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1巻

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 六十分の一秒という一フレームの世界に活路を見出みいだす格闘ゲームに比べたら、こいつの動きは隙だらけだ。まるでテレホンパンチのような大きなモーション、そして視線と筋肉の動き。次に繰り出される技が分かっているなら、当たってやる方が難しい。
 俺はこいつが大振おおぶりで剣を振った瞬間、それをくぐって下から思い切り拳を突き上げただけだ。不思議なことに、やり慣れた3D格闘ゲームのキャラになったかのように体が自在に動く。

(夢とはいえ、気分がいいなこれは。まるで出来がいいVRバーチャル・リアリティでもやってる気分だ)

 もちろん、まだここまでのVRなんて開発はされていないが、もし存在するとしたら、まさにこんな感じだろう。
 あごくだけた貴族の御曹司おんぞうしのまわりで、腰ぎんちゃくどもが騒いでいる。

「きっ!! 貴様ぁあああ!!!」

 数は五人か。
 この数なら何とかなる。そう思っているところが、いかにも三下の発想だ。
 俺は慣れた動きで三下どもの剣の動きを見切り、的確に鳩尾みぞおちに拳を沈めていく。たくみにフェイントをり交ぜながら、わざと緩急かんきゅうをつけた動きをしているので、奴らは俺の動きに全くついてこられない。

「がぁあああはああぁ」

 苦しまぎれに肺の中の空気を全て吐き出して、五人の三下どもは身動きすら取れずに床に転がった。もっと手ひどく痛めつけることも出来たが、まあいくら夢でもそこまでするのは後味あとあじが悪い。

「きゃあ!!」

 振り返ると、牢の入り口に清楚で可憐な少女が目を見開いて立っていた。
 月の光のような美しい銀髪に、少しうれいをびた瞳。もし世界一の美少女を決めるコンテストがあるなら、優勝候補になるに違いない。さっき大広間にいた少女、つまりはこの国の王女だ。
 だがロリコン属性のない俺にとっては、ただのぺったんこ娘以外の何者でもない。
 要するに、出るとこ出てる女が好みなんだよ、俺は。
 その両脇にいる二人の男女。長身で肩幅が広い男はおそらくこの国の国王で、少女と同じ銀色の髪をした美女は王妃に違いない。
 着ているものや装飾品など、夢にしては恐ろしいほどリアルである。

「貴公が異世界から来た勇者だな。私はアルドリア国王、ジームンド・ロイ・アルドリアだ」

 さすが、一国の主に相応ふさわしい威厳のある声だな。
 ただその表情に、少し疲れを感じるのは気のせいか?
 どうでもいいか、そんなことは。所詮しょせんは、俺の夢が作り出した存在にすぎないんだ。
 黙ったままでいる俺に隣の王妃が話しかけてきた。

「貴方がミルダの言っていた勇者なのですね。どうかこのアルドリアをお救いください!!」

 そう言って、俺の手をしっかりと握り締めた。

(ミルダ? 誰だそれは……。自分の夢なのに、展開に全然ついていけていないんだが)

 意味はよく分からないが、いきなり牢に入れられた割には歓迎されているらしい。しかし銀髪の美しい少女は、何やら少し怒った顔で俺の顔を見ると、ぷいっとそっぽを向いた。
 まあ、そりゃあそうだろう。
 ヒロインであるべき自分をまったく無視して、ほかの女にキスした男など願い下げだろうからな。

「国王陛下、私は認めませぬ。このような男が勇者の訳がありませぬ!!」

 美しい声だった。
 彼らの傍にいた女騎士が、俺の目を見て言い放った。
 そうだ。俺は王女や国王や王妃も気になったが、王女を守るように付き従う女騎士が目に留まってしょうがなかったんだ。
 輝くようなブロンドの女騎士。
 確か牢番ろうばんやさっきの優男やさおとこは、ルビアとか呼んでいたな。
 やはり、出るところがしっかり出ている女の迫力は違う。美しいながの瞳は、俺を射抜いぬくように睨んでいる。

「姫様を悲しませたつぐないは、その命でしてもらおうか!」

 悲しませた? それはちょっとオーバーな気がするが、まあ仕方ない。
 こっちはその女騎士の唇を盗んだセクハラの現行犯な訳だから、発言権はないだろう。
 女騎士は腰に差した細身の剣、レイピアを手にするとゆっくりその先を俺に向けた。まるで一流の芸術のような動きだった。

「私に敗れるようであれば、この国の勇者となる資格などありませぬ。陛下、よいですね?」

 女だてらに騎士団をたばねるこの女の言葉は、国王としても無視するわけにはいかないのだろう。顎に手を当てて少し考えるそぶりを見せてから、王は鷹揚おうように頷いた。

「よかろう、ルビアは我がアルドリア一の剣士。勇者殿にも異存いぞんはあるまい?」

 一体、どういう理屈でそうなるのかまったく分からないのだが……。
 まあ、この国一番の剣士だろうがなんだろうが相手は女だ。
 それに、どのゲームでもPVP(プレイヤーVSプレイヤー)で負け知らずだった俺が、NPCごときにやられるはずもない。

「好きな武器を言え、ぐに用意させる」

 美しいブロンドをきらめかせながら、俺を見つめる女騎士はそう言った。その目は、マジで俺を殺す気満々だ。
 面白い。

「いらねえよ、女相手に武器を使うようになったら俺もおしまいだぜ」

 レートが高いほど賭け事は盛り上がる。つまり、一番面白いのは自分の命を懸けてするゲームだ。俺の中のゲーマーとしての血が騒ぐ。

「後悔するなよ、私を女だとあなどったことをな!」

 女騎士がまばたきした瞬間、俺は一気にルビアのふところに飛び込んだ。
 俺はまるで自分自身がゲームキャラになったかのように体をコントロールする。ブロンドの髪から漂うほのかな薔薇ばらの香りが、俺の鼻腔をくすぐる。
 ルビアには、いきなり目の前に俺が現れたように見えただろう。

(悪いがもらったな!)

 その瞬間、美しい女の瞳が俺を射抜いた。

(やばい!!)

 ゲーマーの直感がささやく。
 ルビアのレイピアが俺に向かって突き出されるのが見えた。このまま俺が拳を放てば、カウンターで串刺しにされるだろう。かといって今さら攻撃をやめれば隙がしょうじるだけだ。
 俺は突き出すために一度引いた右腕が作り出す遠心力を利用して、クルリと反転する。
 その瞬間、俺の頬をルビアのレイピアがかすめた。

「なに!!」

 女騎士の美しい唇から声が漏れる。
 レイピアの一撃をかわしたのと同時に俺が放った鋭い後ろ回し蹴りが、ルビアのブロンドを大きくなびかせたからである。
 これは学生時代、俺がよく使っていた格闘ゲームのキャラクターの動きだ。自分が出した技を、途中でキャンセルするスキルキャンセル。そしてそこから別のスキルへのスキル連携れんけい
 これが出来る奴と出来ない奴で、この手のゲームの勝率は格段の差がつく。俺はそのまま、つむじ風のように回転し、ルビアとの距離をとって身構えた。

(ちっ、今の蹴りをかわすのか、この女!)

 頬に赤い筋が走っている。目の前の女の鋭い剣技によるものだ。

(マジか……)

 俺は完全に学生の頃のゲーマーに戻っていた。
 女騎士が瞬きをしたのは罠だ。相手を自分のふところに誘い込むためにわずかな隙を意図的に見せて、そこに相手が踏み込んだ瞬間に仕留しとめる。
 格闘ゲーム、いわゆる格ゲーでよくある手である。

「よくかわしたな」
「それはこっちのセリフだぜ」

 俺が驚いたのと同じように、ブロンドの美しい女騎士もレイピアを構え直して俺に対峙たいじする。そのレイピアの先であざやかに円を描くと、今度は目にも留まらぬほどの速さで俺に向かって踏み込んで来た。

(やばい!!)

 高速で繰り出されるレイピアの突きを、俺は俊敏しゅんびんな動きでかわしていく。
 しかしその凄まじい攻撃によって次第に俺は、牢の奥の方に追い詰められていった。
 俺が焦りを感じた次の瞬間、体がバランスを崩す。ついさっき倒して、床に転がっていた三下の一人につまずいたのだ。
 ブロンドの女騎士の瞳がほのかにくらい歓喜に揺れた。好機を逃さぬとばかりに、女騎士はすかさず下半身を沈め、必殺の突きを俺に放つ。
 肩に焼けるような熱さを感じた。左肩を、ルビアのレイピアに刺し貫かれたのだ。

「かはっ!!」

 だが床に血を吐いて倒れたのは、女騎士の方である。俺はかろうじてまだ倒れてはいなかった。
 相手を誘い込むのはルビアだけの専売特許せんばいとっきょではない。俺は三下の体に足を取られた振りをして、ルビアが俺にとどめを刺しに来る瞬間を狙っていたのだった。
 女がわずかにスピードを緩め、渾身こんしんの力を込めた一撃を放つ瞬間――。
 俺は女の鳩尾みぞおちに全力の拳を打ち込んだ。
 ところがそれが少しずれて、俺は美しい女騎士の柔らかい胸の感触を拳で味わいつつ、肩を貫かれていた。俺は自分の体が床に崩れ落ちるのを感じた。だが、先に倒れたのはあの女騎士だった。勝者は俺ということでいいだろう。
 古い言葉で言えば、肉を切らせて骨をつってやつだな。
 その時、俺の頭の中でファンファーレのような音楽が鳴り響いた。そして美しい女の声が聞こえてくる。

(勇者よ、異世界の勇者よ、貴方はレベルアップしました。ステータスを見ますか?)

 声色こわいろは疑問系の割に、有無うむを言わせぬ響きがある。ゲームで言えば、スキップボタンは何処にもない状態だ。

(見ますよね?)

 絶世の美女を連想させる声だが、人の話を聞く気はないらしい。
 女の声が、俺のステータスとやらを読み上げる。


 名前:春宮俊彦はるみやとしひこ
 Lv2
 職業:異世界から来た勇者
 クラス:マスター・オブ・ゲーム
 力:200
 知恵:1500
 素早さ:750
 体力:350
 器用さ:2200
 称号:異世界で最初にセクハラをした男、巨乳好き
 解放されし力:なし


(ちょっと待て! 称号の項目がひどすぎるんだが……)

 まあいい、どうせこれはただの夢だ。文句を言っても始まらない。
 俺はゆっくりと目を閉じる。
 ――とにかく長い夢だった。
 目が覚めた時にはすでに疲れ果てているのではないかと俺は自嘲気味じちょうぎみに笑う。やがて意識が混濁こんだくし、深い微睡まどろみの中にみ込まれていった。



   第二話 「現実」の世界


 すげえ肩が痛い……。
 俺は、ベッドから落ちた衝撃で目覚めた。
 やり込んだゲーム用のPCはほこりをかぶって久しい。大学時代は数々のネトゲにはまっていたものだった。しかし今ではその俺も立派な社会人として世のため、人のため……。
 まあ、基本的には金のために走り回っている有様ありさまだ。
 それが大人ってもんである。

(やばい、遅刻だぞこれ!!)

 役に立たない目覚まし時計を蹴り飛ばすと、俺は手櫛てぐしで手早く髪を整えた。それからわき目もふらず背広を着て家を飛び出す。
 俺は春宮俊彦、今年で二十四歳のサラリーマンだ。
 一流というよりは限りなく三流に近い二流大学を去年卒業して、今は可もなく不可もない程度の商社で営業をしている。商社なんて言えば聞こえはいいが、別に日本と海外を行き来するようなエリートではない。社長の好みで海外から仕入れたものをさばく単純な仕事だ。
 例えば、社長が気に入った海外ブランドの服を、若者が集まるセレクトショップの店長に売りこんだりと……。まあ、色々だ。
 俺は煙草たばこくわえ、火をともそうとした。そこではたと禁煙したことを思い出して苦笑いする。取引先の社長の奥さんに、「旦那一人では続かないから一緒に禁煙をしてくれ」と頼み込まれたのだった。
 俺は中古で買った愛車を走らせて、会社に向かう。会社に到着したのは始業の鐘が鳴るのとほぼ同時だった。俺は上司や同僚達にかんづかれないようさりげなく入り口の扉を開けた。
 ところが――。

「春宮くん!」

 聞き慣れた声の主が俺を睨んでいる。先輩社員の香織かおりさんだ。美人というよりは可愛らしい感じの人だが、仕事には厳しい。

「まったく、髭ぐらいって来なさいよ。営業はさわやかスマイルが大事なんだから!」
(この人、時々言うことが昭和だな)

 俺はそんなことを思いながら頭を下げる。
 それにしても、肩の痛みが酷い。あまりの痛さに意識が朦朧もうろうとしてきたが、まさかベッドから落ちて肩が痛いので帰らせてください、とは言えないのが大人の世界だ。
 しかしちょっと待ってくれ……。その理屈は分かるんだが、痛すぎてまともに立っていられなくなってきたぞ……。
 俺はフラフラと、先輩の香織さんの胸に顔をうずめるように体を預ける。

「春宮くん?」

 ああ、なんていい香りなんだ。まるで薔薇ばらの庭園にいるかのようだ。
 そんなぼんやりとした意識の中でふと顔を上げると、心配そうな香織さんの瞳と目が合ってしまった。柔らかいその胸の中に身を埋めていると、不思議と痛みが引いていくように感じた。
 ところが、その香織さんの顔が薄く白い光のようなものでかすんでいき、ついには空気に溶けて消えてしまう。


 俺はそこで目が覚めた。
 ん?
 目が覚めた……?
 ここは何処だ?
 いや……。
 それよりも、これはなんだ?
 何とも心地の好い弾力が、俺の顔を押し潰している。薔薇ばらの香りはここからするようだ。とりあえず触ってみよう。
 ムニュムニュ……。
 は! ……この弾力は……。
 間違いない。これはまごうことなき天然の……巨乳だ!

