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世界はとても残酷で(特にご飯が)
お菓子までディストピア
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結局パパは泊まらず帰って行った。良かった良かった。長時間居座られても会話が続かないしね。
本棚探査を行えば結構見つけました、食べ物の本!
やったぜ、ぐりぐら・しろくまちゃん・カラスさん!やはり絵本…絵本が、世界(の食)を救う…。
コレなぁに?作戦ができる!
頑張るぞ!
作戦決行の前に幼女達とお茶会ですけどね。
マンション内にあるちょっとした公園の様な空間には、休憩できる小さな東屋がある。
暑くも寒くも無い時期なので、そこでお菓子を広げてお茶の用意をした。ちなみにコーヒーやお茶は希釈タイプ。原液を薄めて飲むのが一般的で、優秀な透子さんでも何故か濃かったり、薄かったりと味が統一しない…。
今回お茶を用意したのは、豊華ちゃんのベビーシッター。
「はい、これがパパからのお土産。どーぞ」
しっかりとした箱の中から出てきたのは、一見すればディアマンクッキーの様だった。
少し分厚いクッキーの周りに、大粒のザラメ糖が塗されている。
ちょっと黒いけど…。待って、売り物でもこのクオリティ?
シッターさんを含めてみんなで食べる。
あっま"
ザラメ糖だけじゃ無い砂糖のざらっと感に、どことなく焦げ臭い小麦の香り。その奥に感じるバターの風味と焦げの苦味。
「甘くて美味しいね!」
「おいちいねぇ」
幼女達の笑顔が眩しい。
「美味しい!こんなの久々に食べました」
「某有名店のやつらしいですよ」
「この砂糖!贅沢ですよね~」
シッターさん達の笑顔も眩しい。
そっかぁ、このクオリティで美味しいのかぁ。(絶望)
あっま。お茶…うっす。そっか、豊華ちゃんのシッターさんも希釈できない人かぁ…。
なんで…なんで前世を思い出しちゃったかな、思い出さなきゃ、幼女達と一緒に美味しいねって言えたのに…。
それでも場を乱すことなく、美味しいねぇと言えた私を褒めて欲しい。
お茶が終わると、幼女達と遊んで過ごした。
同い年の子と遊ぶのは楽しいなー。
思考は大人寄りだけど、感覚は幼女寄りなんだよね。
つまり基本ベースは、名前も思い出せない北国のお菓子販売員<藤堂実。でも、お菓子販売員さん、食への執念生まれ変わっても手放してくれないの。
私も美味しいを思い出しちゃったから、忘れられないし…。
逆ハーレムや女の子が生まれない原因追求は、どっかに居る主人公に任せます。
私は私の食生活を救うので精一杯。
はー。(クソデカため息)美味しいもの食べたい!
というわけで、今夜決行です。コレなぁに?作戦。
寝る前に透子さんにコレ読んでと、11匹のニャンコの絵本を差し出す。
字は読めるけど、読み聞かせは別腹です。
透子さんのゆったりとした男の人よりも高く、女の人よりも低い声が心地よい。
そう…心地よく眠く…。
「透子さん!コロッケってなぁに!?」
っは!危ない!!寝ることろだった。
「それとなんで鳥さん丸焼きにするの?可哀想」
「え、そうですね。えーと、ちょっと待ってください」
いきなり大声を出してしまったので、驚かせてしまいました…。
透子さんは驚きながらも、エプロンからスマホを取り出し調べ始める。
コロッケって大正時代からあるんだっけ?なら、調べればわかるはず…!
イヤ、鳥の丸焼き良いよね…北京ダック食べたい…ケンタッ○ー恋しい…が、幼女の見える世界では鳥は鑑賞するものなのよ。
都市部じゃ、食べ残し、生ゴミが極端に減ってカラスさえ見なくなってるからね。
食べるなんてもっての外って世界なの…。唐揚げ食べたい。
「コロッケとは、茹でたじゃがいもを潰して炒めた肉や野菜を合わせ、パン粉をつけて油で揚げた料理…ですね」
「じゃがいもってなぁに?ご飯ってベシャベシャな物でしょう?」
「えーとそのベシャベシャの素と言いますか、えっと…食べ物です」
「じゃがいも食べてみたい!」
コロッケとかハードルの高い食べ物は言わないわ。この際、茹でたじゃがいもにバター乗せて食べるだけでも良い。(必死)
「じゃがいも…え、茹でただけで食べられるの…?」
スーパー?スーパーに行けば良いのかしら?
