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47、期待に胸を膨らませて
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模型作りが終わった頃には、もう日が暮れかけていた。
「こりゃ、本格的な家づくりは明日からだな」
ナナも大きく頷く。
「そうね。あの時みたいに別に急いではいないもの。じっくりといいお家を作りましょう、裕樹!」
「ああ、そうだなナナ! これから俺たちが住む家になるんだから」
家具だって色々欲しい物が出てくるだろう。
ソファやベッドまで全部木で作るわけにもいかないもんな。
あの時みたいに銀狼になったレイラに、ベッド代わりになってもらうわけにもいかない。
この里で手に入る物もあるだろうし、必要なら都に行った時に調達してこればいい。
カレンさんの話だとこの国、アルフェン王国は俺を殺そうとしたあの国王が治めている国よりもずっと栄えているようだからきっと都にはいろんな店があるだろう。
俺は皆に言った
「明日、都に行く時に必要な物があれば買って来よう! みんなも欲しい物があれば教えてくれよな。確かあの角を持ってギルドに行ったら懸賞金が貰えるんだよな?」
ナナが頷く。
「そうね! 金貨10枚だって聞いたわ。それを元手に家に必要な物を揃えましょう」
「そうだな! 楽しみだ」
懸賞金か。
この世界に来たばかりだから金貨10枚って言われてもピンとこないけど、結構な大金みたいだ。
それにあの角も売れるみたいだし。
まだ冒険者にはなってないけど、自分で稼いだ金を手にするってなんだかワクワクするよな。
都に行くのが楽しみだ。
レイラも大きく頷いた。
「いいわね! 私も持ち合わせがあるし、明日冒険者ギルドでジェイクたちと合流して、ククルの一件をギルドに報告したら買い物に行きましょう!」
カレンさんは俺に言った。
「この里で用意できる物はわらわが用意するぞえ。なにせ、わらわとククルの家でもあるのじゃからな」
「毎日遊びに行くのです!」
ククルはそう言って嬉しそうに笑った。
「ほほほ、ほんに楽しみじゃこと。ユウキ欲しい物はないかえ? 今思いつくものがあれば、用意させるとしよう」
「ありがとうございます、カレンさん!」
そうだな、白狼族の里で手に入る物がまだ分からないけど一つ確実に欲しいものがある。
俺はそう思ってカレンさんに願い出た。
「この里で作られた包丁を何本か頂けますか? 料理によって使う包丁も違うし、出来たら鍛冶場に行ってどんなものがあるのか見てみたいんです。鍛冶の勉強もしたいですから」
「ほほ、そうじゃったの。そなたはこの里の鍛冶を学びたいと言っておったの。じゃが、今日はもう鍛冶場も仕事を終え職人たちも帰る頃じゃ。包丁の件もあることじゃし、明日の朝、都に発つ前に一度鍛冶場を覗いてみてはどうじゃ? そのように鍛冶場の者には伝えておくゆえにな」
「助かります! 明日の朝か、楽しみだな」
それを聞いてナナが俺に言う。
「裕樹が使う武器も作れるようになるといいわね。私たちの目標の一つだったし!」
「だな! ナナ」
魔王の復活の話があの最低な国王のでたらめだったとしても、冒険者としていい武器があった方がいいに決まってる。
それになんといっても、自分の武器を自分で作るのは楽しいに決まってるもんな。
日本にいた時にやってたネットゲームでも自分専用の武器を作るのは凄く楽しかった。
素材を集めたり、生産職のスキルを上げたりさ。
出来上がった時は画面でつい何度も眺めたりして。
現実に自分の手で作るとなると、ゲームよりも遥かにワクワクする。
そんな話をしている内に、日が沈みかけ辺りは暗くなっていく。
それを見て、カレンさんが俺たちに言う。
「ほほほ、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうの。暗くなる前の社に戻るとしよう」
「そうですね!」
俺は皆で作り上げた家の模型を腕に抱える。
ナナとレイラは楽し気に言った。
「それにしてもこの国の都って、どんなところなのかしら?」
「ふふ、ガイドは私がしてあげるわ。明日が楽しみね!」
「ああ!」
