神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太

文字の大きさ
上 下
21 / 82

21、金の匙

しおりを挟む
 料理人に転職して、いつも通り二度レベルダウンを試みる。
 淡く光る俺の体にククルが声を上げる。

「はわわ! ユウキお兄ちゃん光ったのです!」

 アリシャも俺に問いかけた。

「ちょっと、今の光は何?」

 ジェイクとキースも首を傾げると言った。

「何かのスキルか?」

「みたいだな!」

 俺は頷く。

「ああ、俺が持ってるスキルを使ったんだ。せっかくの食材だから美味しいステーキを焼きたくてさ」

 レイラはもうお腹が減ってそれどころではないのか俺にせっついた。

「何だか分からないけど、ユウキに任せるわ! 早く一枚焼いて、私もう我慢できない」

「はは、レイラは腹ペコなのに往復してくれたんだもんな」

「そうよ! ご褒美頂戴!」

 そう言って銀色の尻尾を左右に振るレイラは可愛らしい。
 ちなみに今の俺のステータスはこうなっている。

 名前:佐倉木裕樹
 種族:人間
 レベル:レベル9999
 職業:料理人
 マスタージョブ:狩人
 力:7121
 体力:7232
 魔力:6221
 速さ:8572
 器用さ:8124
 集中力:7727
 幸運:6124

 魔法:なし
 物理スキル:ナイフ技Sランク、弓技Sランク
 特殊魔法:熟成
 特殊スキル:なし
 生産スキル:料理Sランク
 ユニークスキル:【自分のレベルを一つ下げる(使用制限86回)】
 マスタースキル:【鑑定眼】【伐採の極み】【一刀両断】【木材加工】【聖なる結界】【罠作成】【金の匙】
 覚醒スキル:【一刀獣断】
 称号:召喚されし勇者

 メインの職業は料理人、そしてマスタージョブに選んだのは狩人だ。
 肉を切る為のナイフの使い方にも優れてるし、何よりも山の幸への知識が豊富だからさ。
 こと今回の食材を扱うには、とても相性がいいのが俺にも分かる。

 ジェイクたちの反応を見ると、どうやらステータスパネルは俺とナナにしか見えてないらしい。
 そう言えば今までもレイラやククルの前で開いたことはあったけど、驚いた様子はなかったもんな。

 レイラも待ってるし早く一枚焼いてやらないとな。
 料理人のマスタースキルは【金の匙】か。
 名前からはちょっと想像が出来ないな、使ってみれば分かるだろうけどさ。
 そんなことを思っているとナナが俺に【金の匙】の力を教えてくれた。
 それを聞いて俺は驚く。

「へえ、じゃあ俺が知ってればいいんだな?」

「ええ、裕樹が知ってるなら【金の匙】の力で作れるはずよ。それから、 特殊魔法の熟成は食材の鮮度を落とさずに熟成させることが出来る力。簡単に言えば食材の旨味を増す魔法ね」

「なるほどな。分かったよナナ」

 俺は頷くと、まずは大きな肉の塊から一枚のステーキ肉をナイフで切り分けるとそれに特殊魔法の熟成をかける。
 すると上質な肉が鮮度を保ったまま、柔らかさを増していくのが分かる。

「へえ、こりゃ旨そうだ」

 そして、アリシャが用意してくれた岩塩を削って塩を用意すると、肉の両面に適度に塩胡椒をしていく。
 それから、深底のフライパンの中に脂身を切って入れると軽く火にかけて、脂身から出る油をフライパンになじませた。
 油を十分にとった後、脂身は取り出して代わりに下ごしらえをした肉を入れた。

 ジュウウウ!!

 油を引いたフライパンの上で肉が焼ける音と香ばしい匂いが辺りに広がる。
 ククルが小さな鼻をひくひくさせている。

「美味しそうな匂いなのです!」

 隣を見るとレイラも同じようにしていてまるで姉妹のようだ。
 アリシャが感心したように言う。

「やるじゃないユウキ! 慣れてる感じね」

「はは、まあなんとかね」

 本格的に料理なんてしたことはないけど、料理人になってるお蔭で手慣れた動きが出来てるんだよな。
 火加減も見極めながら、適度な状態までステーキ肉に火を通す。
 熟成のお蔭で肉は柔らかく、そして旨そうな肉汁がたっぷりと出ているのが見える。
 俺は肉を手早く皿の上に移した。
 レイラが今にもかぶりつきそうな様子で言った。

「はぁあああ! 美味しそう! ねえ、ユウキもう我慢できないわ! 一切れ食べていい?」

 俺に切り分けて欲しいとねだるかのように、大きな尻尾を振るレイラ。
 苦笑しながらそれを眺めると俺は言った。

「悪いけどレイラ、もう少しだけ待っててくれよ。いま仕上げのソースを作るからさ」

 アリシャが不思議そうに首を傾げた。

「ソースって? 言ったでしょうユウキ、調味料は塩と胡椒しかないわよ」

「ああ、アリシャ。分かってるって」

 俺はそう言うと、フライパンに染み出た肉汁を捨てずに小さな木の器に入れると、フライパンを綺麗にしてもう一度油を引き直す。
 そして、マルルナタケを一本、歯ごたえが残るサイズに刻むとそれを炒めた。

 ジュウウウ!!

