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1巻
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2 冒険者ギルド
二千年前、俺と仲間たちは、四英雄と呼ばれていた。
この世界に生まれてきた後、ずっと疑問に思っていることがある。
転生したのは、俺だけなのか? ということだ。
裏切者の『あいつ』以外の、俺にとってかけがえのない二人の仲間。
仲間の名は、青く輝く水の紋章を持ち水の女神と呼ばれたエルフのアクアリーテ、そして雷の紋章を持ち雷神の異名をとるエルフィウス。
炎の紋章を持ち、獅子王ジークと呼ばれていた俺と同様、『倒魔人』の中でも最高の腕を持っていた連中だ。
俺は辺境の国で大人しく暮らしながらも、二人が俺と同じようにこの時代に転生していないかずっと調べていた。
それには王子であることは都合が良かったんだが……今更言ってもしょうがない。
まぁ父が亡くなった今、王宮で俺が自由に情報を集めることなど出来なかっただろう。
ともかく、二千年前の俺たちはあの時、仲間の裏切りによって死んだ。
条件は同じだから、皆もこの時代に転生しているかもしれない。
俺と同じように、かつての力を取り戻していてもおかしくないはずだ。
そんな淡い期待を持って十五年間捜し続けたが、それらしい人物の噂は聞かなかった。
だが、あいつらのことだ。
力を隠している可能性もあるだろう。
もし、生きているなら、やはり会ってみたいものだ。
それに……俺たちを裏切った『あいつ』は一体どうなったのか。
俺と仲間の二人は死ぬ前に、最後の力を振り絞って奴に深手を負わせた。
あの傷がもとで死んだのか、それとも……
二千年の時が過ぎた今では、知る由もない。
昔のことを思い出していたその時――
俺の耳元で声がした。
「ねえ、レオン。あそこじゃない? ほら、冒険者ギルドって書いてあるわよ」
俺の肩の上に座っているフレアの声にハッとする。
フレアの良く通る声で、すっかり現実に呼び戻された。
俺はフレアが指さす方を見る。
「冒険者ギルド、アルファリシア王国アデュレーヌ支社。ああ、間違いないな」
アデュレーヌに来たのはまだ二回目、しかも前回は父と共に来ていたので、あまり探索は出来ておらず、どこに何があるのか分からない。
目的地の冒険者ギルドが見つかって俺はホッと一息ついた。
ちなみに、シルフィはアデュレーヌに到着した当初こそ物珍しそうにしていたが、退屈したのか今は姿を消している。
気まぐれな風の精霊のシルフィらしいな。
一方で、好奇心が強いフレアはまた俺の肩にいるってわけだ。
「でもレオン。どうして冒険者なんてやるの?」
「ん? 金を稼がないと暮らしていけないからな。冒険者なら手っ取り早そうだ」
もう王子もやめちまったし……というか連中に追放されたから、続けようと思っても無理だったんだけど。
それに、冒険者であれば、色々な噂話も耳に入ってくるだろう。
それこそ、俺が捜している昔の仲間たちの噂だってあるかもしれない。
まあ、淡い期待に過ぎないけどな。
だが、せっかく城を出たんだ。今までとは違う方法で捜してみるのも悪くない。
「ふぅ~ん、人間て変なの」
フレアはそう言って首を傾げた。
冒険者ギルドに近づくと、他の冒険者たちが出入りする姿が見えた。
「おい、あれ精霊だぜ! ってことはあいつ精霊使いか? まだガキじゃねえかよ」
「ほんとね。ふふ、中々可愛い顔をした坊やじゃない」
建物から出てきたばかりの連中が、俺の肩にいるフレアを見てそんな言葉を交わしていた。
こちらに関心を持っているみたいだが……
俺はフレアに顔を向ける。
「フレア、ちょっと休んでてくれよ。最初からあんまり目立ちたくないからな」
フレアは俺の言葉に少し頬を膨らませると、腰に手を当てて仕方ないわねと肩をすくめてみせた。
「いいけど……私たち精霊なんていなくても、レオンは強いんだから、結局目立つわよ」
「まあ、そう言うなって。フレアは可愛いから余計目立つしさ」
俺の言葉にフレアの目が輝く。
ものは言いようだな。
「え~! やっぱり? ふふ、仕方ないわね。レオンがそう言うなら、しばらく休んでるわ」
そう言って姿を消すフレア。
「さて、それじゃあ行くか」
冒険者ギルドの扉を開ける。
中は結構広い。
いかにも冒険者といった連中が、依頼の貼ってある掲示板を眺めたり、ギルドの奥に用意されたいくつかのテーブルに座ってパーティごとに話をしていたりする姿も見えた。
とりあえず、ギルドに登録しないとな。
俺がキョロキョロしながら受付に近づくと、カウンターの向こうに座るお姉さんが声をかけてきた。
栗色の髪の、綺麗なお姉さんだ。
年齢は十八歳ぐらいだろうか?
