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現状
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ゴメスは仲間の冒険者に質問した。
「状況はどうなっている?ドーグさんはどこだ?」
「ああ。俺たちは、隠れていては一網打尽にされるからと、平地に出て戦おうとした。だが、対じしたイエーリ団の親分がものすごい魔法を使うんだ。俺たちは散り散りに森の中に逃げ込んだんだ」
ゴメスはうなずいてから答えた。
「まずはドーグさんと合流しよう」
レオンたちは、平地の向こうにいる敵に注意しながら、森の中を進んだ。途中ケガをした仲間を見つけ、アルスとドンが治癒魔法をした。
ようやくドーグに会う事ができた。ドーグは無事なゴメスを見つけると、強く抱きしめて良かったと言った。
ゴメスは気恥ずかしいのか、身じろぎをしてからドーグに聞いた。
「ドーグさん。これから俺たち全員でイエーリ団と戦いましょう」
「ああ。だが、家族のいる者はこの作戦から離脱させようと考えている。おそらく私たちはこの戦いにやぶれるだろう。死に急ぐ事はない。ゴメス、お前は家族はいないが若い。ドンとレオンとアルスを連れてここから離れるんだ」
ドーグは穏やかな笑みを浮かべていた。その表情は、まるで息子たちを見る父親のようだった。
ゴメスはレオンたちを振り向いた。レオンとアルスとドンは無言でうなづいた。ゴメスも小さくうなずいてから言った。
「ドーグさん。俺たち全員、戦います」
ゴメスたちを見たドーグは、ため息をついてからうなずいた。
レオンたちは、森の中で散り散りになった仲間の冒険者たちと落ち合った。ドーグは仲間一人一人の顔を見てから言った。
「これから私たちは、イエーリ団とあいまみえる。先ほど目にした者たちはわかっているだろうが、イエーリ団の統領は様々な魔法を使う。魔法に対して、剣を使う我々は太刀打ちが難しい。そこで、魔法を使う者たちがイエーリ団の総統と魔法で戦い、剣を持つ者は、魔法使いたちを援護しながら戦う。皆、こころしてとりかかってくれ」
ドーグの話しを、固唾を飲んで聞いていた冒険者たちは、大きくうなずいた。これからイエーリ団との戦いが始まる。レオンがドンを見ると、ドンの顔は真っ青だった。それを見かねたアルスが声をかける。
「ドン。何という情けない姿じゃ。お前は落ち着いていれば正確に魔法を使える。じゃから慌てるな。ドンが呪文を唱えている間、オレ様たちが必ず守ってやる」
「そうだぜ、いつもの事だ。テメェがチンタラ呪文を唱えている間、俺が守ってやらぁ」
アルスの言葉にゴメスが続く。皆の準備が整った。これから戦いが始まる、という瞬間、アルスがレオンに声をかけた。
「ときにレオン。オレ様が作ってやった武器はどうした?」
「武器?ああ、鉄の筒の事?今は地面があるから使わなくてもいいよ」
レオンの答えにアルスは、ハァッとため息をついて答えた。
「まったく、レオンときたら。ありがたくも神から賜った武器じゃぞ?」
アルスはレオンに武器を出すように言った。レオンは素直にポケットから小さな鉄の筒を取り出してアルスに手渡した。アルスは筒を手に取ると、筒の表面についている、赤い宝石を指さして言った。
「よいか、レオン。この宝石は魔法を発動させるスイッチになっておる。植物ツタ魔法で、敵をぐるぐる巻きにした後、このボタンを押すがよい。カミナリ魔法が出て、相手を死なない程度に倒せるぞ?」
「そうなんだ!アル、ありがとう!」
「調子がいいのぉ」
アルスはぼやきながらも鉄の筒をレオンに返してくれた。レオンは改めて武器を眺めた。筒についている宝石は、ただの飾りだと思っていたが、どうやら魔法を発動させるボタンのようだ。レオンはギュッと武器を握りしめた。
