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310、精霊のように
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「これは……」
エイジはそう呟いて、エリスの姿を見つめていた。
ひと際、強い光がエリスの体を包んでいる。
エリスは溢れる力に思わず吐息を漏らす。
(全身が熱い、内側から何かが目覚める……)
真紅の髪が輝きを増していくその姿は、ウォータードルフィンたちが言っていたように精霊の女王のようだ。
まるで精神体と肉体が分離をしているかのように、僅かにその輪郭がぶれる。
「エリス……」
思わず呼びかけるエイジを、エリスは見つめた。
「エイジ、大丈夫。心配しないで少し力に戸惑っているだけ」
次第に普段のエリスに戻っていくのを見て、安堵のため息を漏らすエイジ。
直ぐにエリスのステータスを確認する。
名前:エリス
種族:人間
職業:上級魔道士LV1
HP:470
MP:1320
力:112
体力:226
知恵:512
魔力:546
器用さ:361
素早さ:375
幸運:114
スキル:無し
ユニークスキル:【アストラルトランス】
魔法:上級魔法【エクスぺリエンティアプラス】【ライトーラプラス】【フレイムランス】【アイスクリスタル】【ストーンドリル】【ウインドブレイド】
特殊魔法:【プリンセスローズ】
加護:無し
称号:無し
『魔剣に巣くうモノ』を倒した時に同じパーティだったライアンたちに比べるとレベルは上級クラスになったばかりだが、その魔力は群を抜いている。
それだけエリスには魔導士としての素質があるのだろう。
(でもこの【アストラルトランス】と【プリンセスローズ】っていうのはなんだ?)
鑑定眼で詳細を調べていくエイジ。
『アストラルトランス:己の精神を一時的に肉体から分離することで魔力を爆発的に高める。高い集中力を要する』
『プリセンスローズ:強力な魔力が込められた真紅の薔薇で相手を射抜く、アストラルトランス状態でのみ使用可能』
やはり試したくなったのだろう、エリスが詠唱を始めると先程のようにその輪郭がブレていくのが今度ははっきりと分かる。
エリスの肉体の後に、まるで精霊のような姿のエリスが見える。
リイムとミイムが嬉しそうにエリスの周りを飛び回る。
『凄いわ、エリス。人間なのにまるで精霊みたい』
『みゅぅう~、大きな精霊です! お母様みたいです』
エリスは途中で詠唱を終える。
そして長く息を吐いた。
「駄目だわ……まだ上手くいかないみたい」
エイジはエリスの肩に手を置いた。
「エリスならきっと大丈夫さ」
「……ありがとう、エイジ」
そう言ってそっとエイジの手を握る。
そんな二人の様子をチラリと一瞥するオリビア。
そっとシェリルに尋ねる。
「ねえ、シェリル。前から気になっていたんだけれど……あの二人、付き合ってるのかしら?」
「ふにゃ~、何でそんなこと気になるにゃ?」
悪戯っぽく笑うシェリルを見て、オリビアは軽く咳ばらいをした。
「ロードファエル家の人間として、王女殿下が誰とお付き合いをするのかは気になるわ。く、国として大事なことだもの」
「ほんとにそれだけかにゃ?」
シェリルのその言葉に、オリビアは頬を染めるとそっぽを向いた。
「も、もういいわ! 別にそんなに気にしている訳じゃないもの」
「ふにゃ、自信持つにゃ。オリビアは王女様にだって負けてないにゃ」
「だから、そ、そういう事じゃないわよ」
オリビアたちのそんなやり取りの最中、リアナがうずうずした様な顔でエイジの腕を取る。
「ねえ! エイジ、次は私よ!」
「ああ、リアナ。じゃあ始めようか」
エイジはそう呟いて、エリスの姿を見つめていた。
ひと際、強い光がエリスの体を包んでいる。
エリスは溢れる力に思わず吐息を漏らす。
(全身が熱い、内側から何かが目覚める……)
真紅の髪が輝きを増していくその姿は、ウォータードルフィンたちが言っていたように精霊の女王のようだ。
まるで精神体と肉体が分離をしているかのように、僅かにその輪郭がぶれる。
「エリス……」
思わず呼びかけるエイジを、エリスは見つめた。
「エイジ、大丈夫。心配しないで少し力に戸惑っているだけ」
次第に普段のエリスに戻っていくのを見て、安堵のため息を漏らすエイジ。
直ぐにエリスのステータスを確認する。
名前:エリス
種族:人間
職業:上級魔道士LV1
HP:470
MP:1320
力:112
体力:226
知恵:512
魔力:546
器用さ:361
素早さ:375
幸運:114
スキル:無し
ユニークスキル:【アストラルトランス】
魔法:上級魔法【エクスぺリエンティアプラス】【ライトーラプラス】【フレイムランス】【アイスクリスタル】【ストーンドリル】【ウインドブレイド】
特殊魔法:【プリンセスローズ】
加護:無し
称号:無し
『魔剣に巣くうモノ』を倒した時に同じパーティだったライアンたちに比べるとレベルは上級クラスになったばかりだが、その魔力は群を抜いている。
それだけエリスには魔導士としての素質があるのだろう。
(でもこの【アストラルトランス】と【プリンセスローズ】っていうのはなんだ?)
鑑定眼で詳細を調べていくエイジ。
『アストラルトランス:己の精神を一時的に肉体から分離することで魔力を爆発的に高める。高い集中力を要する』
『プリセンスローズ:強力な魔力が込められた真紅の薔薇で相手を射抜く、アストラルトランス状態でのみ使用可能』
やはり試したくなったのだろう、エリスが詠唱を始めると先程のようにその輪郭がブレていくのが今度ははっきりと分かる。
エリスの肉体の後に、まるで精霊のような姿のエリスが見える。
リイムとミイムが嬉しそうにエリスの周りを飛び回る。
『凄いわ、エリス。人間なのにまるで精霊みたい』
『みゅぅう~、大きな精霊です! お母様みたいです』
エリスは途中で詠唱を終える。
そして長く息を吐いた。
「駄目だわ……まだ上手くいかないみたい」
エイジはエリスの肩に手を置いた。
「エリスならきっと大丈夫さ」
「……ありがとう、エイジ」
そう言ってそっとエイジの手を握る。
そんな二人の様子をチラリと一瞥するオリビア。
そっとシェリルに尋ねる。
「ねえ、シェリル。前から気になっていたんだけれど……あの二人、付き合ってるのかしら?」
「ふにゃ~、何でそんなこと気になるにゃ?」
悪戯っぽく笑うシェリルを見て、オリビアは軽く咳ばらいをした。
「ロードファエル家の人間として、王女殿下が誰とお付き合いをするのかは気になるわ。く、国として大事なことだもの」
「ほんとにそれだけかにゃ?」
シェリルのその言葉に、オリビアは頬を染めるとそっぽを向いた。
「も、もういいわ! 別にそんなに気にしている訳じゃないもの」
「ふにゃ、自信持つにゃ。オリビアは王女様にだって負けてないにゃ」
「だから、そ、そういう事じゃないわよ」
オリビアたちのそんなやり取りの最中、リアナがうずうずした様な顔でエイジの腕を取る。
「ねえ! エイジ、次は私よ!」
「ああ、リアナ。じゃあ始めようか」
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