「あら、見慣れない方ですわね。このギルドは初めてですか?」
その気さくな笑顔に、俺も思わず笑みを浮かべる。
「ええ、冒険者ギルドに登録したいんです」
お姉さんは頷いて、登録の手続きを始めてくれた。
その途中、俺は質問される。
「ランクは最も低いEランクから始めますか? それともランク決めのテストをして、それに応じたランクにされますか?」
どうやらお姉さんの話では、冒険者のランクは最高がSSSランク、そしてSSランク、Sランクときて、その下はA~Eランクになっているそうだ。
Aランク以上は余程の腕と実績がないと無理だという。
Sランク以上となると、それ以上の実力なのだが、国からの特殊な任務を請け負うことが多いためギルドには滅多に顔を出さないそうだ。
SSSランクに至っては、この国の勇者や英雄に匹敵する力の持ち主らしい。
俺が頷いていると、お姉さんが説明を続けてくれる。
「テストで与えられる最高位はBランクです。それ以降は実績を積めばAランクやSランク以上になれる方もいますが、それは本当に一握りの方ですね」
「なるほど、そうなんですね」
どうしようかな。
Eランクは流石に受けられる仕事が限られていそうだし、ランクを上げていくのも面倒だから、テストを受けてみるか?
それに今は、とりあえずまとまった金が欲しい。
宿に泊まるにしても食事をするにしても、金は必要だからな。
あんなふうに城を出てきたから、財産らしい財産なんか持ち出せていないのだ。
俺が考えていた時、ギルドホールに誰かの怒鳴り声が響いた。
「てめえ! それじゃあ何だ、俺が嘘をついたとでも言いたいのか?」
そのどら声は後ろから聞こえてきた。
振り向くと、受付からほど近いテーブルでパーティが揉めている。
リーダーと思しき大男が、怯えたように見上げている一人の少女に凄んでいた。
男の方は馬鹿デカく、いかにも屈強に見える。
少女の方は小柄で可愛らしく、少し気が弱そうな感じの美少女で、髪は美しいブロンドである。
まるでシスターのような白いローブを着て杖を持っているのを見るかぎり、パーティの回復役みたいだな。
しかし何より特徴的なのは、長い耳だった。
ハーフエルフだろうか?
俺が知る限り、今も昔も純粋なエルフは滅多に人前に現れない。
一方、ハーフエルフは人間の町で生活をしていることがある。
もっとも、親に捨てられて孤児になったり、その美しい外見故に奴隷商人に売られたりと、訳アリの者が多い。
そもそもハーフエルフ自体が、エルフからも人間からも疎まれている存在だからな。
エルフから見れば人と交わった末に生まれた異端の者だし、人間にしてみれば、ハーフエルフの一部が持つ強い魔法適性は恐ろしいものだ。
そのため、どこにいても厄介者扱いされてしまうのだ。
あの少女は、見た感じ俺よりも少し年下の、十三、四歳ぐらいってところか。
冒険者にしては若いな。
そんな彼女は、男の剣幕に半べそをかいていた。
「こ、困るんです……今日中にどうしても金貨が一枚必要なんです。その為にこの一週間頑張ったんです。仕事が終わったらくれるって約束したじゃないですか!」
やめておけばいいのに、ハーフエルフの少女は目に涙を浮かべながら必死に食い下がっている。
何か事情でもあるのだろうが、俺には関係のない話だ。
「エルフでも人でもない、汚れた血を持つハーフエルフをパーティに加えてやったんだ。銀貨一枚でも貰えたことを感謝するんだな! 新しいヒーラーも見つかったんだ。目障りなんだよ、さっさと消えな!!」
それにしても、金貨一枚の約束が銀貨一枚かよ。
約束の十分の一とは酷い話だ。
喚きながら、大男はデカい手で少女の頭を叩こうとする。
その瞬間――
男は目を見開いた。
「何!?」
俺の手が、少女を叩こうとした男の腕を掴んでいたからだ。
「それぐらいでやめとけよ。あんたのデカい声の方がよっぽどうっとうしいぜ」
そんな俺の言葉に、テーブルに座ってニヤけていた男の仲間たちが、一斉に立ち上がった。
「て、てめえ! 一体いつの間に!?」
「おい!」
「何者だてめえ……」
俺に腕を握られている大男が、血走った目で俺を見下ろしている。
「まだガキじゃねえか? この手は何のつもりだ、痛い目に遭いてえのかよ!」
俺はふうと溜め息をついた。
