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森の出来事
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その日クレアとメロディは、花屋の仕事を休業して森に来ていた。メロディは植物魔法で、花の他に薬草も作り出す事ができる。メロディはヒマができると、森に行って新しい植物や薬草に触れるようにしている。
メロディが一度触れた植物は再現できるのだ。メロディは方向音痴なので、彼女が森に行く時はクレアも必ず着いて行く事にしている。
今日は久しぶりの休みなのでピクニックをかねている。いつもはお腹がすいたとうるさいメロディだが、植物の事になると目が変わってしまう。
メロディは先ほどから四つんばいになり、必死に薬草を探している。クレアはそんなメロディをぼんやりながめていた。そろそろ日も高くなりお昼頃だ。クレアはメロディにランチにしようと声をかけた。
メロディはクレアに振り向いた。やっと自分が空腹だという事に気づいたようだ。
クレアは日当たりのいい草原にシートをひいた。水魔法を出してメロディに手洗いをさせる。ランチボックスを開くと、中にはサンドイッチがぎっしり入っている。メロディは嬉しそうにキャアッと歓声をあげた。
クレアとメロディが王都にやってきて、その都会っぷりにたいそう驚いたが、中でも食文化の違いに驚いた。とくに驚いたのは、マヨネーズという調味料だ。マヨネーズは、マサラの家で夕食に招待された時に初めて食べた。
その驚いきといったら、クレアは思わず声をあげてしまったほどだ。このマヨネーズは、生野菜につけても、料理の味付けにしても美味だった。
作り方は案外簡単で、卵黄と塩、酢、油を混ぜ合わせれば完成だ。クレアはりんごのパンの表面にマヨネーズをぬり、トマト、レタス、ハム、チーズをはさんだサンドイッチと、ポテトサラダのサンドイッチを作った。
以前クレアが作っていたサンドイッチは、水分の多い生野菜をはさむと、食べた時にべしょっとしてしまったのだ。だがパンの表面にマヨネーズをぬると、油分を含んでいるため、生野菜をはさんでもべしょっとならず味付けにもなるのだ。
もう一つはポテトサラダという料理の味付けだ。ポテトサラダはマサラが作ってくれた料理だ。メロディが沢山のじゃがいもを作ってマサラにあげると、彼女が受け取ったじゃがいもで作ってくれたのだ。ポテトサラダの美味しさにも感激した。
それ以来ポテトサラダはクレアとメロディの好物になった。メロディは事ある事にポテトサラダを作ってくれとクレアにせがんだ。
ポテトサラダには、じゃがいもに玉ねぎ、きゅうり、にんじんを入れた。玉ねぎときゅうりのはごたえも楽しい。そのポテトサラダをサンドイッチにたっぷりはさんだ。
水筒の中身は紅茶。常温になってもいい香りがして美味しい。これはクレアの水魔法で淹れた紅茶だ。何故だか井戸の水より、クレアが魔法で出現させた水をわかして淹れた方がとても美味しいのだ。
メロディは美味しい美味しいといって、ものすこいいきおいでサンドイッチを食べてくれた。クレアもサンドイッチを食べてみる。とても美味しいと自画自賛してしまう。
食後にメロディがクレアに聞いた。
「クレアちゃん。フルーツ何がいい?」
「そうね、今日はオレンジがいい」
「うん。わかった」
メロディは地面に手をつく、すると木の芽が飛び出し、グングン大きな木になった。木には沢山のツヤツヤと輝くオレンジがなっていた。メロディはクレアにオレンジの数を聞く。クレアは一個と答えた。メロディはうなずいてもいだオレンジを手渡してくれた。
クレアはオレンジを両手に持ち、かぐわしい香りを吸い込んだ。メロディは三個ももぎとっている。クレアはオレンジのふさを一つ口に入れた。酸味と甘みが口いっぱいに広がる。
デザートも腹におさめると、眠気がおとずれた。クレアとメロディは昼寝をする事にした。
ピィー。ピィー。
