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384、対抗手段
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「へえ、これがレジスタンスの制服ねぇ……」
キーラはそう言って、自分の身を包むボディースーツを眺めていた。
カラーは、ララリシアに教わりブロンドに合わせて、鮮やかなイエローに変更済みである。
エイジは抜群のスタイルのキーラのボディースーツ姿に思わず思う。
(はは、キーラさんが着ていると何だか特撮ヒーローモノの中に出てくる、美人ヒロインみたいだよな)
ラエサルもその隣で既に制服に着替え済みなのだが、カラーはブラックで格好がいい。
二人そろって立っていると、主人公たちがピンチになると助けにくるお助けキャラ的な雰囲気がある。
「実際、二人ともそんな感じだもんな」
エイジが一人笑いながらそう呟くと、キーラが首を傾げて尋ねた。
「あらエイジ、なに笑っているのよ。この色に似合ってないかしら?」
少しムッとしたように、エイジに顔を近づけるキーラ。
その妖艶な顔と共に、ボディースーツで強調された大きな胸がエイジの目の前にくる。
「え!? い、いやキーラさんによく似合ってると思うよ」
「ふふ、それならいいのよ」
からかうような目で、エイジの唇に指先をそっと添わせるキーラ。
エリスとリアナがエイジの腕を引っ張ってキーラから遠ざける。
「エイジ!」
「もう! 年上の女の人の前だと、すぐデレっとするんだから!」
「え? してないって」
アンジェとオリビアは、ジト目眺めながら言った。
「してたわよねオリビア」
「ええ、アンジェ」
アンジェはため息をつきながらも、気を取り直すとラエサルに言う。
「やっぱりラエサルは黒が似合うわよね」
「そうか? まあ、いつも通りだからな」
今エイジたちは浴室を出て、新しいアジトの指令室のような場所にいた。
ララリシアがそこで作業をしているからである。
ラエサルはララリシアに声をかけた。
「どうだ? ララリシア。何か使えそうなものはあったか?」
「そうね、ここにレジスタンスが使ってた武器が無いのか調べてるんだけど、見つからないのよ」
ララリシアの言葉にエイジは首を傾げた。
「そういえばさっきの施設だって、レジスタンスのアジトの一つだったんだよな。武器ぐらい置いてあってもいいと思うのにな」
レジスタンスが使っていた武器が無いのか探そうと提案したのはエイジだ。
魔法科学文明が発展した時代の武器があればと思ったからだ。
今のララリシアなら調べられるのではないかと。
ララリシアはエイジに答える。
「相手が相手だもの。普通の武器なんてそもそも通じるとは思えないけどね」
(確かにな……)
とエイジも思う。
相手が精霊王の力さえ奪ったような男なら、まともな武器は通じないだろう。
精霊王の血を引く女王ララリシアが、命をかけて精霊呪縛術式を使わなければ倒せなかった相手だ。
エリスがララリシアの隣に歩み寄ると言った。
「でも、女王は抵抗は何年も続いたって言っていたわ。何か戦うすべはあったはずよ」
「ええ、そうね。何らかの対抗手段があったはず、今それを調べているの。もしそれが分かれば、次にリカルドが現れたとしても対抗できるかもしれないわ」
エリスは身を震わせる。
(リカルド……精霊王の血を引く男)
失われたはずの魔術を使いこなし、神出鬼没な相手。
一体何が目的なのか……。
それにどうして自分を生かしているのか、とエリスは思う。
もしも精霊王の力を再び手にする事が目的であれば、同じ精霊王の血を引くエリスは邪魔者でしかない。
殺すチャンスはあったはずだ。
エリスがそんなことを考えていると、作業をしているララリシアの指先がぴたりと止まる。
「あったわ。でも、武器とは言えないかもしれないけどね」
一同はララリシアが作業をしている端末の画面をのぞき込む。
ララリシアは、それを指令室の大きなモニターに映し出した。
エイジはそれを見て驚いたように言った。
「これは! もしかして!?」
