24 / 82
24、新しい国へ
しおりを挟む
「裕樹。ねえ、裕樹ってば、どうしたの?」
俺が連中のことを思い出しながら城の方を眺めていると、ナナがすぐ隣で俺を見つめている。
「ん? ああ、なんでもないさ」
何の気なしに俺のすぐそばに顔を寄せてこちらを覗き込むナナに、少しドギマギする。
爽やかな風に赤い髪が靡いていて、ジェイクたちも言ってたけどその端整な横顔はまるで森の妖精のようだ。
俺が城の方向を眺めていることに気が付いて言う。
「あいつらのことを考えてるのね。ほんと嫌な連中だったもの!」
ナナはそう言うと城の方角を見てべぇと舌を出す。
どうやらいつも俺の心が筒抜けっていうわけじゃないようだ。
ナナなりに気を使ってくれているのかな。
俺がそんなことを考えながらナナを見つめていると、彼女は首を傾げる。
「どうしたの?」
「はは、俺が考えてること全部ナナには筒抜けなのかなって思ってたからさ」
そう言うとナナは答えた。
「私だってそんなに悪趣味じゃないわ。裕樹が何かしたいって思った時は別だけど。その方が裕樹もいいでしょ? そう感じるし」
「ああ、助かるよ」
いくらナナが相手でも、俺の心の中が全部筒抜けっていうのはやっぱり少し辛いよな。
別に覗かれて困るようなことを考えてるつもりはないけどさ。
さっきだってあんなに顔を近くに寄せられてドキッとしたし、そういうことまでナナに筒抜けかもって思うと気が抜けないもんな。
そんなことを考えながら、俺はもう一度城の方向を眺めると肩をすくめた。
それにあの国王、みんなの為に魔王を倒しますっていうようないい王様には見えないんだよな。
平気で俺の事を殺そうとしたし。
何か良からぬことを企んでそうな気さえしてくる。
「まあ考えても仕方ないよな。あんな奴らと二度と関わるつもりはないし」
俺がそう言うとナナは頷く。
「ええ、あいつらのことなんて忘れましょ」
「ああ、そうだなナナ」
ナナは明るく言った。
「そうよ! 私と一緒に魔王を倒しに行くんでしょ?」
「はは、そうだったな」
二人で元の世界に戻る方法を探すって決めたんだよな。
魔王を倒せば戻れるのかは分からないけど、今はそれしか情報がない。
だから、冒険者をしながら他にも情報を探そうって。
左手でひょいとククルを抱きかかえながら右手の剣を見る。
「この剣一本でなんて無理に決まってるしさ」
武器以外は丸腰だし、ゲームで言えばまさに城を出たばかりの初期装備って感じだもんな。
選ばれた勇者って崇められてるあいつらには凄い装備とか道具が用意されそうだけど、俺にはそんなのはありはしない。
そんな俺をナナが励ますように言う。
「大丈夫よ、お金を稼いでいい装備を集めましょ。それでも駄目なら作ればいいじゃない!」
「……作るって自分で自分の装備を?」
ナナからの意外な提案に俺は思わず呟いた。
そう言えば最初に職業を確認した時に、料理人の隣に鍛冶職人っていうのがあったはずだ。
鍛冶職人に転職すれば装備も自分で作れるようになるんだろうか?
自分で剣や鎧を一から作るなんてちょっとワクワクする。
マスタースキルも気になるし。
向こうについて落ち着いたら試してみる価値はあるよな。
俺は少し興奮してナナに答えた。
「装備を作る! いいかもなそれ!!」
「でしょ!」
冒険者をやって必要なお金や素材を集める。
そして、魔王を倒すための装備を自分で作るなんて本当にゲームみたいだけど、現実でそんなこと体験するなんてあり得ないことだもんな。
装備を作るための素材か、もしかして前の世界にはなかったような変わったものもあるのかな?