口を挟むつもりはなかったが、汚れた血だの目障りだの、ついミハエルたちのことを思い出しちまったからな。
どこにでもこういう奴らはいるものだ。
この手の奴らは、弱い者を徹底的にイジメ抜く。
俺は男の言葉を無視して、ハーフエルフの少女に言葉をかける。
「行こうぜ。こんな連中と話し合ったところで、どうにもならないだろう?」
「で、でも……私、どうしても今日中に金貨が一枚必要なんです!」
少女の目尻には涙が浮かんでいて、今にも零れそうだ。
どうあっても必要な金だということが伝わってくる。
俺は男の手を放して頭を掻いた。
ちっ……
「分かった分かった、俺が何とかしてやるよ」
まったく、俺もとんだお節介焼きだな。
「本当ですか!?」
初めて会った奴にこんなことを言われて信じるのはどうかしていると思うが、それほど切迫した事情があるのだろう。
少女は大きな瞳で嬉しそうに俺を見つめている。
そんな俺たちの会話を聞いて、大笑いをする大男と仲間たち。
「聞いたかよ、こんなガキが金貨一枚すぐに何とか出来るわけねえだろうが?」
「格好つけやがって、笑えるぜ」
「それよりも、詫びを入れてもらおうか? 今なら床に頭をこすりつけて謝れば許してやらねえこともねえぜ。なあ、ガルフの兄貴」
どうやらこの大男はガルフという名前らしい。
ガルフは俺を見下ろしながら言った。
「ぐへへ、ティアナ、そんなに金貨が欲しいなら、もっといい商売を紹介してやるぜ」
とことん悪趣味な連中だ。
その時、受付のお姉さんが、さりげなく割って入ってきた。
「レオンさん、ギルド登録の手続きの途中ですよ。ランク決めのテストをするならその説明もさせてもらいます、行きましょう」
そう言ってそっと俺に耳打ちをする。
「相手にしない方がいいですよ。ああ見えてあの連中はBランクです。リーダー格のガルフは来週にはAランクになる予定ですし」
優しいお姉さんだ。
さりげなく俺に忠告してくれている。
しかし、ギルドへの手続き中と聞いて、ガルフがニヤリと笑って俺に言った。
「面白れぇ、てめえのテストの相手はこの俺様がやってやるよ。ランク決めのテストは、Bランク以上の冒険者との模擬戦で決めるのがギルドの鉄則だ。俺はじきにAランクになる男だぜ、構わねえよな? ニーナ」
「それはそうですが、そちらからの申し出となると、本人の了承が必要です」
受付のお姉さん――ニーナさんは俺を見て、挑発に乗っては駄目ですよと言いたげに首を横に振っている。
ハーフエルフの少女も、心配そうに俺を見つめていた。
俺は再度溜め息をつきながら男を見上げる。
どうやら模擬戦にかこつけて、俺を痛めつけたいらしい。
この手の連中が考えそうなことだ。
登録に来たのが普通の新人ならビビるところなんだろうが――
「いいさ、俺はそれで構わない。どこでやるのか知らないが、とっとと始めようぜ」
「とっとと始めようだと? 馬鹿が、調子に乗りやがって」
嘲笑いながら俺を見下ろすガルフ。
この街に慣れるまでは大人しくしているつもりだったが、ここまできたらもう今更だ。
俺はガルフに一つ提案をした。
「なあ、どうせ模擬戦をするなら賭けをしないか? 俺が勝ったら金貨一枚貰う、その代わり負けたらあんたらに一枚ずつ金貨を渡してやるってのはどうだ?」
「そんな、駄目です! レオンさん」
そう言って俺の腕をギュッと握りしめたのは、ハーフエルフの少女――ティアナだったか。
レオンと呼んだのは、受付のニーナさんが俺の名前を呼んでいたからだろう。
ティアナは慌てて俺に自己紹介する。
「わ、私はティアナって言います。レオンさん、そんな勝負したら駄目です……あの人強いです」
「ティアナか、いい名前だな。心配するな。金貨一枚、どうしてもいるんだろ?」
「……それはそうですけど」
こうなったら、手っ取り早くこいつらから貰うのが一番だ。
そもそも、ティアナの貰うべき金だったんだからな。
ガルフたちは顔を見合わせニヤついている。
ガルフと仲間三人、合計四枚の金貨が手に入るとでも思っているのだろう。
「小僧、いいだろう。その賭け乗ってやるぜ」
ガルフはそう言った。
そしてニーナさんに受付から紙を持ってこさせると、賭けの内容を記した念書を作成させる。
とことん腐ってるな。
ティアナの時にはこんな紙、書かなかったんだろう?