「状況はどうなっている?ドーグさんはどこだ?」
「ああ。俺たちは、隠れていては一網打尽にされるからと、平地に出て戦おうとした。だが、対じしたイエーリ団の親分がものすごい魔法を使うんだ。俺たちは散り散りに森の中に逃げ込んだんだ」
ゴメスはうなずいてから答えた。
「まずはドーグさんと合流しよう」
レオンたちは、平地の向こうにいる敵に注意しながら、森の中を進んだ。途中ケガをした仲間を見つけ、アルスとドンが治癒魔法をした。
ようやくドーグに会う事ができた。ドーグは無事なゴメスを見つけると、強く抱きしめて良かったと言った。
ゴメスは気恥ずかしいのか、身じろぎをしてからドーグに聞いた。
「ドーグさん。これから俺たち全員でイエーリ団と戦いましょう」
「ああ。だが、家族のいる者はこの作戦から離脱させようと考えている。おそらく私たちはこの戦いにやぶれるだろう。死に急ぐ事はない。ゴメス、お前は家族はいないが若い。ドンとレオンとアルスを連れてここから離れるんだ」
ドーグは穏やかな笑みを浮かべていた。その表情は、まるで息子たちを見る父親のようだった。
ゴメスはレオンたちを振り向いた。レオンとアルスとドンは無言でうなづいた。ゴメスも小さくうなずいてから言った。
「ドーグさん。俺たち全員、戦います」
ゴメスたちを見たドーグは、ため息をついてからうなずいた。
レオンたちは、森の中で散り散りになった仲間の冒険者たちと落ち合った。ドーグは仲間一人一人の顔を見てから言った。
「これから私たちは、イエーリ団とあいまみえる。先ほど目にした者たちはわかっているだろうが、イエーリ団の統領は様々な魔法を使う。魔法に対して、剣を使う我々は太刀打ちが難しい。そこで、魔法を使う者たちがイエーリ団の総統と魔法で戦い、剣を持つ者は、魔法使いたちを援護しながら戦う。皆、こころしてとりかかってくれ」
ドーグの話しを、固唾を飲んで聞いていた冒険者たちは、大きくうなずいた。これからイエーリ団との戦いが始まる。レオンがドンを見ると、ドンの顔は真っ青だった。それを見かねたアルスが声をかける。
「ドン。何という情けない姿じゃ。お前は落ち着いていれば正確に魔法を使える。じゃから慌てるな。ドンが呪文を唱えている間、オレ様たちが必ず守ってやる」
「そうだぜ、いつもの事だ。テメェがチンタラ呪文を唱えている間、俺が守ってやらぁ」
アルスの言葉にゴメスが続く。皆の準備が整った。これから戦いが始まる、という瞬間、アルスがレオンに声をかけた。
「ときにレオン。オレ様が作ってやった武器はどうした?」
「武器?ああ、鉄の筒の事?今は地面があるから使わなくてもいいよ」
レオンの答えにアルスは、ハァッとため息をついて答えた。
「まったく、レオンときたら。ありがたくも神から賜った武器じゃぞ?」
アルスはレオンに武器を出すように言った。レオンは素直にポケットから小さな鉄の筒を取り出してアルスに手渡した。アルスは筒を手に取ると、筒の表面についている、赤い宝石を指さして言った。
「よいか、レオン。この宝石は魔法を発動させるスイッチになっておる。植物ツタ魔法で、敵をぐるぐる巻きにした後、このボタンを押すがよい。カミナリ魔法が出て、相手を死なない程度に倒せるぞ?」
「そうなんだ!アル、ありがとう!」
「調子がいいのぉ」
アルスはぼやきながらも鉄の筒をレオンに返してくれた。レオンは改めて武器を眺めた。筒についている宝石は、ただの飾りだと思っていたが、どうやら魔法を発動させるボタンのようだ。レオンはギュッと武器を握りしめた。
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