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81、都へ
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それから俺たちは鍛冶工房の中に戻って、竜炎と風狼に柄をつけ鞘を作った。
鞘に使ったのは聖域に生える特別な木だそうで巫女たちの手によって霊気が込められていて美しい。
俺は鍛冶の求道者のまま、マスタージョブを大工に変えた。
そして木の鞘を作ると、それに相応しい飾り模様を手際よく掘っていく。
ククルが目を輝かせてそれを見ていた。
「狼なのです! 格好いいのです」
「はは、風狼に相応しい鞘にしたくてさ」
風と狼をモチーフにした飾り模様を鞘に刻んでいくのを見て、レイラも頷く。
「ほんとね。そういえば、裕樹が作ってくれた木彫りの人形も凄くリアルだったもの」
「はいなのです! ククルの宝物なのです」
あの家の模型と人形たち、ククルは気に入ってくれたもんな。
そんな話をしながら、俺は鞘の必要な個所に皮や金属の部品を作りつけていく。
ジュリアが俺の作業を見つめながら言った。
「へぇ、器用なもんだね。いいじゃないか! その剣によく合ってるよ」
「はは、せっかくだから少し工夫をしたくて」
ジュリアの作った鞘を装飾している金属細工も見事なものだ。
もちろんそれも彼女の手製のものである。細かい作業も迷いなく一気に仕上げていく。
その手際の良さと見事さはジュリアならではだろう。
俺はベルトで剣を自身の腰に下げてみる。
それを見てナナとレイラが手を叩いて声を上げた。
「素敵よ! 裕樹。風狼の刃、格好いいわ!」
「ほんとね! よく似合ってるわよ」
一方でカレンさんはジュリアに歩み寄ると言った。
「竜炎の剣、ほんに見事じゃジュリア。200年ぶりに良いものを見せてもらった!」
その言葉に、職人たちは大きく頷く。
「まったくですな! カレン様」
「ジュリア様とユウキ殿の鍛冶、まことに見事でございました」
巫女たちも楽しげに笑っている。
「素晴らしい刃文が刻まれた炎と風の剣、素敵ですわ! この国の最高の鍛冶職人の復活ですわね」
ジュリアは職人や巫女たちに少し照れ臭そうに頭を下げる。
「心配かけたねみんな。これからは張り切っていくよ! いい弟子も出来たことだしね」
そう言って、俺の肩に腕を回すとギュッと自分の体に引き寄せる。
背が高いジュリアなだけに、自然にその胸の部分が俺の頬を押し当てられた。
鍛え上げた体と弾力のある胸の感触に俺は思わず赤面する。
「は……はは。ジュリア、これからもよろしく!」
「ああ、ユウキ! どうしたんだい、そんなに赤くなって?」
「だ、だってさ、ジュリアの胸が……」
ジュリアは、楽し気に笑う。
「あはは! ユウキはほんとに可愛いね」
明るく笑うジュリアはとても魅力的だ。
本来の彼女はこうなんだろう。
そんな俺をナナやレイラがジュリアから引き離す。
「もう! 裕樹!!」
「まったく、まただらしない顔してたわよ!」
「し、してないって!」
二人が腰に手を当てて俺に言う。
「「どうだか!!」」
レイラはジト目でジュリアを眺めながら、肩をすくめると笑顔になって言う。
「ふふ、最初はどうなることかと思ったけど良かったわね。裕樹! こんな素敵な剣が出来たんですもの」
「ああ! レイラ。ほんとだな」
ナナも大きく頷く。
「ええ、鍛冶工房に来て良かったわ。それに、鍛冶の求道者を選んでよかったわね!」
「そうだな、ナナ! 正解だったよ」
ナナが言うように、あの時、鍛冶の求道者を選ばなければこれ程の剣を作ることは出来なかっただろう。
ソードマスターと迷ったけど選んでよかった。
