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344、アンジェの力
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「しっ……私の蜘蛛が敵の気配を感じたわ。丁度いいわね、アンジェ。貴方の今の実力がどの程度なのか、限界を見せてもらうわよ」
キーラの言葉にアンジェは通路の先を見つめた。
(来るわ。この気配、さっきキーラを襲った魔物と同じ)
つまりヒュドラだろう。
キーラが言った。
「相手はヒュドラ。さっきのよりは小さいかしら。でも、あなた一人で戦ってもらうわよアンジェ」
それを聞いてエリスやリアナが叫ぶ。
「そんな! いくらなんでも無茶よ!!」
「危険過ぎるわ!」
オリビアも頷く。
「アンジェ、駄目よ一人でなんて! エイジも何とか言って!」
エイジはそれには答えずに、静かにアンジェを見つめる。
(確かに危険だな、でもアンジェなら。キーラさんはアンジェの本当に力に気が付いているのか?)
これほどの達人ならあり得るだろう、とエイジは思った。
アンジェの秘められた力。
ゆっくりと肩当や脛当てを外すアンジェ。
その裏には、アンジェの真の力を抑える為の魔法陣が描かれている。
キーラは笑った。
「やっぱりね。不自然に魔力が抑圧されているのを感じたもの、もったいぶってないで本当に力を見せてもらおうかしら」
アンジェは思う。
(前とは違う、今の私なら使いこなせるかもしれない……ううん、使いこなしてみせる!)
通路の先から現れるヒュドラの姿。
それを見た時、アンジェの体は強烈な魔力と闘気に包まれていく。
額に浮かび上がる模様は、母親譲りの痣だ。
驚くオリビア。
「アンジェ……貴方一体」
その瞬間──
アンジェの体はその場から霞むように消えていた。
燃え上がる『紅』の刀身。
まるでくノ一のように、幾つも現れるアンジェの分身。
アンジェがジーナとの戦いで編み出した、紅乱舞だ。
だが、それだけではない。
エイジはオリビアの疑問に答えた。
「オリビア、あれは『魔闘幻舞』。アンジェのユニークスキルだ」
先程のものよりは小型とはいえ、巨大な九つの頭を持つ魔物。
「はぁあああああ!!」
ダークエルフの舞姫は、その巨体に一直線に向かって行った。
一気に襲い掛かる九つの頭。
「アンジェ!」
「いやぁあああ!!」
悲鳴を上げるエリスとリアナ。
キーラはその時、細い蜘蛛の糸を天井に貼り付けアンジェとヒュドラの上に飛んでいた。
キーラの言葉にアンジェは通路の先を見つめた。
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つまりヒュドラだろう。
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それを聞いてエリスやリアナが叫ぶ。
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「危険過ぎるわ!」
オリビアも頷く。
「アンジェ、駄目よ一人でなんて! エイジも何とか言って!」
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アンジェは思う。
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それを見た時、アンジェの体は強烈な魔力と闘気に包まれていく。
額に浮かび上がる模様は、母親譲りの痣だ。
驚くオリビア。
「アンジェ……貴方一体」
その瞬間──
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だが、それだけではない。
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一気に襲い掛かる九つの頭。
「アンジェ!」
「いやぁあああ!!」
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