ダナウは必死で訴えるジルヴィを引き剥がし、不機嫌そうに衣服の乱れを整えた。
「あいつには人狼事件の黒幕だって容疑が掛かってるんだ。そんな奴が半狼の俺と一緒にいるところを見られてみろ。有罪確定だろ」
「あ……」
ジルヴィは項垂れて両手を落とした。それに、とダナウは付け加える。
「俺もお前も、捕まったら殺処分は免れ得ない。でも、ノノノだったらまだ弁解の余地がある。あのオッサンを信じようぜ。俺たちよりうんと長く生きてるんだしな」
「う、うん……そうだね。ノノノは賢いもんね」
大丈夫、大丈夫と言い聞かせるジルヴィの声が虚ろに響く。二人はいたたまれなくなり、とにかく道を進むことにした。
坑道は長く続いていた。光源といえばリルーの輝く翼だけなので、あれからどれほど時間が経ったのかもわからない。さらに、人外の身であるために体力もある彼らでは、疲労度によっても経過時間が測れなかった。
ついに、坑道が終わりを迎えた。緩やかな上り坂の後、突き当りに鉄の扉が見えたのである。
「閂が掛かってる。ジルヴィ、開けられるか?」
ダナウに求められて、ジルヴィは嫌々指先を変形させる。
「前にも言ったけどさ、僕が変身するのってすごく痛いんだよ。魔術で見た目を誤魔化してるんじゃなくて、本当に体の組織を変形させてるんだから」
というのはノノノからの受け売りである。閂はすんなりと外され、鉄扉が重い腰を上げた。ギリギリという心も削られそうな音を響かせながら開く。その先はまたしても暗闇であった。
「ここは……うわっ」
ジルヴィが悲鳴を上げて飛び退る。続けてダナウも「いっ?」と叫ぶ。
仄暗い明かりの中に丸い頭が浮かび上がる。いくつも、いくつも。それらは中央に座す石棺を取り囲んでおり、虚ろな眼窩で侵入者を睨み付けていた。
「カタコンブ(地下墓所)か……」
ダナウはしがみ付くジルヴィを引き剥がし、慎重にカタコンブ内を調べ始めた。ジルヴィもリルーを抱き締めて後に続く。
「えぇ……ダナウ、こういうの怖くないの……?」
「むしろなんでお前は怖いんだよ。お前の方がよっぽどバケモンだろうが」
「そういう問題じゃないよぅ」
怯えるジルヴィを嘲笑いながら、ふとダナウは昔の後輩のことを思い出す。魔物は嬉々として殴り殺す癖に、姿の見えない幽霊は酷く怖がる奇妙な女がいたっけな。そう考えたら、またしても気持ちが塞いでしまった。
「あっ。やった! ダナウ、梯子!」
彼の感傷はジルヴィによって遮られた。指差す方向には、確かに上へ伸びる梯子がひとつ。それを登ると、そこはひんやりと冷たい教会の小礼拝堂の中だった。
ほぅと安堵の息を吐く。信仰とは無縁な、むしろ異端と断罪されるべき存在の彼らだけれども、今この瞬間にあっては、静謐に満ちたこの聖域が何よりも安心感をもたらしてくれていた。
「よし。ここもさっさと出るぞ」
「もう少し休まない?」
「人に見つかったら困る」
ダナウは有無を言わさずジルヴィを追い立てて教会堂を後にした。
ノッティラ・ノーフォーク・ノートリーヒの家を訪れて、一日か二日か。その間、一切日の光を浴びなかったために、すっかり時間の感覚を失くしてしまった。久方ぶりに吸う外の空気は新鮮で、微かに落ち葉の匂いが混じり始めていた。半円程度になった月もだいぶ西へ傾いている。それでも空が白むにはまだまだ時間があり、パリの街は夢の中で微睡んでいた。
「ここがどこだかわかるか?」
「さぁ……リルー、ちょっと見てきてくれる?」
リルーは一声鳴いて了承を示すと、音もなく夜空へと舞い上がった。
「鳥って便利だなぁ」
「大丈夫だよ。ダナウの耳も十分便利だよ」
「別にヤキモチ妬いたんじゃねぇよ」
教会の前に立ち尽くしているのも不審なので、二人はリルーが飛んで行った方向へと歩き始めた。さながら、優雅な夜の散歩である。先刻の緊迫した出来事なんて遠い昔のように思えた。
一難去ってまた一難。
残念ながら、トラブルは彼らを放っておいてはくれなかった。
ダナウの耳がピンと立つ。感じ取った気配の場所を探して振り返ったその瞬間、彼は肩に強い衝撃を受けて弾き飛ばされた。
「うあっ……!」
「ダナウ!」
石畳に叩き付けられるダナウ。その上に巨大な黒い獣が覆い被さっていた。
「ら、ライカンスロープ(人狼)……っ!」
ずらりと並んだ鋭い歯の間から、熱い吐息が水蒸気となって白く漂い消えていた。その瞳は炎よりも眩しく、毛並みは夜の海のようにぬらりと光を受け流す。大きさは馬より一回り小さい程度で、明らかにただの狼とは種を異にしていた。
アンバーの中で開き切った瞳孔がジルヴィを射抜いた。大きな大きなその口が、ほんの僅かに笑ったような気がして。
「お前っ、ダナウから離れろ!」
ジルヴィはライカンスロープに飛び掛かった。指がゴワついた毛を捉えるも、長い口吻に強打されて路上に振り落とされる。
「ジルヴィ、逃げろ!」
その隙に組み敷かれているダナウが狼の腹部に蹴りを加えるも、巨体には微塵も響かない。それでも諦めずに闇雲な攻撃を繰り出すが、ライカンスロープは嘲笑うように見下ろすだけだった。踏み付けられた左の上腕がミシミシと嫌な音を立て始める。
「う、ぐううぅ……ッ」
苦痛の声が漏れる。白く曝け出された喉元に狼の牙が掛かった。
――食い千切られる。
本能的な恐怖が全身を駆け巡った。
「やめて!」
鮮血が迸る。しかし、人狼の顎が捉えたのはダナウではない。ジルヴィが滑り込むかたちで彼を庇っていた。
「う、そ……っ、ジルヴィ……ッ!」
だらりと腕を垂らした少年の体。
肩から上は、狼の口内に。
「こっ、このおぉっ! てめえええぇぇぇ!」
滴る血液を顔面に受けながら、ダナウは激情のままに憤怒を解き放った。ブワリと吹き出す暗灰色の体毛。四肢が、鼻面が、牙が伸びる。一呼吸の間に狼の姿へ変身した彼は、自由の利く右腕をライカンスロープの顔面へと叩き付けた。
鉤爪の一撃は躱される。ライカンスロープは軽々と一歩跳び退り、口にぶら下げた少年の肉体を大きく振り上げた。
次の瞬間、為されることを。
ダナウは察知することができたが、妨害は間に合わなかった。
ぐちゃり。
汚い音だった。
「ジルヴィ――ッ!」
まるで人形でも弄ぶかのように、獣は二度、三度。その度に耳を覆いたくなるような音が響き、ぶら下がった肉体は歪な形へと変貌を遂げていった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪
naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。
「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」
そして、目的地まで運ばれて着いてみると………
「はて?修道院がありませんわ?」
why!?
えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって?
どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!!
※ジャンルをファンタジーに変更しました。

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる