成長チートになったので、生産職も極めます!

雪華慧太

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393、バトルフィールド

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「さて、エイジ。私はあんたに剣を教えると約束したんだ。まずは、どの程度の腕になったのか確かめさせてもらうよ」

 ジーナのその言葉を聞いて、エイジは身構える。
 エリスとリアナがふぅと溜め息をついた。

「せっかく、ライアンが食料を持ってきてくれたのに」

「晩御飯を食べてからって訳にはいかないのかしら?」

 オリビアはくぅとお腹が鳴って顔を赤くした。

「あ、アンジェはしたないわよ」

「ちょ! オリビア今の貴方でしょ!?」

 ラエサルを見送ったばかりで元気が無かったアンジェも、オリビアの言葉に流石に言い返した。
 乙女の沽券に関わる問題だ。

「オリビアの奴、意外と酷いな」

「ふにゃ、エイジに聞かれたくない乙女心にゃ」

 ララリシアが慌ててジーナたちを止める。

「ちょっと待って! こんなところで戦うつもり? この施設を復旧するのに私がどれだけ苦労したのか分かってるの!?」

「そう言われてもね、外で戦う訳にもいかないだろ?」

 確かに、それでは何のために隠れ家にいるのか分からない。
 ララリシアはため息をついて言った。

「いいわ、レジスタンスの戦士用のバトルフィードを使って頂戴。その中なら思いっきり戦っても施設にはダメージは無いわ」

「バトルフィールド?」

 エイジが思わず問い返す。
 ララリシアは頷くと。

「二人ともついて来て、苦労して動かした施設を壊されるのは御免だわ!」

「ふふ、バトルフィールドね面白そうじゃないか。エイジ行くよ!」

 ジーナのさばさばした態度に、ララリシアも毒気を抜かれたように肩をすくめた。
 エリスとリアナは、それを見てクスクスと笑う。

「ジーナさんて、美人だけど男の人みたいよね」

「ラエサルさんがいなくなるのは不安だったけど、ジーナさんも頼れるタイプよね」

 ジーナはジト目で二人を睨む。

「聞こえてるよエリス、リアナ」

「ふふ、ごめんなさい」

「褒めてるのよ」

 ライアンも溜め息をつきながら同意した。

「分かるぜエリス、リアナ。まったくジーナ隊長ときたら人使いは荒いし、並みの男よりも豪快だからな」

「ふにゃ! ライアンはここまで来るまでにすっかり身に染みたからにゃ」

 ライアンの傍に置かれた大きなリュックを見て、一同は顔を見合わせて笑った。
 アンジェとオリビアは、ララリシアが言うバトルフィールドに興味があるようで彼女に尋ねる。

「ねえ、ララリシア。どこにあるの?」

「ええ、気になるわね。どんな場所なのかしら」

 結局、ジーナとエイジだけではなく全員で移動することになった。
 先程の寝室に移動して、そこから浴室に繋がるドアとは違う扉をくぐる。
 するとそこは透明な窓のついた細長い部屋になっていた。
 その窓から下方に目をやると、大きな白い空間がある。
 ララリシアは皆に言った。

「試合を見たいならここで見られるわ。ジーナとエイジはそこの階段から下に降りればバトルフィールドよ」

「へえ、中々広いじゃないか」

 そう言いながら早速階段を下り始めるジーナ。
 エイジは慌ててその後を追った。
 バトルフィールドの降りると、ジーナは『風神』を構える。

(これは……)

 エイジは思わず身構えた。
 ジーナの体が魔力と闘気に覆われていくのを見たからである。
 いや正確に言うと強烈な霊気だ。
 黄金の光が美しいブロンドを煌めかせる。
 その姿は、まるで人であって精霊のようでもある。

「ラエサル以外の相手に本気を出すのは久しぶりだね。いつでもいいよ、エイジ。かかっておいで」

 その言葉にエイジも大剣を抜き放つと、額の精霊銀が輝く。
 魂の瞳が開眼していくのが分かる。
 ファルティーシアと高い融合率でエレメンタルフュージョンしている証だ。
 白い霊気を帯びていくエイジの体。
 ライアンはそれを見て目を丸くした。

「凄え……ここにいても感じるぜ。エイジの奴ここまで強くなってやがったのか」

 オリビアは、その様子を固唾をのんで見つめている。

「見て、二人とも動くわよ!」

 そうオリビアが言った瞬間──
 バトルフィールドの中では、二人の剣士が凄まじい速さで剣を交えていた。
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