滅多に手に入らないレアな素材とか武器とかさ。
そんなことを考えると何だか楽しくなってくる。
「どうせやるなら楽しくやらないとな! 頑張るぞ」
「お~! ふふ、やっぱり裕樹はそうじゃなくっちゃ!」
いつものように掛け声を上げるナナ。
ククルは俺たちが話していることがよく分からないのだろう、首を傾げながらそれでもナナの真似をして声を上げる。
「お~! なのです!」
「はは、ククルも応援してくれるか?」
「はいなのです!」
俺たちがそんな話をしていると、先に歩き始めていたレイラがこちらを振り返って声をかける。
「ユウキ、ナナ、何してるのよ? 行くわよ!」
俺は慌てて答えた。
「悪い、レイラ! 今行くよ」
「ええ!」
ナナも大きく頷く。
レイラの方へ歩きながら俺はナナに礼を言った。
「ありがとな、ナナ。ナナといると勇気が湧いてくるよ」
「な! なによ、あらたまって。当然じゃない! 私たちパートナーなんだから」
照れたのか少し頬染めてこちらを見るナナは可愛い。
俺は笑いながら言った。
「そうだな、俺たち相棒だもんな」
「そういうこと!」
ナナもそう言って笑う。
俺はもう城の方は振り返らずに歩いた。
あいつらがこれからどうするつもりかは分からないけど、俺は俺が出来ることをやるだけだ。
ナナもいるし、レイラたち新しい仲間も出来た。
それに、装備を自分で作るっていう新しい目標も出来たもんな。
「山を越えたら新しい家も作らないとな。それに鍛冶職人をするならその為の工房とかもいるだろうし」
俺の言葉にナナも頷く。
「忙しくなりそうね、裕樹! 私も手伝うわ」
「ああ、ありがとな」
国境を越えて、よさそうな場所を見つけたらまた新しい家の設計図をナナと作るとするか。
そんな話をしながらレイラのところまで行く。
レイラはククルを抱いている俺の代わりにスカーフェイスの角を片手に持ち、腰からは革で出来た水筒を提げている。
俺も同じものを腰から提げて中には綺麗な水を満たしている。
山道を行く俺たちの為にジェイクが自分たちのものを一つ貸してくれたんだ。
俺はレイラに礼を言った。
「悪いなレイラ。角を運んでもらってさ」
「ふふ、構わないわ! こんな大物の角を運べる機会なんてそうそうないもの」
そう言って、尻尾を振る。
「それにご馳走のお礼もあるし。あのステーキ本当に美味しかったわ! ねえ、また作ってくれる? いいでしょ? これからは一緒に暮らすんだし」
それを聞いて俺とナナは顔を見合わせた。
「へ?」
「え?」
最初は呆然としていたナナがレイラに食って掛かった。
「ちょ! ちょっと何勝手なこと言ってるのよ。裕樹は私と一緒に暮らすんだから! どうしてあなたまで一緒に暮らすってことになるのよ!?」
レイラはナナに言い返す。
「当たり前でしょ? 向こうに行ったらユウキと私はパートナーになるんだから。一緒に暮らした方が便利じゃない、冒険者のことだって色々教えてあげられるし!」
「駄目よ!」
「何よケチなんだから。やっぱり貴方ユウキのこと好きなんでしょ? 大体、あんなに美味しい料理を一人だけ作ってもらうなんてずるいわ」
レイラの言葉にナナは真っ赤になる。
「す、す、好きなんかじゃないって言ってるでしょ!」
「どうだか! ねえ、ユウキはどうしたいの?」
そう言って左右から俺に詰め寄るナナとレイラ。
「「私と一緒に暮らすのよね!!」」
「だから、近いって二人とも」
あの結衣だって敵わない程の美少女たちに至近距離で睨まれて俺は思わずたじろいだ。
二人ともいい奴なんだけど、ほんと気が強いもんな。
そんな中、ククルが言った。
「はわわ! 楽しそうなのです、ククルも遊びに行きたいのです!」
それを聞いて俺は笑った。
「そうだな。新しい家を作ったらククルも招待するか。また美味しいご馳走作ってやるからな!」
「はいなのです!」
ククルは嬉しそうにそう言ってはしゃいだ。
俺はそんなククルを眺めながら歩き始める。
こういう時は逃げるが勝ちだよな。
それを見て、ナナとレイラが不満そうに声を上げた。
「裕樹ったら!」
「そうよ、まだ答えを貰ってないわ!」
俺は二人を振り返ると言う。
「向こうにつくまでにゆっくり話し合ったらいいだろ? さあ、行こうぜ!」
その言葉にレイラとナナはツンと顔をそらしながらも、俺の左右に並んで歩く。
「そうね、まずはあの山を越えるのが目標だったんだから」
「分かったわよ、行きましょう! でも諦めないんだからね」
そんな二人に俺は苦笑しながら掛け声をかける。
「ああ、行こう! 新しい国へ」
俺はそう答えながら、これから始まる新しい生活への期待に胸を膨らませていた。
────────
沢山感想を下さいまして感謝です!
いつもご覧いただきましてありがとうございます!