透子さんが混乱している。
まあ、基本的に女児の食糧や生活雑貨なんかは生協が持ってきてロッカーに入れ、コンシェルジュがチェックして我が家に運ばれるって流れだしね。
二十代後半の透子さん自身も効率化した食糧で育った世代だから、おそらく生鮮食品とは縁がない。
「じゃがいも…」
「じゃあ、明日のご飯はじゃがいもを使ったペーストにしましょう!」
「やぁだぁ!茹でたじゃがいもぉぉぉぉ!」
うわーん!と泣いてしまった。
自分が思った以上に食事に対してストレスが大きく、じゃがいもすら手に入らない絶望感でいっぱいだった。
ペーストもシリアルバーも物珍しさで頑張って食べてたけど、じゃがバターすら食べられないの~~~!?
ギャンギャン泣いた末に寝落ちした。
泣き過ぎたせいでショボショボする目を開けた。
朝だー。けど、やる気が出ない。
こうなったら、透子さんの目を盗んで脱走するかとも考えたが、スーパーの位置は知らないし、リスクがデカすぎる。
詰んだか~?
イヤ、諦めちゃダメだ。私は美味しいご飯が食べたい。
あの効率だけを考えた非人間的な食事を続けてたら心折れる…。
この情緒不安定さもきっとご飯のせい。
白米たべたいよぅ…おにぎり、卵かけご飯、味噌汁はわかめがいいな…合わせるのは豆腐もいいけど、じゃがいもも好き…あさりの味噌汁も大好き…。
あさりといえば、酒蒸しも良いよね…。ニンニクとバターをアクセントにしてさ…。
ボンゴレも美味しい。パスタといえば、時々無性にミートソースとかナポリタンが食べたくなるのは私だけ…?
幼女今幼女だから、お子様ランチが許されるわね…。ハンバーグに、エビフライに、オムライスにミニデザートにプリンでも付いてたら最高。
ヤバい…食べられない不安と不満で、欲望だけが肥大していく…。
「お嬢様。スーパー行きますよ」
マジで!?
透子さん最高!!!!
本棚探査を行えば結構見つけました、食べ物の本!
やったぜ、ぐりぐら・しろくまちゃん・カラスさん!やはり絵本…絵本が、世界(の食)を救う…。
コレなぁに?作戦ができる!
頑張るぞ!
作戦決行の前に幼女達とお茶会ですけどね。
マンション内にあるちょっとした公園の様な空間には、休憩できる小さな東屋がある。
暑くも寒くも無い時期なので、そこでお菓子を広げてお茶の用意をした。ちなみにコーヒーやお茶は希釈タイプ。原液を薄めて飲むのが一般的で、優秀な透子さんでも何故か濃かったり、薄かったりと味が統一しない…。
今回お茶を用意したのは、豊華ちゃんのベビーシッター。
「はい、これがパパからのお土産。どーぞ」
しっかりとした箱の中から出てきたのは、一見すればディアマンクッキーの様だった。
少し分厚いクッキーの周りに、大粒のザラメ糖が塗されている。
ちょっと黒いけど…。待って、売り物でもこのクオリティ?
シッターさんを含めてみんなで食べる。
あっま"
ザラメ糖だけじゃ無い砂糖のざらっと感に、どことなく焦げ臭い小麦の香り。その奥に感じるバターの風味と焦げの苦味。
「甘くて美味しいね!」
「おいちいねぇ」
幼女達の笑顔が眩しい。
「美味しい!こんなの久々に食べました」
「某有名店のやつらしいですよ」
「この砂糖!贅沢ですよね~」
シッターさん達の笑顔も眩しい。
そっかぁ、このクオリティで美味しいのかぁ。(絶望)
あっま。お茶…うっす。そっか、豊華ちゃんのシッターさんも希釈できない人かぁ…。
なんで…なんで前世を思い出しちゃったかな、思い出さなきゃ、幼女達と一緒に美味しいねって言えたのに…。
それでも場を乱すことなく、美味しいねぇと言えた私を褒めて欲しい。
お茶が終わると、幼女達と遊んで過ごした。
同い年の子と遊ぶのは楽しいなー。
思考は大人寄りだけど、感覚は幼女寄りなんだよね。
つまり基本ベースは、名前も思い出せない北国のお菓子販売員<藤堂実。でも、お菓子販売員さん、食への執念生まれ変わっても手放してくれないの。
私も美味しいを思い出しちゃったから、忘れられないし…。
逆ハーレムや女の子が生まれない原因追求は、どっかに居る主人公に任せます。
私は私の食生活を救うので精一杯。
はー。(クソデカため息)美味しいもの食べたい!
