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264、地底の泉
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「ねえ、みんな! あれを見て!!」
アンジェが指さしたのは、自然が作り出した巨大で幻想的な洞窟の奥である。
ちょうど空洞の中央部分にあたるだろうか、そこには泉のような場所が見えた。
エリスとリアナが顔を見合わせる。
「ねえ、エイジ。エイジが言ってたのはあそこの事じゃない?」
「そうね、きっとそうよ! 行ってみましょう!」
好奇心旺盛なリアナの瞳は、目の前の光景にすっかりと興奮したのかいつもにもまして輝いている。
エイジの手をしっかりと握ってその泉に向かおうとするリアナに、エリスはまたも頬を膨らませるともう片方の手を握る。
「行きましょ、エイジ!」
辺りの光景にまだ呆然としていたエイジは、二人に手を引かれながら思った。
(あの泉、間違いないな。ファルティーシアさんも、ここには魔物もいないって言ってたから大丈夫だろ)
「ああ、行ってみよう!」
エイジは頷いた。
「ちょっと待ってよ、みんな!」
アンジェも後を追う。
まさに両手に花といった雰囲気のエイジを、オリビアは眺めながら肩をすくめる。
シェリルはオリビアの引き締まった脇を肘でつつくと。
「オリビアも一緒に行かなくていいのかにゃ?」
「な、何で私が?」
シェリルは、悪戯っぽい笑顔でニンマリ笑うと。
「オリビアなら、あの三人に負けてないと思うにゃ。さっき、エイジに天使みたいだって言われてたからにゃ」
「ば! 馬鹿なこと言わないでよ。あれはそう言う意味じゃないわ。背中の翼のせいで何にも考えずに言っただけ、変った男なのよ……」
少しだけ頬を染めてそう答えるオリビア。
『変った男』、シェリルはその言葉には同意する。
「ふみゃ~、確かににゃ。あんなに強いのに、普通なら知ってることも知らなかったりするからにゃ。一体どこから来たんだろうにゃ?」
「さあ、別に何処から来たかなんていいじゃない。私たちも行きましょう、シェリル」
ライアンとエリクは、既にエイジたちの後を追っている。
「ふみゃ~、そうだにゃ。どんな奴かは一緒に戦って良く分かったからにゃ」
「ええ、彼らは信頼が出来る仲間よ。それで十分だわ」
そう言って皆の後を追う二人。
一方でエイジと手を繋いでいるリアナが、エイジの髪を見て首を傾げる。
「エイジの髪が元に戻っていくわ!」
「ほんとだわ」
エリスもリアナの言葉に頷く。
それとほぼ同時に、エイジの肩の上に青い光が現れて妖精のような姿になっていく。
もちろん、リイムである。
『到着したわね、エイジ。お母様が言っていたのはあの泉よ』
『ああ、みたいだな』
リイムの言葉にエイジは頷きながら。
『そういえば、凄かったぜエレメンタルフュージョン! 皆も驚いてたぞ』
『へへ、そう? 言ったでしょう、絶対役に立ってみせるって!』
自慢げに胸を張るリイムの姿を見て、ミイムがはしゃいだ。
『リイム凄かったです、魔物が凍り付いたです! ミイムにも、エレメンタルフュージョン出来ますか?』
マリのようにエイジの肩で跳ね回って、リイムにそう尋ねるミイムは可愛らしい。
自分も早く役に立ちたいのだろう。
そんな気持ちが表情から現れている。
『きっと出来るわよ。私も気が付いたら自然にああなってたの! エイジと一緒に戦いたいって、強く願えばきっとミイムだって』
リイムの言葉を聞いて頷くミイム。
『ミイムも頑張るです!』
美しい洞窟の中央部分には、澄んだ水を湛えた泉がある。
その大きさは、数十メートル四方はあるだろうか。
エリスとリアナは、目を輝かせてその泉のほとりに立った。
「綺麗ね、まるで宝石で出来た泉みたい」
「ほんとね、綺麗な水」
アンジェもエイジの傍に立って、泉の中を覗き込む。
そして、泉の中へとそっと手を伸ばした。