俺が連中のことを思い出しながら城の方を眺めていると、ナナがすぐ隣で俺を見つめている。
「ん? ああ、なんでもないさ」
何の気なしに俺のすぐそばに顔を寄せてこちらを覗き込むナナに、少しドギマギする。
爽やかな風に赤い髪が靡いていて、ジェイクたちも言ってたけどその端整な横顔はまるで森の妖精のようだ。
俺が城の方向を眺めていることに気が付いて言う。
「あいつらのことを考えてるのね。ほんと嫌な連中だったもの!」
ナナはそう言うと城の方角を見てべぇと舌を出す。
どうやらいつも俺の心が筒抜けっていうわけじゃないようだ。
ナナなりに気を使ってくれているのかな。
俺がそんなことを考えながらナナを見つめていると、彼女は首を傾げる。
「どうしたの?」
「はは、俺が考えてること全部ナナには筒抜けなのかなって思ってたからさ」
そう言うとナナは答えた。
「私だってそんなに悪趣味じゃないわ。裕樹が何かしたいって思った時は別だけど。その方が裕樹もいいでしょ? そう感じるし」
「ああ、助かるよ」
いくらナナが相手でも、俺の心の中が全部筒抜けっていうのはやっぱり少し辛いよな。
別に覗かれて困るようなことを考えてるつもりはないけどさ。
さっきだってあんなに顔を近くに寄せられてドキッとしたし、そういうことまでナナに筒抜けかもって思うと気が抜けないもんな。
そんなことを考えながら、俺はもう一度城の方向を眺めると肩をすくめた。
それにあの国王、みんなの為に魔王を倒しますっていうようないい王様には見えないんだよな。
平気で俺の事を殺そうとしたし。
何か良からぬことを企んでそうな気さえしてくる。
「まあ考えても仕方ないよな。あんな奴らと二度と関わるつもりはないし」
俺がそう言うとナナは頷く。
「ええ、あいつらのことなんて忘れましょ」
「ああ、そうだなナナ」
ナナは明るく言った。
「そうよ! 私と一緒に魔王を倒しに行くんでしょ?」
「はは、そうだったな」
二人で元の世界に戻る方法を探すって決めたんだよな。
魔王を倒せば戻れるのかは分からないけど、今はそれしか情報がない。
だから、冒険者をしながら他にも情報を探そうって。
左手でひょいとククルを抱きかかえながら右手の剣を見る。
「この剣一本でなんて無理に決まってるしさ」
武器以外は丸腰だし、ゲームで言えばまさに城を出たばかりの初期装備って感じだもんな。
選ばれた勇者って崇められてるあいつらには凄い装備とか道具が用意されそうだけど、俺にはそんなのはありはしない。
そんな俺をナナが励ますように言う。
「大丈夫よ、お金を稼いでいい装備を集めましょ。それでも駄目なら作ればいいじゃない!」
「……作るって自分で自分の装備を?」
ナナからの意外な提案に俺は思わず呟いた。
そう言えば最初に職業を確認した時に、料理人の隣に鍛冶職人っていうのがあったはずだ。
鍛冶職人に転職すれば装備も自分で作れるようになるんだろうか?
自分で剣や鎧を一から作るなんてちょっとワクワクする。
マスタースキルも気になるし。
向こうについて落ち着いたら試してみる価値はあるよな。
俺は少し興奮してナナに答えた。
「装備を作る! いいかもなそれ!!」
「でしょ!」
冒険者をやって必要なお金や素材を集める。
そして、魔王を倒すための装備を自分で作るなんて本当にゲームみたいだけど、現実でそんなこと体験するなんてあり得ないことだもんな。
装備を作るための素材か、もしかして前の世界にはなかったような変わったものもあるのかな?