だが、こっちにとっても好都合だ。
これで向こうも、とぼけることは出来なくなるのだから。
俺はサラサラとサインをする。
「馬鹿な野郎だぜ」
「お前みたいなガキが、ガルフの兄貴に勝てるわけがねえ」
「へへ、払えるまで精々こき使ってやるぜ」
ニーナさんは心配そうな顔で俺に囁く。
「本当にいいんですか? レオンさん。知りませんよ」
「ええ、ニーナさんには迷惑はかけませんよ」
ニーナさんは不安そうな顔をしたが、俺たちをギルドの裏庭に案内してくれた。
そこは広い空き地になっており、模擬戦とやらをするには十分な広さに見える。
ガルフは、面白がって裏庭に出てこようとするやじ馬たちを睨みつけた。
「見世物じゃねえぞ! ひっこんでろ!」
そう言って俺を見下ろすとニヤリと笑う。
分かりやすい奴だな。
金を巻き上げるだけじゃなくて散々痛めつけてやるぜ、って顔してやがる。
それなら目撃者は少ない方がいい。
そう考えているのだろう。
「見届け人は私が務めさせていただきます。レオンさんが勝てば、Bランクとして登録させていただきます……くれぐれも、よろしくお願いしますね、ガルフさん。レオンさんも頑張って」
そう言ってガルフを見上げるニーナさん。
当のガルフは、俺を眺めながら舌なめずりをしていた。
「ぐへへ、分かってるぜ。俺を誰だと思ってやがるんだ」
何言ってるんだ、お前だからニーナさんが心配してるんだろうが。
俺も返事をする。
「了解です、ニーナさん」
ティアナが心配そうに俺を見つめている。
「レオンさん……」
「そんな顔するなって。大人しくそこで見てろ、すぐ済ませるからさ」
それを聞いたガルフは、俺の腰元の剣を眺めつつ、残忍な笑みを浮かべる。
「すぐ済ませるだと? 笑わせやがる。そんな剣じゃあ、俺の斧は受け止められねえぜ、小僧!」
背負っている戦斧を右手で掴むガルフ。
「心配するなよ、かすりもしないもの、受け止める必要がないからな」
当然のことを教えてやったのだが、どうやら連中は気に入らなかったらしい。
ガルフの腰巾着の三人が喚く。
「何だと、小僧!」
「てめえ、ぶちのめされてえのか!」
「クソガキが!!」
俺が何て言おうがそうするつもりだったくせに、よく言うものだ。
ガルフはといえば、もう既に斧を構え、振りかぶっている。
「ガキが! 死なねぇ程度にいたぶってやるから覚悟しやがれ!!」
その目は残忍さと、俺をいたぶることへの喜びに濁っていた。
「両者、準備はいいですね? ――はじめ!」
ニーナさんの合図と同時に、ガルフが一気にこちらに詰め寄り、斧を振り下ろしてきた。
「喰らえぇええいい!!」
吠えるガルフ。
威勢はいいが遅すぎる。
これでもうすぐAランクって本当なのか?
これならまだ、ミハエルの方がましだ。
俺の右手の紋章が、一瞬だけ輝いた。
ガルフの斧が振り下ろされた瞬間――
俺の剣は一度鞘から抜かれ、またそこに収まっていた。
そしてガルフの足元に、柄が短くなった奴の斧が音を立てて落ちる。
ガルフの手に残るのは、短い斧の柄だけになっていた。
「な!? 何だ!? 何だこりゃああああ!?」
自分の手に握られた柄を見て叫ぶガルフ。
「分からなかったのか? 俺が剣で斬ったに決まってるだろ?」
俺はそう言いながら、肩をすくめた。
ティアナとニーナさんが、こちらを見て目を丸くしている。
「え? い、今のレオンさんがやったんですか!? す、凄い!」
「ええ、この腕前、Bランクどころじゃないわ! Aランク、いいえ恐らくSランク以上……」
俺はガルフとその腰巾着どもに尋ねた。
「なあ、まだやるか? 何なら全員一緒でも俺は構わないぜ」
ガルフは血走った目で俺を見下ろしてきた。
「てめえが、やっただと!? あり得ねえ! てめえごときが!!」
ようやく状況を理解……はしてないか。
こちらの質問にも答えず、声を荒らげるガルフ。
恐らく、奴には俺の太刀筋すら見えてなかったのだろう。
見えないものは信じられないのが人のサガかもしれないが、ここまでくるとつける薬がなさそうだ。
ガルフは近くにいた仲間の一人に近寄って剣を奪い取ると、俺に向かって斬りかかってきた。
二千年前、俺と仲間たちは、四英雄と呼ばれていた。
この世界に生まれてきた後、ずっと疑問に思っていることがある。
転生したのは、俺だけなのか? ということだ。
裏切者の『あいつ』以外の、俺にとってかけがえのない二人の仲間。
仲間の名は、青く輝く水の紋章を持ち水の女神と呼ばれたエルフのアクアリーテ、そして雷の紋章を持ち雷神の異名をとるエルフィウス。
炎の紋章を持ち、獅子王ジークと呼ばれていた俺と同様、『倒魔人』の中でも最高の腕を持っていた連中だ。
俺は辺境の国で大人しく暮らしながらも、二人が俺と同じようにこの時代に転生していないかずっと調べていた。
それには王子であることは都合が良かったんだが……今更言ってもしょうがない。
まぁ父が亡くなった今、王宮で俺が自由に情報を集めることなど出来なかっただろう。
ともかく、二千年前の俺たちはあの時、仲間の裏切りによって死んだ。
条件は同じだから、皆もこの時代に転生しているかもしれない。
俺と同じように、かつての力を取り戻していてもおかしくないはずだ。
そんな淡い期待を持って十五年間捜し続けたが、それらしい人物の噂は聞かなかった。
だが、あいつらのことだ。
力を隠している可能性もあるだろう。
もし、生きているなら、やはり会ってみたいものだ。
それに……俺たちを裏切った『あいつ』は一体どうなったのか。
俺と仲間の二人は死ぬ前に、最後の力を振り絞って奴に深手を負わせた。
あの傷がもとで死んだのか、それとも……
二千年の時が過ぎた今では、知る由もない。
昔のことを思い出していたその時――
俺の耳元で声がした。
「ねえ、レオン。あそこじゃない? ほら、冒険者ギルドって書いてあるわよ」
俺の肩の上に座っているフレアの声にハッとする。
フレアの良く通る声で、すっかり現実に呼び戻された。
俺はフレアが指さす方を見る。
「冒険者ギルド、アルファリシア王国アデュレーヌ支社。ああ、間違いないな」
アデュレーヌに来たのはまだ二回目、しかも前回は父と共に来ていたので、あまり探索は出来ておらず、どこに何があるのか分からない。
目的地の冒険者ギルドが見つかって俺はホッと一息ついた。
ちなみに、シルフィはアデュレーヌに到着した当初こそ物珍しそうにしていたが、退屈したのか今は姿を消している。
気まぐれな風の精霊のシルフィらしいな。
一方で、好奇心が強いフレアはまた俺の肩にいるってわけだ。
「でもレオン。どうして冒険者なんてやるの?」
「ん? 金を稼がないと暮らしていけないからな。冒険者なら手っ取り早そうだ」
もう王子もやめちまったし……というか連中に追放されたから、続けようと思っても無理だったんだけど。
それに、冒険者であれば、色々な噂話も耳に入ってくるだろう。
それこそ、俺が捜している昔の仲間たちの噂だってあるかもしれない。
まあ、淡い期待に過ぎないけどな。
だが、せっかく城を出たんだ。今までとは違う方法で捜してみるのも悪くない。
「ふぅ~ん、人間て変なの」
フレアはそう言って首を傾げた。
冒険者ギルドに近づくと、他の冒険者たちが出入りする姿が見えた。
「おい、あれ精霊だぜ! ってことはあいつ精霊使いか? まだガキじゃねえかよ」
「ほんとね。ふふ、中々可愛い顔をした坊やじゃない」
建物から出てきたばかりの連中が、俺の肩にいるフレアを見てそんな言葉を交わしていた。
こちらに関心を持っているみたいだが……
俺はフレアに顔を向ける。
「フレア、ちょっと休んでてくれよ。最初からあんまり目立ちたくないからな」
フレアは俺の言葉に少し頬を膨らませると、腰に手を当てて仕方ないわねと肩をすくめてみせた。
「いいけど……私たち精霊なんていなくても、レオンは強いんだから、結局目立つわよ」
「まあ、そう言うなって。フレアは可愛いから余計目立つしさ」
俺の言葉にフレアの目が輝く。
ものは言いようだな。
「え~! やっぱり? ふふ、仕方ないわね。レオンがそう言うなら、しばらく休んでるわ」
そう言って姿を消すフレア。
「さて、それじゃあ行くか」
冒険者ギルドの扉を開ける。
中は結構広い。
いかにも冒険者といった連中が、依頼の貼ってある掲示板を眺めたり、ギルドの奥に用意されたいくつかのテーブルに座ってパーティごとに話をしていたりする姿も見えた。
とりあえず、ギルドに登録しないとな。
俺がキョロキョロしながら受付に近づくと、カウンターの向こうに座るお姉さんが声をかけてきた。
栗色の髪の、綺麗なお姉さんだ。
年齢は十八歳ぐらいだろうか?
「あら、見慣れない方ですわね。このギルドは初めてですか?」
その気さくな笑顔に、俺も思わず笑みを浮かべる。
「ええ、冒険者ギルドに登録したいんです」
お姉さんは頷いて、登録の手続きを始めてくれた。
その途中、俺は質問される。
「ランクは最も低いEランクから始めますか? それともランク決めのテストをして、それに応じたランクにされますか?」
どうやらお姉さんの話では、冒険者のランクは最高がSSSランク、そしてSSランク、Sランクときて、その下はA~Eランクになっているそうだ。
Aランク以上は余程の腕と実績がないと無理だという。
Sランク以上となると、それ以上の実力なのだが、国からの特殊な任務を請け負うことが多いためギルドには滅多に顔を出さないそうだ。
SSSランクに至っては、この国の勇者や英雄に匹敵する力の持ち主らしい。
俺が頷いていると、お姉さんが説明を続けてくれる。
「テストで与えられる最高位はBランクです。それ以降は実績を積めばAランクやSランク以上になれる方もいますが、それは本当に一握りの方ですね」
「なるほど、そうなんですね」
どうしようかな。
Eランクは流石に受けられる仕事が限られていそうだし、ランクを上げていくのも面倒だから、テストを受けてみるか?
それに今は、とりあえずまとまった金が欲しい。
宿に泊まるにしても食事をするにしても、金は必要だからな。
あんなふうに城を出てきたから、財産らしい財産なんか持ち出せていないのだ。
俺が考えていた時、ギルドホールに誰かの怒鳴り声が響いた。
「てめえ! それじゃあ何だ、俺が嘘をついたとでも言いたいのか?」
そのどら声は後ろから聞こえてきた。
振り向くと、受付からほど近いテーブルでパーティが揉めている。
リーダーと思しき大男が、怯えたように見上げている一人の少女に凄んでいた。
男の方は馬鹿デカく、いかにも屈強に見える。
少女の方は小柄で可愛らしく、少し気が弱そうな感じの美少女で、髪は美しいブロンドである。
まるでシスターのような白いローブを着て杖を持っているのを見るかぎり、パーティの回復役みたいだな。
しかし何より特徴的なのは、長い耳だった。
ハーフエルフだろうか?
俺が知る限り、今も昔も純粋なエルフは滅多に人前に現れない。
一方、ハーフエルフは人間の町で生活をしていることがある。
もっとも、親に捨てられて孤児になったり、その美しい外見故に奴隷商人に売られたりと、訳アリの者が多い。
そもそもハーフエルフ自体が、エルフからも人間からも疎まれている存在だからな。
エルフから見れば人と交わった末に生まれた異端の者だし、人間にしてみれば、ハーフエルフの一部が持つ強い魔法適性は恐ろしいものだ。
そのため、どこにいても厄介者扱いされてしまうのだ。
あの少女は、見た感じ俺よりも少し年下の、十三、四歳ぐらいってところか。
冒険者にしては若いな。
そんな彼女は、男の剣幕に半べそをかいていた。
「こ、困るんです……今日中にどうしても金貨が一枚必要なんです。その為にこの一週間頑張ったんです。仕事が終わったらくれるって約束したじゃないですか!」
やめておけばいいのに、ハーフエルフの少女は目に涙を浮かべながら必死に食い下がっている。
何か事情でもあるのだろうが、俺には関係のない話だ。
「エルフでも人でもない、汚れた血を持つハーフエルフをパーティに加えてやったんだ。銀貨一枚でも貰えたことを感謝するんだな! 新しいヒーラーも見つかったんだ。目障りなんだよ、さっさと消えな!!」
それにしても、金貨一枚の約束が銀貨一枚かよ。
約束の十分の一とは酷い話だ。
喚きながら、大男はデカい手で少女の頭を叩こうとする。
その瞬間――
男は目を見開いた。
「何!?」
俺の手が、少女を叩こうとした男の腕を掴んでいたからだ。
「それぐらいでやめとけよ。あんたのデカい声の方がよっぽどうっとうしいぜ」
そんな俺の言葉に、テーブルに座ってニヤけていた男の仲間たちが、一斉に立ち上がった。
「て、てめえ! 一体いつの間に!?」
「おい!」
「何者だてめえ……」
俺に腕を握られている大男が、血走った目で俺を見下ろしている。
「まだガキじゃねえか? この手は何のつもりだ、痛い目に遭いてえのかよ!」
俺はふうと溜め息をついた。