クレアが心地よい眠りにつこうとしていると、突然森の中から耳をつんざくような音がした。これは動物の鳴き声だ、意味はわからなくとも、声の主の悲痛な叫びを感じ取る事ができた。
クレアとメロディはがばりと起き上がり、声のする方に走った。
メロディが一度触れた植物は再現できるのだ。メロディは方向音痴なので、彼女が森に行く時はクレアも必ず着いて行く事にしている。
今日は久しぶりの休みなのでピクニックをかねている。いつもはお腹がすいたとうるさいメロディだが、植物の事になると目が変わってしまう。
メロディは先ほどから四つんばいになり、必死に薬草を探している。クレアはそんなメロディをぼんやりながめていた。そろそろ日も高くなりお昼頃だ。クレアはメロディにランチにしようと声をかけた。
メロディはクレアに振り向いた。やっと自分が空腹だという事に気づいたようだ。
クレアは日当たりのいい草原にシートをひいた。水魔法を出してメロディに手洗いをさせる。ランチボックスを開くと、中にはサンドイッチがぎっしり入っている。メロディは嬉しそうにキャアッと歓声をあげた。
クレアとメロディが王都にやってきて、その都会っぷりにたいそう驚いたが、中でも食文化の違いに驚いた。とくに驚いたのは、マヨネーズという調味料だ。マヨネーズは、マサラの家で夕食に招待された時に初めて食べた。
その驚いきといったら、クレアは思わず声をあげてしまったほどだ。このマヨネーズは、生野菜につけても、料理の味付けにしても美味だった。
作り方は案外簡単で、卵黄と塩、酢、油を混ぜ合わせれば完成だ。クレアはりんごのパンの表面にマヨネーズをぬり、トマト、レタス、ハム、チーズをはさんだサンドイッチと、ポテトサラダのサンドイッチを作った。
以前クレアが作っていたサンドイッチは、水分の多い生野菜をはさむと、食べた時にべしょっとしてしまったのだ。だがパンの表面にマヨネーズをぬると、油分を含んでいるため、生野菜をはさんでもべしょっとならず味付けにもなるのだ。
もう一つはポテトサラダという料理の味付けだ。ポテトサラダはマサラが作ってくれた料理だ。メロディが沢山のじゃがいもを作ってマサラにあげると、彼女が受け取ったじゃがいもで作ってくれたのだ。ポテトサラダの美味しさにも感激した。
それ以来ポテトサラダはクレアとメロディの好物になった。メロディは事ある事にポテトサラダを作ってくれとクレアにせがんだ。
ポテトサラダには、じゃがいもに玉ねぎ、きゅうり、にんじんを入れた。玉ねぎときゅうりのはごたえも楽しい。そのポテトサラダをサンドイッチにたっぷりはさんだ。
水筒の中身は紅茶。常温になってもいい香りがして美味しい。これはクレアの水魔法で淹れた紅茶だ。何故だか井戸の水より、クレアが魔法で出現させた水をわかして淹れた方がとても美味しいのだ。
メロディは美味しい美味しいといって、ものすこいいきおいでサンドイッチを食べてくれた。クレアもサンドイッチを食べてみる。とても美味しいと自画自賛してしまう。
食後にメロディがクレアに聞いた。
「クレアちゃん。フルーツ何がいい?」
「そうね、今日はオレンジがいい」
「うん。わかった」
メロディは地面に手をつく、すると木の芽が飛び出し、グングン大きな木になった。木には沢山のツヤツヤと輝くオレンジがなっていた。メロディはクレアにオレンジの数を聞く。クレアは一個と答えた。メロディはうなずいてもいだオレンジを手渡してくれた。
クレアはオレンジを両手に持ち、かぐわしい香りを吸い込んだ。メロディは三個ももぎとっている。クレアはオレンジのふさを一つ口に入れた。酸味と甘みが口いっぱいに広がる。
デザートも腹におさめると、眠気がおとずれた。クレアとメロディは昼寝をする事にした。
ピィー。ピィー。
クレアが心地よい眠りにつこうとしていると、突然森の中から耳をつんざくような音がした。これは動物の鳴き声だ、意味はわからなくとも、声の主の悲痛な叫びを感じ取る事ができた。
クレアとメロディはがばりと起き上がり、声のする方に走った。
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