これからも選択の機会はあるかもしれない。
少し不安はあるけど、逆にワクワクもしてくる。
自分が選んだ選択肢が、大きくその後の自分の道を決めていくことにもなるんだからさ。
俺の気持が分かったのかナナは俺の手を握ると言う。
「大丈夫よ、裕樹ならきっといい選択が出来るわ」
「ありがとう、ナナ。ナナにそう言われるとそんな気がしてくるよ!」
「ふふ! でしょ?」
俺は嬉しそうに笑うナナの顔を見て少し赤面した。
こんなに明るくて可愛い子が俺の頬にキスしてくれたんだよな。
いつも元気に俺のことを励ましくれるナナに感謝だ。
ナナは俺の顔を覗き込む。
「どうしたの? 裕樹」
「は……はは、なんでもないさ」
俺は咳払いをする。
その気になったらナナには俺の考えはお見通しだから気をつけないとな。
何考えてるのってまた怒られそうだ。
そんな中、レイラが工房の窓の外に目をやると言う。
「いけない! ユウキ、そろそろ都に出発しないと。遅れたら、ジェイクたちを待たせちゃうもの」
俺とナナも顔を見合わせて頷いた。
「そうだった! すっかり夢中になっちゃってさ」
「そうね! 都のギルドに急がないと」
ククルの誘拐事件が解決したことを都の冒険者ギルドに報告する。
その為に、レイラの仲間のジェイクさんたちと待ち合わせをしているんだった。
あの絶品のドリルホーンのステーキをみんなで食べた後に、二手に分かれたんだよな。
俺たちは都に行く前にククルを届けにこの里に、ジェイクさんたちは犯人たちを連れて道沿いに国境を越えたはずだ。
お互いに都を目指していることは変わりない。
ナナが俺にウインクする。
「大丈夫よ、ユウキも上級職にクラスチェンジしたし。前よりも早く都へはたどり着けるはずよ!」
「はは、まあな。任しとけって!」
俺は力こぶを作って見せる。
確かにステータスも上がったもんな。
そんな中、ジュリアが俺に言う。
「都に行くんだってね。それに冒険者になるんだろう? だったら、これを持っていきな」
そう言って彼女が差し出したのは竜炎だ。
俺は驚いたようにジュリアを見つめる。
「でも、これは」
俺の言葉にジュリアは大きく頷くと言う。
「いいんだよ。あたしと戦った時にあんたの中に目覚めた炎、それを感じた時に時に無性に剣が作りたくなってね。この剣を作ったのはそれが理由でもあるのさ、あんた以外に誰が使うって言うんだい?」
「ジュリア……」
カレンさんが俺に言う。
「ユウキや、受け取ってたもれ。ジュリアの気持じゃ」
俺はジュリアから竜炎を受け取った。
鞘に収められてはいるが、手に取るだけでその素晴らしさが伝わってくる。
この剣には大きな力が宿っている。
竜炎の剣に、風狼の刃。
こんな剣を二本も装備出来るなんて、あの城を飛び出した時は考えもしなかったな。
俺はジュリアに頭を下げる。
「ありがとう、ジュリア!」
「ふふ、いいのさ。きっとあんたの役に立つだろう」
それを聞いてレイラが少し頬を膨らます。
「ねえ、私の剣は? いい剣があったら一本貰える約束だったけど、こんな素敵な剣を見せられたら、私だってそんな剣が欲しくなっちゃうわよ」
そう言って、左右に尻尾を振るレイラは可愛らしい。
俺は笑いながらレイラに言った。
「風狼は俺向きに作ったからさ、今度レイラの為に一本剣を作るよ。それならいいだろ?」
それを聞いて、レイラは目を輝かせた。
「ほんとに!? ユウキ!!」
そう言うと、レイラは俺の腕をギュッと握ると、一瞬悪戯っぽい表情を浮かべた後、素早く俺の頬にキスをした。
柔らかい感触が俺の頬に当たる。
「れ、レイラ!!?」
レイラは真っ赤になって俺を見つめると、勝気な顔を恥ずかしそうに逸らす。
「こ、これはお礼の先払いだから。そ、それだけなんだからね! それに、ナナの為に戦ってるユウキ、凄く素敵だったし……」
ナナが顔を赤らめてレイラに詰め寄る。
「ちょっとレイラ! 何してるのよ」
「い、いいじゃない! ナナだってしたくせに」
「なっ!!」
さっきのことを思いだしたのか、ナナの顔がトマトのように真っ赤になっていく。
そんな中、カレンさんが俺の腕をとる。
「わらわもお礼をしようかの。此度は、ユウキにはほんに世話になった。ふむ、これは頬というわけにはいくまいの」
そう言うと、カレンさんは艶やかな唇を俺の頬ではなく唇に近づけた。
「え……?」
たおやかな仕草で俺に身を寄せるとカレンさんが俺を見つめる。
美しい顔が近づいてきて俺は思わずその場に固まった。
まさか、唇に……
「「駄目ぇえええ!!!」」
ナナとレイラが俺の両腕をしっかりとつかんでカレンさんから引き離す。
それを見て、カレンさんは楽しそうに笑った。
「ほほほ、冗談に決まっておるじゃろう?」
は……はは、だよな。
からかうのが上手なカレンさんらしい。
「何が冗談よ!」
「ほんとよ、油断も隙もないんだから!」
プリプリと怒る二人を見て、ジュリアは大笑いしている。
「あはは! こりゃユウキも大変だね。すっかり尻に敷かれてるんじゃないのかい?」
「はう~、お尻に敷かれてるですか? お兄ちゃん大変なのです!」
ククルもジュリアの真似をしながら、皆の姿を見て楽しそうだ。
レイラは、ため息を吐きながら俺を見つめると肩をすくめながら笑った。
「ふふ、まったくもう! 大体、こんなことしてる場合じゃないわよ、ユウキ。そろそろ都に向かわなきゃ」
ナナがワクワクした様子で俺に言う。
「そうね。この国の都、一体どんなところなのか楽しみだわ!」
俺は二人に頷くとジュリアから受け取った竜炎を腰に提げる。
そして、大きく頷いた。
「ああ! そうだな、行こう!!」
ナナが言うように楽しみだな。
俺は二人の言葉に頷くと都への出発を決めた。
鞘に使ったのは聖域に生える特別な木だそうで巫女たちの手によって霊気が込められていて美しい。
俺は鍛冶の求道者のまま、マスタージョブを大工に変えた。
そして木の鞘を作ると、それに相応しい飾り模様を手際よく掘っていく。
ククルが目を輝かせてそれを見ていた。
「狼なのです! 格好いいのです」
「はは、風狼に相応しい鞘にしたくてさ」
風と狼をモチーフにした飾り模様を鞘に刻んでいくのを見て、レイラも頷く。
「ほんとね。そういえば、裕樹が作ってくれた木彫りの人形も凄くリアルだったもの」
「はいなのです! ククルの宝物なのです」
あの家の模型と人形たち、ククルは気に入ってくれたもんな。
そんな話をしながら、俺は鞘の必要な個所に皮や金属の部品を作りつけていく。
ジュリアが俺の作業を見つめながら言った。
「へぇ、器用なもんだね。いいじゃないか! その剣によく合ってるよ」
「はは、せっかくだから少し工夫をしたくて」
ジュリアの作った鞘を装飾している金属細工も見事なものだ。
もちろんそれも彼女の手製のものである。細かい作業も迷いなく一気に仕上げていく。
その手際の良さと見事さはジュリアならではだろう。
俺はベルトで剣を自身の腰に下げてみる。
それを見てナナとレイラが手を叩いて声を上げた。
「素敵よ! 裕樹。風狼の刃、格好いいわ!」
「ほんとね! よく似合ってるわよ」
一方でカレンさんはジュリアに歩み寄ると言った。
「竜炎の剣、ほんに見事じゃジュリア。200年ぶりに良いものを見せてもらった!」
その言葉に、職人たちは大きく頷く。
「まったくですな! カレン様」
「ジュリア様とユウキ殿の鍛冶、まことに見事でございました」
巫女たちも楽しげに笑っている。
