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魔法の先生
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火の小鳥のアピは、セシルに会えた事がよほど嬉しかったのか、メロディの手のひらから飛び立つと、パタパタとセシルの周りを飛び回った。
アピはピピッと鳴きながら、口から火を吐き出した。危ない。セシルは慌てて火魔法を解除した。アピは一瞬で姿を消してしまった。アピがいなくなったので、メロディとウェントゥスは不満そうだ。セシルはすまなそうにメロディたちに言った。
「ごめんなさい。アピが嬉しくなると口から火を吐くの。周りの木々に燃え移ったら大変だから」
クレアはあごに手をふれながら、セシルをジッと見ていた。クレアが口を開く。
「セシル。私は水魔法しか使えないから感じる事なんだけど、魔法って自分が一番得意なエレメントと親和性が強いと思うの。私の見たかぎり、セシルの親和性が強いエレメントは火魔法なんだと思う」
セシルは口をつぐんだ。セシルも自分で感じているのだ。水、風、土の魔法を使おうとすると、無理矢理使っている感じがするのだ。だが火魔法は、まるで親しい友のようなのだ。だが、火魔法はとても危険な魔法でもある。セシルは小さな声で言った。
「私、アピが大好き。小さな頃からたった一人の友達がアピだったの。だけどアピはいつもイタズラばかり。お家が何度も火事になりかけたわ。家族は家の中では絶対にアピを呼ぶなと怒ってた」
クレアはセシルの言葉を黙って聞いていた。メロディがセシルに言った。
「セシルちゃん。アピはそんなイタズラをする子には見えないよ?だってセシルちゃんの事が大好きなんだもの」
黙っていたクレアが口を開いた。
「私も同感だわ。セシルの魔法が上達するには火魔法を克服するのが先決だと思う」
だがそこでクレアは困った顔をした。無理もない、ここに火魔法を使う者がいないからだ。セシルは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。すると、メロディが大声でクレアに言った。
「じゃあ火魔法ができる人を呼ぼうよ!」
「それって誰よ。メロディ」
「うんとぉ、フランマ」
「ピィ!」
「それはダメ!ここ一体が大火事になっちゃう!」
メロディの提案にウェントゥスは喜ぶが、クレアが慌てて止める。セシルが目を白黒させていると、メロディが説明してくれた。フランマとは、ドラゴンのウェントゥスの守護者なのだそうだ。とても大きなドラゴンで、ウェントゥスをいじめる人間を焼き殺そうとするらしい。
そんな火魔法の先生は困るとセシルは思った。
アピはピピッと鳴きながら、口から火を吐き出した。危ない。セシルは慌てて火魔法を解除した。アピは一瞬で姿を消してしまった。アピがいなくなったので、メロディとウェントゥスは不満そうだ。セシルはすまなそうにメロディたちに言った。
「ごめんなさい。アピが嬉しくなると口から火を吐くの。周りの木々に燃え移ったら大変だから」
クレアはあごに手をふれながら、セシルをジッと見ていた。クレアが口を開く。
「セシル。私は水魔法しか使えないから感じる事なんだけど、魔法って自分が一番得意なエレメントと親和性が強いと思うの。私の見たかぎり、セシルの親和性が強いエレメントは火魔法なんだと思う」
セシルは口をつぐんだ。セシルも自分で感じているのだ。水、風、土の魔法を使おうとすると、無理矢理使っている感じがするのだ。だが火魔法は、まるで親しい友のようなのだ。だが、火魔法はとても危険な魔法でもある。セシルは小さな声で言った。
「私、アピが大好き。小さな頃からたった一人の友達がアピだったの。だけどアピはいつもイタズラばかり。お家が何度も火事になりかけたわ。家族は家の中では絶対にアピを呼ぶなと怒ってた」
クレアはセシルの言葉を黙って聞いていた。メロディがセシルに言った。
「セシルちゃん。アピはそんなイタズラをする子には見えないよ?だってセシルちゃんの事が大好きなんだもの」
黙っていたクレアが口を開いた。
「私も同感だわ。セシルの魔法が上達するには火魔法を克服するのが先決だと思う」
だがそこでクレアは困った顔をした。無理もない、ここに火魔法を使う者がいないからだ。セシルは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。すると、メロディが大声でクレアに言った。
「じゃあ火魔法ができる人を呼ぼうよ!」
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「うんとぉ、フランマ」
「ピィ!」
「それはダメ!ここ一体が大火事になっちゃう!」
メロディの提案にウェントゥスは喜ぶが、クレアが慌てて止める。セシルが目を白黒させていると、メロディが説明してくれた。フランマとは、ドラゴンのウェントゥスの守護者なのだそうだ。とても大きなドラゴンで、ウェントゥスをいじめる人間を焼き殺そうとするらしい。
そんな火魔法の先生は困るとセシルは思った。
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