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351、コントロールルーム

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「直ぐに分かる、初めて俺たちがここに入った時にちょっとしたトラブルが起きてな。ここの管理者は俺たちがいなければ、誰も中にはいれようとはしない」

 ラエサルの言葉に、エイジとエリスは顔を見合わせた。

「管理者?」

「ラエサルさん、さっきもそんなことを言っていたけど管理者って一体誰のことなの?」

 リアナとオリビアも、大きく頷いてラエサルに尋ねる。

「私たち以外にいないように思えるけど」

「ええ、私たち以外の気配はしない」

 アンジェもオリビアの言葉に同意しながら、ラエサルを見つめた。

「私も何も感じないわ。今ならこれぐらいの広さでも気配の察知は出来るもの」

 シーカーになりレベルも上がった効果が大きいのだろう。
 アンジェが周囲の気配を感じる力は遥かに前よりも高まっている。
 ラエサルは、透明なチューブ状のエレベーターから少し離れた場所にある装置に向かって歩く。
 エイジはそれを見て思った。

(凄いな、色んな装置が集まっている。まるでコントロールルームみたいだ)

 大きな研究施設の中央部分にあるその場所。
 そこは、壁に包まれた楕円状のブースのようになっている。
 ラエサルがそのブースの前に立つと、自然にその壁の一部が開く。
 エイジたちも慌てて後に続く。

「これは……」

 思わず呟くエイジ。
 洗練されたデザイン、非常に高度な科学文明の象徴のような数々の装置。
 そこは、まるで未来の宇宙船のコックピットのようにさえ思えた。
 指令室のように沢山のモニターや装置がある。
 そして、かつてはいたであろうスタッフが座るべき椅子や机が配置されていた。
 エリスたちも、思わずキョロキョロと辺りを見渡して落ち着かない様子だ。

「凄いわ……」

「一体なんなのここは」

 驚きを隠せないエリスたち。
 テーブルごとに設置されたモニターとは別に、ブースの正面には巨大なモニターが設置されていた。
 その画面は真っ暗である。
 だが、周囲を照らす明かりを考えれば、何らかの動力が通じていることは明らかだろう。

「壊れてるのかな?」

 エイジは、自分の傍にある小さなモニターにそっと触れた。

「失礼ね。この私が管理しているのよ、壊れてなんかないわ」

「うわ!」

 思わずエイジは声を上げる。
 突然画面に映った少女が、エイジを睨んで喋りかけてきたからだ。
 気が付くと、部屋中全てのモニターに同じ顔の少女が映し出されていた。

 鮮やかなサファイアブルーの瞳、そして同じ色の髪。
 年齢は13が14歳ぐらいだろうか。
 エイジたちより少し下でアンジェと同じぐらいだろう。
 画面に映った少女はエイジを睨んでいる。
 エイジは思わず、彼女に話しかけた。

「だ、誰だよ……君は」

 見えているのだろうか?
 少女はまるで観察するかのように、エイジを眺めながら答える。

「失礼な男ね、いきなり入ってきてその態度。人に名前を尋ねるなら、まず自分が名乗りなさいよ」

 エリスとリアナも思わずエイジのそばに来て、一緒に近くのモニターの中にいる青い髪の少女を眺める。

「え、エイジ!」

「この子、どうしてこんな物の中にいるの?」

 オリビアも辺りを見渡しながら言う。

「そ、それにこんなに沢山!」

 エリス達からしてみれば、目の前にある装置の中に少女がいるように思えるのだろう。
 エイジは慌てて少女に答える。

「あ、ごめん……俺はエイジ。君の名前は?」

「ふぅん、一応礼儀は知っているようね。私はララリシア、ローゼディア第十七研究施設の管理者よ」
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