 また心地よい音が響いて、マルルナタケのいい匂いが辺りに広がっていく。
 こりゃ松茸よりもいい香りだな。
 獣人族が好きな香りだけあってククルとレイラが肩を寄せ合ってとろけたような顔になっている。

「はわわ~」

「私、もう駄目……」

 程よくキノコに火が通ったところで俺は器に入れた肉汁をフライパンに加えると、少し味見をして頷いた。
 いい感じだ。
 っていうか肉汁もマルルナタケの旨味も凄い。
 俺はこれに合う味を今までに食べた料理の中から思い出す。

 意識を集中する。
 元の世界で今まで食べたステーキの中で、一番のこの肉とマルルナタケにあったソースを思い出す。
 醤油、みりん、そしてお酒、そのほかの幾つかの調味料。
 日本でそれを食べた時は決して分からなかった、そのソースのレシピが今の俺には分かった。
 一応レベル9999の料理人だもんな。
 そのソースの味をドリルホーンの肉とマルルナタケに最適なものに頭の中で微調整していく。
 そして、料理人としてその調合に納得が出来た瞬間、俺は左手でフライパンを持つとマスタースキルを使った。

「金の匙!!」

 その瞬間、俺の右手に金色の大きめなスプーンが現れる。
 俺はそこに入ったものを一気にフライパンに注ぎ込んだ。
 金の匙はその瞬間に消えて、代わりにジュウウ! と音を立ててフライパンの中からいい香りが立ち上る。
 ジェイクとキースが声を上げる。

「な、なんだこりゃ!」

「す、凄えいい匂いがするぞ!!」

 アリシャが目を見開く。

「ユウキ、これって!」

「ああ、ちょっとしたスキルで、ステーキ用のソースを作ったんだ」

「ちょ……ちょっとしたスキルって。あの金色のスプーンの事?」

 俺は頷く。
 料理人のマスタースキルの【金の匙】。
 ナナから説明をしてもらったけど、これは料理をする時に仕上げのひと匙を料理に加えることが出来る力だ。
 自分が知っている味のレシピが分かれば最後にひと匙加えることが出来る。

 もちろん今までの俺にはとてもレシピの解析なんて出来ないけど、今は料理人の力がカンストしてるからさ。
 それと【金の匙】の力を使ってドリルホーンの肉とマルルナタケに一番合ったステーキソースを作ってみた。
 肉汁とマルルナタケにピッタリ合っているはずだ。
 俺は、ソースを程よく火にかけた後、それを皿の上に置かれたステーキの上にかける。
 そして、綺麗にしたナイフを使ってステーキ肉を切り分けた。

 柔らかい肉の断面から流れ出す肉汁が、俺が作ったステーキソースに絡み合っていくのが見えた。
 なんともいえない程のいい匂いがする。
 それを見てレイラの顔がすっかりとろけていた。

「はわわぁあ! 何なのこれ! 美味しそう! ねえ、ユウキ。今度こそ食べていいでしょ!?」

「はは、もちろん。召し上がれ」

 俺は笑いながらそう答えた。
 レイラは朝から沢山働いたもんな。
 ソースに入ったマルルナタケが乗っている部分の肉を一切れレイラはフォークで突き刺すと、それを頬張る。
 その瞬間、レイラの体がブルブルっと震えて尻尾がピンと立つ。

「ふぁあああ! 何なのこれ! 美味しい! 美味しすぎるわ!!」

 それを聞いて皆、ごくりとつばを飲み込むと一斉に用意されたフォークで肉を突き刺す。
 そしてかぶりつくと呆然とした表情で言った。

「凄え……こんなに美味いステーキを食ったのは初めてだぜ」

「あ、ああ。やばい。こんなの食ったらもう他のステーキが食えねえよ」

 アリシャも恍惚とした顔で肉を味わっている。

「はぁああ! こんなの大きな町に行っても絶対食べられないわ」

 ナナはククルの為に肉を小さく切ってククル用の皿に移してあげている。
 それをぱくりと食べるククル。

「はうううう! 美味しいのです!!」

「ほんと、美味しい!」

 ナナもニッコリと笑った。
 みんなが美味しそうに食べてくれたので俺も嬉しくなる。
 俺も一切れ食べてみたけどメチャクチャ旨い。
 元々の食材が上質なこともあって、今まで食べたどんなステーキよりも美味かった。

「はは、そんなに喜んでもらって嬉しいよ」

 みんなはあっという間にステーキを平らげて俺に言った。

「「「ユウキ、もう一枚焼いて!!」」」

 俺は笑いながら頷くと、後何枚かステーキを焼いたのだった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~

雪華慧太
ファンタジー
理不尽なイジメが原因で引きこもっていた俺は、よりにもよって自分の誕生日にあっけなく人生を終えた。魂になった俺は、そこで助けた少女の力で不思議な瞳と前世の記憶を持って異世界に転生する。聖女で超絶美人の母親とエルフの魔法教師! アニメ顔負けの世界の中で今度こそ気楽な学園ライフを送れるかと思いきや、傲慢貴族の息子と戦うことになって……。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

処理中です...