ララリシアはエイジの言葉に頷いた。
「ええ、恐らく間違いないわ。もしこれが本当だとしたら……」
キーラはそう言って、自分の身を包むボディースーツを眺めていた。
カラーは、ララリシアに教わりブロンドに合わせて、鮮やかなイエローに変更済みである。
エイジは抜群のスタイルのキーラのボディースーツ姿に思わず思う。
(はは、キーラさんが着ていると何だか特撮ヒーローモノの中に出てくる、美人ヒロインみたいだよな)
ラエサルもその隣で既に制服に着替え済みなのだが、カラーはブラックで格好がいい。
二人そろって立っていると、主人公たちがピンチになると助けにくるお助けキャラ的な雰囲気がある。
「実際、二人ともそんな感じだもんな」
エイジが一人笑いながらそう呟くと、キーラが首を傾げて尋ねた。
「あらエイジ、なに笑っているのよ。この色に似合ってないかしら?」
少しムッとしたように、エイジに顔を近づけるキーラ。
その妖艶な顔と共に、ボディースーツで強調された大きな胸がエイジの目の前にくる。
「え!? い、いやキーラさんによく似合ってると思うよ」
「ふふ、それならいいのよ」
からかうような目で、エイジの唇に指先をそっと添わせるキーラ。
エリスとリアナがエイジの腕を引っ張ってキーラから遠ざける。
「エイジ!」
「もう! 年上の女の人の前だと、すぐデレっとするんだから!」
「え? してないって」
アンジェとオリビアは、ジト目眺めながら言った。
「してたわよねオリビア」
「ええ、アンジェ」
アンジェはため息をつきながらも、気を取り直すとラエサルに言う。
「やっぱりラエサルは黒が似合うわよね」
「そうか? まあ、いつも通りだからな」
今エイジたちは浴室を出て、新しいアジトの指令室のような場所にいた。
ララリシアがそこで作業をしているからである。
ラエサルはララリシアに声をかけた。
「どうだ? ララリシア。何か使えそうなものはあったか?」
「そうね、ここにレジスタンスが使ってた武器が無いのか調べてるんだけど、見つからないのよ」
ララリシアの言葉にエイジは首を傾げた。
「そういえばさっきの施設だって、レジスタンスのアジトの一つだったんだよな。武器ぐらい置いてあってもいいと思うのにな」
レジスタンスが使っていた武器が無いのか探そうと提案したのはエイジだ。
魔法科学文明が発展した時代の武器があればと思ったからだ。
今のララリシアなら調べられるのではないかと。
ララリシアはエイジに答える。
「相手が相手だもの。普通の武器なんてそもそも通じるとは思えないけどね」
(確かにな……)
とエイジも思う。
相手が精霊王の力さえ奪ったような男なら、まともな武器は通じないだろう。
精霊王の血を引く女王ララリシアが、命をかけて精霊呪縛術式を使わなければ倒せなかった相手だ。
エリスがララリシアの隣に歩み寄ると言った。
「でも、女王は抵抗は何年も続いたって言っていたわ。何か戦うすべはあったはずよ」
「ええ、そうね。何らかの対抗手段があったはず、今それを調べているの。もしそれが分かれば、次にリカルドが現れたとしても対抗できるかもしれないわ」
エリスは身を震わせる。
(リカルド……精霊王の血を引く男)
失われたはずの魔術を使いこなし、神出鬼没な相手。
一体何が目的なのか……。
それにどうして自分を生かしているのか、とエリスは思う。
もしも精霊王の力を再び手にする事が目的であれば、同じ精霊王の血を引くエリスは邪魔者でしかない。
殺すチャンスはあったはずだ。
エリスがそんなことを考えていると、作業をしているララリシアの指先がぴたりと止まる。
「あったわ。でも、武器とは言えないかもしれないけどね」
一同はララリシアが作業をしている端末の画面をのぞき込む。
ララリシアは、それを指令室の大きなモニターに映し出した。
エイジはそれを見て驚いたように言った。
「これは! もしかして!?」
ララリシアはエイジの言葉に頷いた。
「ええ、恐らく間違いないわ。もしこれが本当だとしたら……」
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