「素晴らしい刃文が刻まれた炎と風の剣、素敵ですわ! この国の最高の鍛冶職人の復活ですわね」
ジュリアは職人や巫女たちに少し照れ臭そうに頭を下げる。
「心配かけたねみんな。これからは張り切っていくよ! いい弟子も出来たことだしね」
そう言って、俺の肩に腕を回すとギュッと自分の体に引き寄せる。
背が高いジュリアなだけに、自然にその胸の部分が俺の頬を押し当てられた。
鍛え上げた体と弾力のある胸の感触に俺は思わず赤面する。
「は……はは。ジュリア、これからもよろしく!」
「ああ、ユウキ! どうしたんだい、そんなに赤くなって?」
「だ、だってさ、ジュリアの胸が……」
ジュリアは、楽し気に笑う。
「あはは! ユウキはほんとに可愛いね」
明るく笑うジュリアはとても魅力的だ。
本来の彼女はこうなんだろう。
そんな俺をナナやレイラがジュリアから引き離す。
「もう! 裕樹!!」
「まったく、まただらしない顔してたわよ!」
「し、してないって!」
二人が腰に手を当てて俺に言う。
「「どうだか!!」」
レイラはジト目でジュリアを眺めながら、肩をすくめると笑顔になって言う。
「ふふ、最初はどうなることかと思ったけど良かったわね。裕樹! こんな素敵な剣が出来たんですもの」
「ああ! レイラ。ほんとだな」
ナナも大きく頷く。
「ええ、鍛冶工房に来て良かったわ。それに、鍛冶の求道者を選んでよかったわね!」
「そうだな、ナナ! 正解だったよ」
ナナが言うように、あの時、鍛冶の求道者を選ばなければこれ程の剣を作ることは出来なかっただろう。
ソードマスターと迷ったけど選んでよかった。
これからも選択の機会はあるかもしれない。
少し不安はあるけど、逆にワクワクもしてくる。
自分が選んだ選択肢が、大きくその後の自分の道を決めていくことにもなるんだからさ。
俺の気持が分かったのかナナは俺の手を握ると言う。
「大丈夫よ、裕樹ならきっといい選択が出来るわ」
「ありがとう、ナナ。ナナにそう言われるとそんな気がしてくるよ!」
「ふふ! でしょ?」
俺は嬉しそうに笑うナナの顔を見て少し赤面した。
こんなに明るくて可愛い子が俺の頬にキスしてくれたんだよな。
いつも元気に俺のことを励ましくれるナナに感謝だ。
ナナは俺の顔を覗き込む。
「どうしたの? 裕樹」
「は……はは、なんでもないさ」
俺は咳払いをする。
その気になったらナナには俺の考えはお見通しだから気をつけないとな。
何考えてるのってまた怒られそうだ。
そんな中、レイラが工房の窓の外に目をやると言う。
「いけない! ユウキ、そろそろ都に出発しないと。遅れたら、ジェイクたちを待たせちゃうもの」
俺とナナも顔を見合わせて頷いた。
「そうだった! すっかり夢中になっちゃってさ」
「そうね! 都のギルドに急がないと」
ククルの誘拐事件が解決したことを都の冒険者ギルドに報告する。
その為に、レイラの仲間のジェイクさんたちと待ち合わせをしているんだった。
あの絶品のドリルホーンのステーキをみんなで食べた後に、二手に分かれたんだよな。
俺たちは都に行く前にククルを届けにこの里に、ジェイクさんたちは犯人たちを連れて道沿いに国境を越えたはずだ。
お互いに都を目指していることは変わりない。
ナナが俺にウインクする。
「大丈夫よ、ユウキも上級職にクラスチェンジしたし。前よりも早く都へはたどり着けるはずよ!」
「はは、まあな。任しとけって!」
俺は力こぶを作って見せる。
確かにステータスも上がったもんな。
そんな中、ジュリアが俺に言う。
「都に行くんだってね。それに冒険者になるんだろう? だったら、これを持っていきな」
そう言って彼女が差し出したのは竜炎だ。
俺は驚いたようにジュリアを見つめる。