というわけで、今夜決行です。コレなぁに?作戦。
寝る前に透子さんにコレ読んでと、11匹のニャンコの絵本を差し出す。
字は読めるけど、読み聞かせは別腹です。
透子さんのゆったりとした男の人よりも高く、女の人よりも低い声が心地よい。
そう…心地よく眠く…。
「透子さん!コロッケってなぁに!?」
っは!危ない!!寝ることろだった。
「それとなんで鳥さん丸焼きにするの?可哀想」
「え、そうですね。えーと、ちょっと待ってください」
いきなり大声を出してしまったので、驚かせてしまいました…。
透子さんは驚きながらも、エプロンからスマホを取り出し調べ始める。
コロッケって大正時代からあるんだっけ?なら、調べればわかるはず…!
イヤ、鳥の丸焼き良いよね…北京ダック食べたい…ケンタッ○ー恋しい…が、幼女の見える世界では鳥は鑑賞するものなのよ。
都市部じゃ、食べ残し、生ゴミが極端に減ってカラスさえ見なくなってるからね。
食べるなんてもっての外って世界なの…。唐揚げ食べたい。
「コロッケとは、茹でたじゃがいもを潰して炒めた肉や野菜を合わせ、パン粉をつけて油で揚げた料理…ですね」
「じゃがいもってなぁに?ご飯ってベシャベシャな物でしょう?」
「えーとそのベシャベシャの素と言いますか、えっと…食べ物です」
「じゃがいも食べてみたい!」
コロッケとかハードルの高い食べ物は言わないわ。この際、茹でたじゃがいもにバター乗せて食べるだけでも良い。(必死)
「じゃがいも…え、茹でただけで食べられるの…?」
スーパー?スーパーに行けば良いのかしら?
透子さんが混乱している。
まあ、基本的に女児の食糧や生活雑貨なんかは生協が持ってきてロッカーに入れ、コンシェルジュがチェックして我が家に運ばれるって流れだしね。
二十代後半の透子さん自身も効率化した食糧で育った世代だから、おそらく生鮮食品とは縁がない。
「じゃがいも…」
「じゃあ、明日のご飯はじゃがいもを使ったペーストにしましょう!」
「やぁだぁ!茹でたじゃがいもぉぉぉぉ!」
うわーん!と泣いてしまった。
自分が思った以上に食事に対してストレスが大きく、じゃがいもすら手に入らない絶望感でいっぱいだった。
ペーストもシリアルバーも物珍しさで頑張って食べてたけど、じゃがバターすら食べられないの~~~!?
ギャンギャン泣いた末に寝落ちした。
泣き過ぎたせいでショボショボする目を開けた。
朝だー。けど、やる気が出ない。
こうなったら、透子さんの目を盗んで脱走するかとも考えたが、スーパーの位置は知らないし、リスクがデカすぎる。
詰んだか~?
イヤ、諦めちゃダメだ。私は美味しいご飯が食べたい。
あの効率だけを考えた非人間的な食事を続けてたら心折れる…。
この情緒不安定さもきっとご飯のせい。
白米たべたいよぅ…おにぎり、卵かけご飯、味噌汁はわかめがいいな…合わせるのは豆腐もいいけど、じゃがいもも好き…あさりの味噌汁も大好き…。
あさりといえば、酒蒸しも良いよね…。ニンニクとバターをアクセントにしてさ…。
ボンゴレも美味しい。パスタといえば、時々無性にミートソースとかナポリタンが食べたくなるのは私だけ…?
幼女今幼女だから、お子様ランチが許されるわね…。ハンバーグに、エビフライに、オムライスにミニデザートにプリンでも付いてたら最高。
ヤバい…食べられない不安と不満で、欲望だけが肥大していく…。
「お嬢様。スーパー行きますよ」
マジで!?
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