口を挟むつもりはなかったが、汚れた血だの目障りだの、ついミハエルたちのことを思い出しちまったからな。
どこにでもこういう奴らはいるものだ。
この手の奴らは、弱い者を徹底的にイジメ抜く。
俺は男の言葉を無視して、ハーフエルフの少女に言葉をかける。
「行こうぜ。こんな連中と話し合ったところで、どうにもならないだろう?」
「で、でも……私、どうしても今日中に金貨が一枚必要なんです!」
少女の目尻には涙が浮かんでいて、今にも零れそうだ。
どうあっても必要な金だということが伝わってくる。
俺は男の手を放して頭を掻いた。
ちっ……
「分かった分かった、俺が何とかしてやるよ」
まったく、俺もとんだお節介焼きだな。
「本当ですか!?」
初めて会った奴にこんなことを言われて信じるのはどうかしていると思うが、それほど切迫した事情があるのだろう。
少女は大きな瞳で嬉しそうに俺を見つめている。
そんな俺たちの会話を聞いて、大笑いをする大男と仲間たち。
「聞いたかよ、こんなガキが金貨一枚すぐに何とか出来るわけねえだろうが?」
「格好つけやがって、笑えるぜ」
「それよりも、詫びを入れてもらおうか? 今なら床に頭をこすりつけて謝れば許してやらねえこともねえぜ。なあ、ガルフの兄貴」
どうやらこの大男はガルフという名前らしい。
ガルフは俺を見下ろしながら言った。
「ぐへへ、ティアナ、そんなに金貨が欲しいなら、もっといい商売を紹介してやるぜ」
とことん悪趣味な連中だ。
その時、受付のお姉さんが、さりげなく割って入ってきた。
「レオンさん、ギルド登録の手続きの途中ですよ。ランク決めのテストをするならその説明もさせてもらいます、行きましょう」
そう言ってそっと俺に耳打ちをする。
「相手にしない方がいいですよ。ああ見えてあの連中はBランクです。リーダー格のガルフは来週にはAランクになる予定ですし」
優しいお姉さんだ。
さりげなく俺に忠告してくれている。
しかし、ギルドへの手続き中と聞いて、ガルフがニヤリと笑って俺に言った。
「面白れぇ、てめえのテストの相手はこの俺様がやってやるよ。ランク決めのテストは、Bランク以上の冒険者との模擬戦で決めるのがギルドの鉄則だ。俺はじきにAランクになる男だぜ、構わねえよな? ニーナ」
「それはそうですが、そちらからの申し出となると、本人の了承が必要です」
受付のお姉さん――ニーナさんは俺を見て、挑発に乗っては駄目ですよと言いたげに首を横に振っている。
ハーフエルフの少女も、心配そうに俺を見つめていた。
俺は再度溜め息をつきながら男を見上げる。
どうやら模擬戦にかこつけて、俺を痛めつけたいらしい。
この手の連中が考えそうなことだ。
登録に来たのが普通の新人ならビビるところなんだろうが――
「いいさ、俺はそれで構わない。どこでやるのか知らないが、とっとと始めようぜ」
「とっとと始めようだと? 馬鹿が、調子に乗りやがって」
嘲笑いながら俺を見下ろすガルフ。
この街に慣れるまでは大人しくしているつもりだったが、ここまできたらもう今更だ。
俺はガルフに一つ提案をした。
「なあ、どうせ模擬戦をするなら賭けをしないか? 俺が勝ったら金貨一枚貰う、その代わり負けたらあんたらに一枚ずつ金貨を渡してやるってのはどうだ?」
「そんな、駄目です! レオンさん」
そう言って俺の腕をギュッと握りしめたのは、ハーフエルフの少女――ティアナだったか。
レオンと呼んだのは、受付のニーナさんが俺の名前を呼んでいたからだろう。
ティアナは慌てて俺に自己紹介する。
「わ、私はティアナって言います。レオンさん、そんな勝負したら駄目です……あの人強いです」
「ティアナか、いい名前だな。心配するな。金貨一枚、どうしてもいるんだろ?」
「……それはそうですけど」
こうなったら、手っ取り早くこいつらから貰うのが一番だ。
そもそも、ティアナの貰うべき金だったんだからな。
ガルフたちは顔を見合わせニヤついている。
ガルフと仲間三人、合計四枚の金貨が手に入るとでも思っているのだろう。
「小僧、いいだろう。その賭け乗ってやるぜ」
ガルフはそう言った。
そしてニーナさんに受付から紙を持ってこさせると、賭けの内容を記した念書を作成させる。
とことん腐ってるな。
ティアナの時にはこんな紙、書かなかったんだろう?