俺たちは二人の言葉に頷くと、そして明日に向けて期待に胸を膨らませて社へと向かっていった。
「こりゃ、本格的な家づくりは明日からだな」
ナナも大きく頷く。
「そうね。あの時みたいに別に急いではいないもの。じっくりといいお家を作りましょう、裕樹!」
「ああ、そうだなナナ! これから俺たちが住む家になるんだから」
家具だって色々欲しい物が出てくるだろう。
ソファやベッドまで全部木で作るわけにもいかないもんな。
あの時みたいに銀狼になったレイラに、ベッド代わりになってもらうわけにもいかない。
この里で手に入る物もあるだろうし、必要なら都に行った時に調達してこればいい。
カレンさんの話だとこの国、アルフェン王国は俺を殺そうとしたあの国王が治めている国よりもずっと栄えているようだからきっと都にはいろんな店があるだろう。
俺は皆に言った
「明日、都に行く時に必要な物があれば買って来よう! みんなも欲しい物があれば教えてくれよな。確かあの角を持ってギルドに行ったら懸賞金が貰えるんだよな?」
ナナが頷く。
「そうね! 金貨10枚だって聞いたわ。それを元手に家に必要な物を揃えましょう」
「そうだな! 楽しみだ」
懸賞金か。
この世界に来たばかりだから金貨10枚って言われてもピンとこないけど、結構な大金みたいだ。
それにあの角も売れるみたいだし。
まだ冒険者にはなってないけど、自分で稼いだ金を手にするってなんだかワクワクするよな。
都に行くのが楽しみだ。
レイラも大きく頷いた。
「いいわね! 私も持ち合わせがあるし、明日冒険者ギルドでジェイクたちと合流して、ククルの一件をギルドに報告したら買い物に行きましょう!」
カレンさんは俺に言った。
「この里で用意できる物はわらわが用意するぞえ。なにせ、わらわとククルの家でもあるのじゃからな」
「毎日遊びに行くのです!」
ククルはそう言って嬉しそうに笑った。
「ほほほ、ほんに楽しみじゃこと。ユウキ欲しい物はないかえ? 今思いつくものがあれば、用意させるとしよう」
「ありがとうございます、カレンさん!」
そうだな、白狼族の里で手に入る物がまだ分からないけど一つ確実に欲しいものがある。
俺はそう思ってカレンさんに願い出た。
「この里で作られた包丁を何本か頂けますか? 料理によって使う包丁も違うし、出来たら鍛冶場に行ってどんなものがあるのか見てみたいんです。鍛冶の勉強もしたいですから」
「ほほ、そうじゃったの。そなたはこの里の鍛冶を学びたいと言っておったの。じゃが、今日はもう鍛冶場も仕事を終え職人たちも帰る頃じゃ。包丁の件もあることじゃし、明日の朝、都に発つ前に一度鍛冶場を覗いてみてはどうじゃ? そのように鍛冶場の者には伝えておくゆえにな」
「助かります! 明日の朝か、楽しみだな」
それを聞いてナナが俺に言う。
「裕樹が使う武器も作れるようになるといいわね。私たちの目標の一つだったし!」
「だな! ナナ」
魔王の復活の話があの最低な国王のでたらめだったとしても、冒険者としていい武器があった方がいいに決まってる。
それになんといっても、自分の武器を自分で作るのは楽しいに決まってるもんな。
日本にいた時にやってたネットゲームでも自分専用の武器を作るのは凄く楽しかった。
素材を集めたり、生産職のスキルを上げたりさ。
出来上がった時は画面でつい何度も眺めたりして。
現実に自分の手で作るとなると、ゲームよりも遥かにワクワクする。
そんな話をしている内に、日が沈みかけ辺りは暗くなっていく。
それを見て、カレンさんが俺たちに言う。
「ほほほ、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうの。暗くなる前の社に戻るとしよう」
「そうですね!」
俺は皆で作り上げた家の模型を腕に抱える。
ナナとレイラは楽し気に言った。
「それにしてもこの国の都って、どんなところなのかしら?」
「ふふ、ガイドは私がしてあげるわ。明日が楽しみね!」
「ああ!」
俺たちは二人の言葉に頷くと、そして明日に向けて期待に胸を膨らませて社へと向かっていった。
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