ダークエルフの少女は、ピクンと体を震わせるとエイジを振り返る。
「ねえ、エイジ。これってもしかして……」
アンジェが指さしたのは、自然が作り出した巨大で幻想的な洞窟の奥である。
ちょうど空洞の中央部分にあたるだろうか、そこには泉のような場所が見えた。
エリスとリアナが顔を見合わせる。
「ねえ、エイジ。エイジが言ってたのはあそこの事じゃない?」
「そうね、きっとそうよ! 行ってみましょう!」
好奇心旺盛なリアナの瞳は、目の前の光景にすっかりと興奮したのかいつもにもまして輝いている。
エイジの手をしっかりと握ってその泉に向かおうとするリアナに、エリスはまたも頬を膨らませるともう片方の手を握る。
「行きましょ、エイジ!」
辺りの光景にまだ呆然としていたエイジは、二人に手を引かれながら思った。
(あの泉、間違いないな。ファルティーシアさんも、ここには魔物もいないって言ってたから大丈夫だろ)
「ああ、行ってみよう!」
エイジは頷いた。
「ちょっと待ってよ、みんな!」
アンジェも後を追う。
まさに両手に花といった雰囲気のエイジを、オリビアは眺めながら肩をすくめる。
シェリルはオリビアの引き締まった脇を肘でつつくと。
「オリビアも一緒に行かなくていいのかにゃ?」
「な、何で私が?」
シェリルは、悪戯っぽい笑顔でニンマリ笑うと。
「オリビアなら、あの三人に負けてないと思うにゃ。さっき、エイジに天使みたいだって言われてたからにゃ」
「ば! 馬鹿なこと言わないでよ。あれはそう言う意味じゃないわ。背中の翼のせいで何にも考えずに言っただけ、変った男なのよ……」
少しだけ頬を染めてそう答えるオリビア。
『変った男』、シェリルはその言葉には同意する。
「ふみゃ~、確かににゃ。あんなに強いのに、普通なら知ってることも知らなかったりするからにゃ。一体どこから来たんだろうにゃ?」
「さあ、別に何処から来たかなんていいじゃない。私たちも行きましょう、シェリル」
ライアンとエリクは、既にエイジたちの後を追っている。
「ふみゃ~、そうだにゃ。どんな奴かは一緒に戦って良く分かったからにゃ」
「ええ、彼らは信頼が出来る仲間よ。それで十分だわ」
そう言って皆の後を追う二人。
一方でエイジと手を繋いでいるリアナが、エイジの髪を見て首を傾げる。
「エイジの髪が元に戻っていくわ!」
「ほんとだわ」
エリスもリアナの言葉に頷く。
それとほぼ同時に、エイジの肩の上に青い光が現れて妖精のような姿になっていく。
もちろん、リイムである。
『到着したわね、エイジ。お母様が言っていたのはあの泉よ』
『ああ、みたいだな』
リイムの言葉にエイジは頷きながら。
『そういえば、凄かったぜエレメンタルフュージョン! 皆も驚いてたぞ』
『へへ、そう? 言ったでしょう、絶対役に立ってみせるって!』
自慢げに胸を張るリイムの姿を見て、ミイムがはしゃいだ。
『リイム凄かったです、魔物が凍り付いたです! ミイムにも、エレメンタルフュージョン出来ますか?』
マリのようにエイジの肩で跳ね回って、リイムにそう尋ねるミイムは可愛らしい。
自分も早く役に立ちたいのだろう。
そんな気持ちが表情から現れている。
『きっと出来るわよ。私も気が付いたら自然にああなってたの! エイジと一緒に戦いたいって、強く願えばきっとミイムだって』
リイムの言葉を聞いて頷くミイム。
『ミイムも頑張るです!』
美しい洞窟の中央部分には、澄んだ水を湛えた泉がある。
その大きさは、数十メートル四方はあるだろうか。
エリスとリアナは、目を輝かせてその泉のほとりに立った。
「綺麗ね、まるで宝石で出来た泉みたい」
「ほんとね、綺麗な水」
アンジェもエイジの傍に立って、泉の中を覗き込む。
そして、泉の中へとそっと手を伸ばした。
ダークエルフの少女は、ピクンと体を震わせるとエイジを振り返る。
「ねえ、エイジ。これってもしかして……」
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