「でも、これは」
俺の言葉にジュリアは大きく頷くと言う。
「いいんだよ。あたしと戦った時にあんたの中に目覚めた炎、それを感じた時に時に無性に剣が作りたくなってね。この剣を作ったのはそれが理由でもあるのさ、あんた以外に誰が使うって言うんだい?」
「ジュリア……」
カレンさんが俺に言う。
「ユウキや、受け取ってたもれ。ジュリアの気持じゃ」
俺はジュリアから竜炎を受け取った。
鞘に収められてはいるが、手に取るだけでその素晴らしさが伝わってくる。
この剣には大きな力が宿っている。
竜炎の剣に、風狼の刃。
こんな剣を二本も装備出来るなんて、あの城を飛び出した時は考えもしなかったな。
俺はジュリアに頭を下げる。
「ありがとう、ジュリア!」
「ふふ、いいのさ。きっとあんたの役に立つだろう」
それを聞いてレイラが少し頬を膨らます。
「ねえ、私の剣は? いい剣があったら一本貰える約束だったけど、こんな素敵な剣を見せられたら、私だってそんな剣が欲しくなっちゃうわよ」
そう言って、左右に尻尾を振るレイラは可愛らしい。
俺は笑いながらレイラに言った。
「風狼は俺向きに作ったからさ、今度レイラの為に一本剣を作るよ。それならいいだろ?」
それを聞いて、レイラは目を輝かせた。
「ほんとに!? ユウキ!!」
そう言うと、レイラは俺の腕をギュッと握ると、一瞬悪戯っぽい表情を浮かべた後、素早く俺の頬にキスをした。
柔らかい感触が俺の頬に当たる。
「れ、レイラ!!?」
レイラは真っ赤になって俺を見つめると、勝気な顔を恥ずかしそうに逸らす。
「こ、これはお礼の先払いだから。そ、それだけなんだからね! それに、ナナの為に戦ってるユウキ、凄く素敵だったし……」
ナナが顔を赤らめてレイラに詰め寄る。
「ちょっとレイラ! 何してるのよ」
「い、いいじゃない! ナナだってしたくせに」
「なっ!!」
さっきのことを思いだしたのか、ナナの顔がトマトのように真っ赤になっていく。
そんな中、カレンさんが俺の腕をとる。
「わらわもお礼をしようかの。此度は、ユウキにはほんに世話になった。ふむ、これは頬というわけにはいくまいの」
そう言うと、カレンさんは艶やかな唇を俺の頬ではなく唇に近づけた。
「え……?」
たおやかな仕草で俺に身を寄せるとカレンさんが俺を見つめる。
美しい顔が近づいてきて俺は思わずその場に固まった。
まさか、唇に……
「「駄目ぇえええ!!!」」
ナナとレイラが俺の両腕をしっかりとつかんでカレンさんから引き離す。
それを見て、カレンさんは楽しそうに笑った。
「ほほほ、冗談に決まっておるじゃろう?」
は……はは、だよな。
からかうのが上手なカレンさんらしい。
「何が冗談よ!」
「ほんとよ、油断も隙もないんだから!」
プリプリと怒る二人を見て、ジュリアは大笑いしている。
「あはは! こりゃユウキも大変だね。すっかり尻に敷かれてるんじゃないのかい?」
「はう~、お尻に敷かれてるですか? お兄ちゃん大変なのです!」
ククルもジュリアの真似をしながら、皆の姿を見て楽しそうだ。
レイラは、ため息を吐きながら俺を見つめると肩をすくめながら笑った。
「ふふ、まったくもう! 大体、こんなことしてる場合じゃないわよ、ユウキ。そろそろ都に向かわなきゃ」
ナナがワクワクした様子で俺に言う。
「そうね。この国の都、一体どんなところなのか楽しみだわ!」
俺は二人に頷くとジュリアから受け取った竜炎を腰に提げる。
そして、大きく頷いた。
「ああ! そうだな、行こう!!」
ナナが言うように楽しみだな。
俺は二人の言葉に頷くと都への出発を決めた。
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