滅多に手に入らないレアな素材とか武器とかさ。
そんなことを考えると何だか楽しくなってくる。
「どうせやるなら楽しくやらないとな! 頑張るぞ」
「お~! ふふ、やっぱり裕樹はそうじゃなくっちゃ!」
いつものように掛け声を上げるナナ。
ククルは俺たちが話していることがよく分からないのだろう、首を傾げながらそれでもナナの真似をして声を上げる。
「お~! なのです!」
「はは、ククルも応援してくれるか?」
「はいなのです!」
俺たちがそんな話をしていると、先に歩き始めていたレイラがこちらを振り返って声をかける。
「ユウキ、ナナ、何してるのよ? 行くわよ!」
俺は慌てて答えた。
「悪い、レイラ! 今行くよ」
「ええ!」
ナナも大きく頷く。
レイラの方へ歩きながら俺はナナに礼を言った。
「ありがとな、ナナ。ナナといると勇気が湧いてくるよ」
「な! なによ、あらたまって。当然じゃない! 私たちパートナーなんだから」
照れたのか少し頬染めてこちらを見るナナは可愛い。
俺は笑いながら言った。
「そうだな、俺たち相棒だもんな」
「そういうこと!」
ナナもそう言って笑う。
俺はもう城の方は振り返らずに歩いた。
あいつらがこれからどうするつもりかは分からないけど、俺は俺が出来ることをやるだけだ。
ナナもいるし、レイラたち新しい仲間も出来た。
それに、装備を自分で作るっていう新しい目標も出来たもんな。
「山を越えたら新しい家も作らないとな。それに鍛冶職人をするならその為の工房とかもいるだろうし」
俺の言葉にナナも頷く。
「忙しくなりそうね、裕樹! 私も手伝うわ」
「ああ、ありがとな」
国境を越えて、よさそうな場所を見つけたらまた新しい家の設計図をナナと作るとするか。
そんな話をしながらレイラのところまで行く。
レイラはククルを抱いている俺の代わりにスカーフェイスの角を片手に持ち、腰からは革で出来た水筒を提げている。
俺も同じものを腰から提げて中には綺麗な水を満たしている。
山道を行く俺たちの為にジェイクが自分たちのものを一つ貸してくれたんだ。
俺はレイラに礼を言った。
「悪いなレイラ。角を運んでもらってさ」
「ふふ、構わないわ! こんな大物の角を運べる機会なんてそうそうないもの」
そう言って、尻尾を振る。
「それにご馳走のお礼もあるし。あのステーキ本当に美味しかったわ! ねえ、また作ってくれる? いいでしょ? これからは一緒に暮らすんだし」
それを聞いて俺とナナは顔を見合わせた。
「へ?」
「え?」
最初は呆然としていたナナがレイラに食って掛かった。
「ちょ! ちょっと何勝手なこと言ってるのよ。裕樹は私と一緒に暮らすんだから! どうしてあなたまで一緒に暮らすってことになるのよ!?」
レイラはナナに言い返す。
「当たり前でしょ? 向こうに行ったらユウキと私はパートナーになるんだから。一緒に暮らした方が便利じゃない、冒険者のことだって色々教えてあげられるし!」
「駄目よ!」
「何よケチなんだから。やっぱり貴方ユウキのこと好きなんでしょ? 大体、あんなに美味しい料理を一人だけ作ってもらうなんてずるいわ」
レイラの言葉にナナは真っ赤になる。
「す、す、好きなんかじゃないって言ってるでしょ!」
「どうだか! ねえ、ユウキはどうしたいの?」
そう言って左右から俺に詰め寄るナナとレイラ。
「「私と一緒に暮らすのよね!!」」
「だから、近いって二人とも」
あの結衣だって敵わない程の美少女たちに至近距離で睨まれて俺は思わずたじろいだ。
二人ともいい奴なんだけど、ほんと気が強いもんな。
そんな中、ククルが言った。
「はわわ! 楽しそうなのです、ククルも遊びに行きたいのです!」
それを聞いて俺は笑った。
「そうだな。新しい家を作ったらククルも招待するか。また美味しいご馳走作ってやるからな!」
「はいなのです!」
ククルは嬉しそうにそう言ってはしゃいだ。
俺はそんなククルを眺めながら歩き始める。
こういう時は逃げるが勝ちだよな。
それを見て、ナナとレイラが不満そうに声を上げた。
「裕樹ったら!」
「そうよ、まだ答えを貰ってないわ!」
俺は二人を振り返ると言う。
「向こうにつくまでにゆっくり話し合ったらいいだろ? さあ、行こうぜ!」
その言葉にレイラとナナはツンと顔をそらしながらも、俺の左右に並んで歩く。
「そうね、まずはあの山を越えるのが目標だったんだから」
「分かったわよ、行きましょう! でも諦めないんだからね」
そんな二人に俺は苦笑しながら掛け声をかける。
「ああ、行こう! 新しい国へ」
俺はそう答えながら、これから始まる新しい生活への期待に胸を膨らませていた。
────────
沢山感想を下さいまして感謝です!
いつもご覧いただきましてありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,129
あなたにおすすめの小説
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~
雪華慧太
ファンタジー
理不尽なイジメが原因で引きこもっていた俺は、よりにもよって自分の誕生日にあっけなく人生を終えた。魂になった俺は、そこで助けた少女の力で不思議な瞳と前世の記憶を持って異世界に転生する。聖女で超絶美人の母親とエルフの魔法教師! アニメ顔負けの世界の中で今度こそ気楽な学園ライフを送れるかと思いきや、傲慢貴族の息子と戦うことになって……。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる