追放王子の英雄紋! 追い出された元第六王子は、実は史上最強の英雄でした

雪華慧太

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4巻

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 1 雷神らいじん


 俺の名前はレオン。
 辺境の小国バルファレストの第六王子として生まれた。
 だが母が平民であったことで、腹違いの兄たちからことあるごとに嫌がらせを受けていた。
 そして、父である国王が亡くなった後、あろうことか新しい王となった長兄のミハエルや他の兄たちからその命さえも狙われる。
 兵士たちに囲まれ、絶体絶命の状況の中、俺の右手に輝き始めたのは真紅しんく英雄紋えいゆうもん
 そう、連中は知るよしもなかったが、俺は二千年前に最強と呼ばれていた四英雄の一人、獅子王ししおうジークの生まれ変わりだったのだ。
 無慈悲むじひ性悪しょうわるな兄たちを完膚かんぷなきまでに打ちのめした俺は、かつての仲間を探すために、相棒である精霊フレアとシルフィと一緒に大国アルファリシアへと旅に出た。
 そこで出会ったハーフエルフのシスターのティアナや、元翼人よくじんの聖騎士ロザミアと冒険者パーティを組んでとある依頼を受けたことで、人と魔を融合ゆうごうする闇の禁呪きんじゅ人魔錬成じんまれんせいを使う術師と対決することに。
 その結果、大国の女将軍ミネルバや剣聖けんせいの娘レイア、そして王女オリビアの目に留まり、王宮に招待しょうたいされた。
 オリビアの護衛騎士として、王太子クラウス主催の舞踏会ぶとうかいに参加した俺は、そこでの活躍によって、特級名誉騎士の称号を得た。そして、国王ゼキレオスに謁見えっけんすることになる。
 ゼキレオスとの話の中、大国アルファリシアに伝わる秘密が明かされる。それはアルファリシア王家の人間には四英雄の血が流れているというものだった。
 そして、その秘密の鍵を握る、王宮の地下に存在する巨大な神殿。俺はそこで、思いがけない人物と再会した。
 そう、かつての友であり俺と同じ四英雄の一人、雷神エルフィウスと呼ばれた男と。


 俺は改めてエルフィウスを見つめた。
 この国の三大将軍の一人、黄金の騎士シリウスの仮面の下に隠された真実――無敵と呼ばれた男の正体を。
 そして問いただす。

「エルフィウス、俺はここで死ぬつもりはない。何故お前が俺に剣を向けるのか、そしてこの神殿の扉の奥には一体何があるのか、お前には全てを話してもらうぞ」

 対峙たいじする俺とエルフィウスを見て、オリビアが声を上げた。

「あの赤い髪、それにあの姿、壁画に描かれた獅子王ジークそのものだわ。あれがレオンの本当の姿……」

 彼女の言う通り、俺は呪いを解き、本来の姿を取り戻していた。

「なんという力だ。ここからでもその闘気とうきの強さが分かる。だが、レオンの前に立つあの男の力も尋常じんじょうではない。まさか、シリウスの仮面の奥にこのような秘密があろうとは。あれが雷神エルフィウス、恐るべき力を持った男だ。伝説の四英雄同士が戦うというのか? 一体何故だ!」

 ゼキレオスのうめきが、聖堂の中に低く響く。
 彼の困惑は当然だろう。国王として信頼を置いていた男の正体を、今初めて知ったのだろうから。
 そして、四英雄の血脈を受け継ぎ、この地下神殿を守ってきた歴代の王の一人としては受け入れがたい現実に違いない。
 それは俺も同じだ。
 かつて自分たちを裏切ったとではなく、まさかエルフィウスと剣を交えることになるとはな。
 俺の言葉にエルフィウスは静かに答える。

「言ったはずだぞジーク。お前がその扉の奥に進むことはない。この俺を倒さぬ限りな」
「何故だエルフィウス! 何故、俺とお前が戦う必要がある!?」

 俺と同じ、英雄紋と呼ばれる紋章を持つ四英雄の一人。そしてかつては共に戦った仲間だ。
 雷神と恐れられた男の剣が強烈な雷を帯びていく。

「ここで死ぬお前が、それを知る必要などない」

 有無を言わせぬエルフィウスの眼差しに、俺は剣を握る手に力を込めた。
 大国アルファリシアの地下深くに存在するこの神殿。
 その巨大な大聖堂の壁には、かつての俺たち四人の姿が描かれている。
 一体誰がこんなものを作ったのか。
 そして、その聖堂の奥へと続くであろう巨大な扉の先には一体何が……
 俺にはそれを知る義務がある。
 二千年前、俺たちが同じ四英雄の一人であるあの男、レディンの裏切りによって命を落とした後、この世界に何があったのか。
 そして、それが、人狼の女王が言っていたことに何か関係しているとしたら。
 脳裏にティアナやロザミア、そして無邪気に笑うチビ助たちの顔が浮かんでくる。
 俺が守るべき者たちの姿が。

「どうやら、これ以上の問答は無用のようだな」

 雷神エルフィウスの前で迷いを見せれば、待っているのは死だけだ。
 いにしえの時代、共に四英雄と呼ばれた俺だからこそ、目の前にいるこの男の強さをよく知っている。
 エルフィウスの右手の紋章が、青白い雷をまとってバチバチと音を立てていた。

「レオン! 気を付けて、この殺気は本物よ!!」
「ああ、フレア」

 俺の相棒の一人であるフレア。今の彼女の姿は精霊ではなく、二千年前に土地神であった時のものだ。鬼の血を引く彼女が身構えると、ひたいの角に、今までにない神通力じんつうりきが宿っていく。
 フレアも、そして彼女の中にいる母――ほむらも、俺たちの前に立ち塞がる男の放つ殺気を危険だと感じている証拠だろう。
 それに相手はエルフィウスだけではない。
 巨大な地下の大聖堂の天井付近に現れた、一匹の獣。
 その瞳が俺たちを睥睨へいげいしている。
 麒麟きりんオベルティアス。神獣と呼ばれるほどの力を持つ、エルフィウスの使い魔だ。
 オリビアやゼキレオスを守るように立つもう一人の相棒――シルフィが、オベルティアスを見上げて叫ぶ。

「オベルティアス、貴方まで! 本気なの!?」

 シルフィにとっても、エルフィウスやオベルティアスはかつて共に戦った仲間だ。
 こうして戦うことになるとは夢にも思っていなかっただろう。
 そんなシルフィにオベルティアスは答える。

「我が主が決めたこと。ならば是非もない」

 エルフィウスの仮面が割れた直後に、俺たちの頭上から凄まじい雷を降り注がせた時のように、オベルティアスの体に再び強烈な力が宿っていく。
 そして同時に、巨大な魔法陣がエルフィウスを中心に描かれる。
 凄まじい力とは対照的に、術者であるエルフィウスは静かに目を閉じた。
 それを見てシルフィが叫ぶ。

「まさかこれは……オリビア! ゼキレオス!! 下がってて、巻き込まれるわよ」
「きゃぁあああ!!」
「いかん! リヴィ!!」

 魔法陣が激しい稲光いなびかりを生み出した。思わず声を上げる娘のリヴィ――オリビアを抱きかかえて、騎士王ゼキレオスは後ろへと下がる。

「なんという力だ! これが雷神の力なのか!?」
雷化天翔らいかてんしょう。雷を帯びた闘気を限界まで高め、己の体の中で圧縮し、それを解放した瞬間、自らが雷と化し爆発的な力を得る。エルフィウスの奥義おうぎの一つよ」

 シルフィの言葉通り、描かれた魔法陣は瞬時に圧縮され、その凝縮された力はエルフィウスの体に宿っている。
 今は静かに閉じられているこの男の目が再び開いた時、その力は解放されるだろう。
 下手に動けば命はない。
 俺はエルフィウスを見つめながら剣を構えた。そしてフレアに言う。

「フレア、お前はシルフィと一緒にオベルティアスを頼む」
「レオン! でも……」

 凄まじい力を放っているエルフィウスを見て、フレアの瞳が不安げに揺れた。

「約束しただろう、フレア。俺たちは必ず家族のところに帰るってな」

 ティアナやロザミア、それにチビ助たち。俺たちの新しい家族だ。
 二千年経って、世界の何もかもが変わっていた。
 それでも、俺たちにはまた帰りたいと思える場所が出来たんだからな。
 フレアは静かに頷くと微笑んだ。

「分かったわ。レオン、貴方を信じてる。死んだりなんかしたら承知しないから!」
「ああ、フレア」

 決意に満ちたフレアの声が聞こえたのと同時に、エルフィウスの凝縮した雷の闘気が臨界点を超える。
 俺も己の闘気を限界まで高めると、剣を構えた。

「おぉおおおおおお!! 倒魔流奥義、紅蓮纏刃ぐれんてんじん!」

 アスカたちヤマトの職人が鍛え上げた見事な剣が真紅に輝き、凝縮された俺の闘気が刀身に紅蓮の炎を纏わせていく。
 エルフィウスの技を受けるには、普通の剣では到底無理だ。
 刃こぼれするどころか、雷化した剣を受けることすら出来ないだろう。
 同じ四英雄、さらには奥義をもって戦わなければ、わずかな時間でさえ生き残ることは出来ない相手だ。
 その瞬間、オリビアが叫んだ。

「お父様! 壁に描かれたレオンの姿を見て! 絵の中の紋章も輝いているわ!!」
「こ、これは……」

 オリビアの言う通りだ。
 大聖堂の壁に描かれた転生前の俺の姿、その手の紋章も強烈な光を帯びている。
 そして、壁画へきがのエルフィウスの紋章も輝きを放っていた。

「どうなっているのだ!? 一体何が……」

 ゼキレオスの声が辺りに響く。
 俺たちがやってくるのを、まるで遥か古から待っていたかのように光を放つ、壁画に描かれた紋章。同時に、俺たちの右手の英雄紋もまた輝く。
 そして、光は極限に達した。
 やはりこの神殿には、何か隠された秘密がある。
 それを知るためには、ここで死ぬわけにはいかない。

「来い、エルフィウス!」

 その刹那せつな──
 エルフィウスの閉じられていた目が見開かれた。

「ゆくぞ、ジーク! 倒魔流奥義、雷化天翔!!」

 それはまさに天翔あまかける雷、あの人狼の女王さえ遠く及ばない速さだ。
 雷神と呼ばれる男は人型の稲光と化して姿を消すと、一瞬にして俺の目の前に迫っていた。

「おおおおおおおお!!」

 雷化したエルフィウスの剣と、紅蓮の炎を纏った俺の剣が激突する。
 衝撃波が聖堂を震わせ、俺の剣が放つ火炎が渦を巻いてエルフィウスの視界を奪った。

「レオン!!」

 まるで意思を持った雷が俺を襲ったかのような光景に、オリビアが悲鳴にも似た叫び声を上げるのが聞こえる。
 だが、その時にはもう、俺はオリビアが見つめている場所にはいなかった。
 オベルティアスが叫ぶ。

「主よ、上だ!!」

 雷神の一撃を受け止めた後、俺は神殿の床を蹴ってエルフィウスの頭上高くにいた。
 神獣オベルティアスのすぐ横だ。
 まさか、使い魔である自分のすぐ傍に、俺が向かってくるとは思わなかったのだろう。きょかれながらも主に危険を伝えるオベルティアスの左右には、その一瞬の間に二つの影が現れていた。

「どこを見ているの? 貴方の相手は私たちよ!」
「ええ、フレア!」

 オベルティアスの傍に現れたのはフレアとシルフィだ。
 白く大きな狼の姿に変化しているシルフィの鋭い牙が、オベルティアスの喉元へと迫る。

「おのれ!!」

 狼狽うろたえながらも、神速とも言える動きでシルフィの一撃をかわした神獣の背後に、強烈な力を帯びた炎が湧き上がる。
 そこにいるのは炎の薙刀なぎなたを構えたフレアだ。
 フレアを守るように後ろに立っている炎の人影、ほむらの両手が天にかざされ、そこから溢れる炎が、神殿の天井に大きな魔法陣を描いていた。
 その紅の魔法陣がフレアに強大な力を与えているのを感じる。

「はぁああああ!!」

 凄まじい力を秘めた炎を纏った薙刀が、鮮やかに突きを放ち、それがオベルティアスの首筋に傷をつけた。

「ぐぅうううう!!」

 オベルティアスは驚きの眼差しでフレアを眺めている。

「この炎は一体……高位精霊とはいえ、まさか神獣であるこの我の体に傷をつけるとは……」

 神獣と言えば、精霊をも超える神に近しい存在だ。
 ましてやエルフィウスと共に、神速をもって多くの魔を倒してきた麒麟オベルティアスにとって、自らが傷を負うことなど信じられないに違いない。

鬼神霊装きしんれいそうヒノカグツチ! ヤマトの古の神の力を宿したこの炎。ほむらの、私のお母さんの最強の技よ!!」

 同時にシルフィが俺に向かって叫んだ。

「レオン、今よ! 貴方はエルフィウスを!」
「ああ、シルフィ!!」

 オベルティアスが一瞬ひるんだおかげで、エルフィウスに力を与えている雷の魔法陣に揺らぎが生じているのが見えた。
 俺は天井を蹴り、一直線にエルフィウスへと向かう。
 生じた揺らぎがエルフィウスの奥義である雷化天翔を解き、その実体が地上にあらわになっている。
 勝負を決するなら今だ。

「神獣である我をめるなよ!」

 オベルティアスの怒りにも似た声が背後に響く。
 強烈な雷が後ろからこちらに向かってくるのが分かる。

「きゃぁああああ!!」
「レオン!!」

 叫び声を上げるフレアとシルフィ。
 オベルティアスの雷撃の余波だろう、二人が神殿の壁に向かって吹き飛ばされていくのが見えた。
 こちらに向かって放たれた雷撃は、俺の体からはれて地上に激突する。
 そう、俺ではなくエルフィウスに。
 オベルティアスの雷撃は外れたのではない。初めから俺を狙ったものではなく、エルフィウスに放たれたものだ。
 そのエネルギーが、エルフィウスを中心に新たな魔法陣を描いていく。
 しかも、それは先程よりも強い力を宿していた。
 エルフィウスは揺るがずに俺を見上げている。そして静かに口を開いた。

「雷神の瞳、開眼!」

 再び雷と化していくエルフィウスの瞳には、魔法陣が描かれている。
 奴が極限まで力を高めた時に現れる、雷神の瞳と呼ばれる魔眼だ。
 俺の両手の紋章が一際ひときわ輝きを増した。

「おぉおおおおおおおお!!」

 エルフィウスが再び雷化する前に決着をつける。それには、その前に紅蓮の炎を纏った剣を振るうしかない。
 だが、俺の剣がエルフィウスを捉えたと思った刹那、奴の体がその場から消えた。
 一撃を加えるために魔法陣の中央に降り立った俺を残して、エルフィウスの体は雷化し、六つの雷に分かれると、魔法陣のふちへと瞬時に移動する。
 その次の瞬間──
 六人の雷神は剣を構え、俺のすぐ傍にいた。

「死んでもらうぞジーク。倒魔流秘奥義、六星死天翔ろくせいしてんしょう!!」

 秘奥義の名に相応ふさわしく、同じ四英雄である俺さえも知らない技だ。
 こちらに死を告げるかのように、魔法陣の六つの端が星のように輝いている。
 そして、雷化した六人のエルフィウスの剣が、魔法陣の中央に立つ俺の体を一斉に貫いていた。
 その姿を見たオリビアの悲鳴が神殿の中に響いた。

「レオン! レオォオオオオン!! いやぁあああああああ!!!」

 ゼキレオスは泣きじゃくる娘の体をしっかりと抱きしめる。
 オリビアはそんな父王を振り払って、こちらに手を伸ばした。

「お父様放して! レオンが……レオンが!!」

 だが、その瞬間、エルフィウスの目が大きく見開かれた。

「まさか……その瞳は」

 俺の瞳にも魔法陣が描かれているのを、奴は見たのだろう。
 獅子王の瞳。雷神の瞳を開いた奴に対抗するにはこれしかない。
 神殿の天井には、俺が先程こちらに向かってくる時に描き始めた魔法陣が、大きく広がっていく。
 同時に、エルフィウスが貫いているはずの俺の体が揺らめき、その剣先からずれる。

「倒魔流秘奥義、陽炎かげろう。エルフィウス、お前に俺が知らない技があるように、俺にもお前が知らない技がある」

 エルフィウスが貫いたのは、俺の体であってそうではない。
 炎のように激しい闘気が空間に揺らぎを作り出し、相手の攻撃を別次元に逸らす。
 オリビアに俺が貫かれたと見えたように、エルフィウスでさえ俺を仕留めたと錯覚さっかくしただろう。
 空間をゆがめるほどの術式でなければ、雷神と呼ばれる男の目をくらますことなど、出来はしないからな。
 強烈な力を一瞬にして使い果たしたエルフィウスの雷化が解けて、実体化するのが見えた。
 六人の雷神が重なって一つになっていく。
 そして俺の陽炎の揺らめきも消えていった。

「ジーク……まさか、わざと俺に秘技を使わせたのか? 雷化を完全に解かせるために」
「ああ、お前が俺を仕留めるチャンスを逃すはずがない。俺を本当に殺したいのならば、持てる力の全てを使い、倒しに来るに違いないからな」

 相手が相手だ。
 肉を切らせて骨を断つぐらいの方法でなければ、その力を使い切らせることなど出来なかっただろう。
 それには、俺自身をおとりに使うのが最適だったからな。
 雷化したエルフィウスと戦うことも考えたが、四英雄同士、力と力で正面からぶつかれば本当にどちらかが死ぬしかない戦いになる。
 それを避けるための策だったが、この男相手には二度と使えない技だ。
 一度そのタイミングを見極められれば、死ぬのはこちらになるからだ。

「さあ、答えてもらうぞ。何故お前が俺の行く手をはばむのかをな」

 膨大な力を使い切ったエルフィウスの紋章の輝きが弱まっている。
 頭上にいるオベルティアスの力も同様だ。先程の雷撃で、エルフィウスに持てる力のほとんどをたくしたからだろう。
 壁に飛ばされたシルフィとフレアが、オベルティアスを封じるように左右で身構えている。
 もう勝敗が決していることは明らかだ。
 エルフィウスは俺を見つめている。それはやはりかつての友の瞳だ。

「……甘い男だ。二千年経った今でもな」
「甘いのはお前だ、エルフィウス。俺を仕留めるその瞬間、僅かだがお前の剣先が鈍るのを確かに感じた」

 俺の言葉に、エルフィウスは何かを言いたそうにその唇を開く。
 だが、次の瞬間、首を横に振ると距離を取り、再び剣を構えた。

「エルフィウス! もうやめろ、決着がついたことはお前も分かっているはずだ」
「ジーク、お前も言ったはずだぞ。もはや問答は無用だとな!」

 一気に距離を詰めて上段から振り下ろされるエルフィウスの剣を、俺は渾身こんしんの力をもって弾き返す。
 雷化が解けていると言っても、力を加減して倒せる相手ではない。


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