だが、こっちにとっても好都合だ。
これで向こうも、とぼけることは出来なくなるのだから。
俺はサラサラとサインをする。
「馬鹿な野郎だぜ」
「お前みたいなガキが、ガルフの兄貴に勝てるわけがねえ」
「へへ、払えるまで精々こき使ってやるぜ」
ニーナさんは心配そうな顔で俺に囁く。
「本当にいいんですか? レオンさん。知りませんよ」
「ええ、ニーナさんには迷惑はかけませんよ」
ニーナさんは不安そうな顔をしたが、俺たちをギルドの裏庭に案内してくれた。
そこは広い空き地になっており、模擬戦とやらをするには十分な広さに見える。
ガルフは、面白がって裏庭に出てこようとするやじ馬たちを睨みつけた。
「見世物じゃねえぞ! ひっこんでろ!」
そう言って俺を見下ろすとニヤリと笑う。
分かりやすい奴だな。
金を巻き上げるだけじゃなくて散々痛めつけてやるぜ、って顔してやがる。
それなら目撃者は少ない方がいい。
そう考えているのだろう。
「見届け人は私が務めさせていただきます。レオンさんが勝てば、Bランクとして登録させていただきます……くれぐれも、よろしくお願いしますね、ガルフさん。レオンさんも頑張って」
そう言ってガルフを見上げるニーナさん。
当のガルフは、俺を眺めながら舌なめずりをしていた。
「ぐへへ、分かってるぜ。俺を誰だと思ってやがるんだ」
何言ってるんだ、お前だからニーナさんが心配してるんだろうが。
俺も返事をする。
「了解です、ニーナさん」
ティアナが心配そうに俺を見つめている。
「レオンさん……」
「そんな顔するなって。大人しくそこで見てろ、すぐ済ませるからさ」
それを聞いたガルフは、俺の腰元の剣を眺めつつ、残忍な笑みを浮かべる。
「すぐ済ませるだと? 笑わせやがる。そんな剣じゃあ、俺の斧は受け止められねえぜ、小僧!」
背負っている戦斧を右手で掴むガルフ。
「心配するなよ、かすりもしないもの、受け止める必要がないからな」
当然のことを教えてやったのだが、どうやら連中は気に入らなかったらしい。
ガルフの腰巾着の三人が喚く。
「何だと、小僧!」
「てめえ、ぶちのめされてえのか!」
「クソガキが!!」
俺が何て言おうがそうするつもりだったくせに、よく言うものだ。
ガルフはといえば、もう既に斧を構え、振りかぶっている。
「ガキが! 死なねぇ程度にいたぶってやるから覚悟しやがれ!!」
その目は残忍さと、俺をいたぶることへの喜びに濁っていた。
「両者、準備はいいですね? ――はじめ!」
ニーナさんの合図と同時に、ガルフが一気にこちらに詰め寄り、斧を振り下ろしてきた。
「喰らえぇええいい!!」
吠えるガルフ。
威勢はいいが遅すぎる。
これでもうすぐAランクって本当なのか?
これならまだ、ミハエルの方がましだ。
俺の右手の紋章が、一瞬だけ輝いた。
ガルフの斧が振り下ろされた瞬間――
俺の剣は一度鞘から抜かれ、またそこに収まっていた。
そしてガルフの足元に、柄が短くなった奴の斧が音を立てて落ちる。
ガルフの手に残るのは、短い斧の柄だけになっていた。
「な!? 何だ!? 何だこりゃああああ!?」
自分の手に握られた柄を見て叫ぶガルフ。
「分からなかったのか? 俺が剣で斬ったに決まってるだろ?」
俺はそう言いながら、肩をすくめた。
ティアナとニーナさんが、こちらを見て目を丸くしている。
「え? い、今のレオンさんがやったんですか!? す、凄い!」
「ええ、この腕前、Bランクどころじゃないわ! Aランク、いいえ恐らくSランク以上……」
俺はガルフとその腰巾着どもに尋ねた。
「なあ、まだやるか? 何なら全員一緒でも俺は構わないぜ」
ガルフは血走った目で俺を見下ろしてきた。
「てめえが、やっただと!? あり得ねえ! てめえごときが!!」
ようやく状況を理解……はしてないか。
こちらの質問にも答えず、声を荒らげるガルフ。
恐らく、奴には俺の太刀筋すら見えてなかったのだろう。
見えないものは信じられないのが人のサガかもしれないが、ここまでくるとつける薬がなさそうだ。
ガルフは近くにいた仲間の一人に近寄って剣を奪い取ると、俺に向かって斬りかかってきた。
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