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お茶会

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 セシルは学校の授業が終わると、学校に続く森に急いだ。メロディたちが待っているはずだからだ。

 セシルは昨日、クラスメイトのいじめっ子にくつを無くされた。そのくつを探しに城下町まで行って、メロディという花屋の少女に出会ったのだ。

 メロディはとても明るくて優しい少女だった。メロディはセシルの境遇にとても怒ってくれた。メロディの友達のクレアとドラゴンのウェントゥスもとても優しかった。

 セシルは思わず言ってしまったのだ。自分に魔法を教えてほしいと。そうしたら、学校から許可がおりたのだ。メロディたちの魔法の指導を受けるにあたり、外出や外泊の特別許可が。

 セシルは夢見心地で森に到着した。そこにはすでにメロディたちがいた。メロディは嬉しそうに手を振ってくれた。セシルは慌てて言った。

「ごめんなさい!待たせてしまって」
「ううん。そんなに待ってないよ?授業お疲れ様」

 メロディは気さくに答えてくれた。クレアが微笑んでセシルに言った。

「セシル、疲れたでしょ?まずはお茶にしましょう」

 クレアはそう言って、芝生の上にシートを引き、バスケットからお茶のポットとティーセット、沢山のスコーンを出した。メロディは嬉しそうにキャアッと叫んだ。

 セシルはポカンと口を開けてしまった。これから厳しい魔法の指導があると思い、気を引き締めいたのに、なごやかなお茶会が始まったのだ。

 クレアが淹れてくれた紅茶は香り高くて美味しかった。メロディはスコーンにたっぷりといちごジャムをつけていた。スコーンもサクサクしてとても美味しかった。

 メロディは煮炊きしたものが食べられないドラゴンのウェントゥスのために、植物魔法で沢山のいちごを作った。ウェントゥスは美味しそうにいちごをほおばっている。メロディの植物魔法は、魔法学校のどの教師よりも優れていた。

 セシルは嬉しくなった。これから、メロディに植物魔法を、クレアに水魔法を、ドラゴンのウェントゥスには風魔法を教えてもらえるのだ。
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