「ふふっ、意外と大胆なのね、異世界から来た勇者は」

 巨乳の上についている女の顔が俺を見て笑った。
 うむ! この笑顔は「セクハラOK!」という笑顔だ。
 それでは、お言葉に甘えて……。
 ムニュムニュムニュ……。
 いや、何をしてるんだ俺は。
 寝ぼけまなこをこすりながら、俺はあらためてじっくり辺りを見渡す。すると、どうやら自分は白く立派な天蓋てんがいつきのベッドに寝かされていた。
 しかも、その俺の胸の上には、どうしたわけか美女が乗っていた。
 燃えるように赤いロングヘアと、ゴールドに近いアンバーの瞳。そして、挑発的な唇。
 酒癖は悪い方だが、こんないい女をひっぱりこんだ覚えはない。

(ちょっと待てよ、この女……。やっぱり、まだ俺は夢を見てるのか?)

 美しい髪の間から見える長い耳は、まるでファンタジー映画に登場するエルフを彷彿ほうふつさせる。

「悪いけど一つ聞いてもいいかな。……あんた、誰だ?」

 女は、俺の言葉に少しすねたような顔をした。

「酷いわ。あんなことや、こんなことまでしてあげたのに。私のことを忘れるなんて!」

 俺の肩に口付けをしながら、女は妖艶ようえんな瞳で俺を見ている。
 それにしても、でかい……。暴力的な胸が、俺の腹の上で暴れている。

「ミルダお姉様!!」

 突然の大きな声が、夢うつつの狭間はざまを漂っていた俺の意識をようやく覚醒かくせいさせた。
 美しい銀色の髪に青く澄んだ瞳。そこらへんのアイドルが、束になっても勝ち目がないような可憐な美貌の少女が、顔を真っ赤にして俺を睨んでいる。さっきまで、俺が見ていた夢の中に出てきた王女である。
 その胸は、残念ながらやはり発展途上にあるらしく、まな板レベルを抜け出ていない。
 ミルダは王女を見ると、少しからかう口調で言った。

「あらぁ、リーアが『勇者様が死んじゃう! 何とかして! お願い、お姉様!』って泣くんですもの。ですから、私が看病してあげたのよ」
「なっ!! 泣いてませんわ!!」

 少女はムキになって否定してから、少し怒ったような目でもう一度俺を睨みつける。

「ふ、ふしだらです!! ルビアにキスをしたり、ミルダお姉様の体に触ったり!!!」

 いやいや、ちょっと待ってくれ。先に触られたのは俺の方だぞ。

「ふふっ、からかいすぎましたわね。私はミルダ・リューゼリア。宮廷の魔道騎士の団長を務めておりますの。この耳を見ればお分かりかもしれませんが、私はハーフエルフですわ」
(ハーフエルフということは、人間とエルフの混血か……)

 赤い髪の美女は、王女の横に立って俺を見ている。だが気になるのは、王女が彼女をお姉様と呼んでいる点だ。
 王女は何処から見ても人間である。国王のジームンドも、王妃も人間だった。つまり、国王がどこかの美人のエルフとの間に、腹違いの子供を作ったってことだろう。王女ではないところからして何か事情があるようだ。
 あの国王、クソ真面目に見えたが、やることはやっている訳だな。

「命に別状はないと思ったのですけれど、リーアがあまりに貴方を心配するので、回復魔法をかけて差し上げたのです。ほら、先ほどの口付けで、肩の傷もすっかりえたはずですわ」

 そういえば、確かに痛みはもうない。充分な睡眠をとった後のように体もかろやかだ。
 ようやく俺は確信した。これは夢ではない、と。
 夢にしてはあまりにもリアルすぎる。あの胸の感触が夢ならば、現実世界こそ、夢だと言えるだろう。
 それでもやはり念のため、俺はベットの側に立っている美しい赤毛の女の胸にもう一度タッチした。何とも肉感的な感触が、俺の手のひらに伝わってくる。

(うむ、これは現実だ。間違いない!)

 その時、俺の頭の丁度真後ろから声が聞こえた。

「姫様、やはりこいつは殺しましょう。こんな男が勇者のはずがありません」

 振り返ると、氷のように冷たい目が俺を見据みすえている。
 例のブロンドの女騎士だ。

(落ち着け俺……。もしこれが現実だとしたら)

 いや、たいしたことはない。……落ち着くんだ。もう一度よく今までの経緯を振り返ってみよう。
 まず俺は何らかの方法で、いつもの喫茶店の入り口を通って、この世界にやって来た……。
 まあ、そこまではいい。
 その後、この国の国王やら王妃やら王女やらそのほかもろもろのおえらいさんの前で、この金髪の綺麗なお姉ちゃんにブチュッっとかました訳だ!
 王女の挨拶をまったく無視して…………。
 そりゃあ牢屋にぶち込まれるわ。俺が国王なら、二度とこんな狂犬を野に放ったりはしない。


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