51 / 108
冒険の準備
しおりを挟む
翌日レオンはゴメスとドンに、冒険に出るための荷造りを見てもらった。ゴメスとドンはレオンの荷物が多すぎると言った。レオンの荷物は、野宿に使うナベやポットやナイフ。野宿のための毛布。それに着替えだ。レオンの物よりアルスの着替えがとても多い。
アルスはよくおもらしをしたり、転んで泥だらけになったりと、とにかく着替えをするのだ。そのためレオンの荷物は大きなリュックサックにパンパンに入っていた。
ドンはレオンにリュックの中の荷物を全部出してみろといわれた。レオンはドンが荷物を上手に詰めなおしてくれるのかと思い、言う通りにすると、ドンは空にしたリュックサックの内側に指で何やら文字を書き、呪文を唱えた。
するとリュックサックが輝き出した。ドンが何かの魔法を使ったのだ。レオンが驚いていると、ドンは笑顔で荷物をもう一度入れてみろという。レオンは首をかしげながらも言う通りにすると、不思議な事に、荷物を入れてもリュックサックがいっぱいにならないのだ。
レオンはいぶかしんでリュックサックの中をのぞくと、中には何も入っていなかった。レオンが驚きの声をあげると、ドンが笑って答えた。
「レオンのリュックサックに魔法をかけたんだ。何でも入るよ?だけど何をいれたかちゃんと覚えているんだぞ?忘れたら出せなくなるからな」
「ドンさん。ありがとうございます!」
レオンはしきりにドンの魔法をほめた。ゴメスも笑って言った。
「ドンは攻撃魔法はいまいちだが、細かい魔法は得意だよな?」
「ゴメスは一言多いの!」
ドンとゴメスは声を合わせて笑った。どうやら二人はいいコンビのようだ。
その日はゴメスとドンに夕食に連れて行ってもらい、集団で行う依頼の内容を聞いた。
我関せずのアルスは店で出してもらったビーフシチューが気に入ったらしく、口のまわりをベタベタにして食べていた。
レオンたちが参加させてもらう集団依頼は、二十人からなる大所帯だ。リーダーはドーグというベテラン冒険者で、ゴメスとドンも何度か共に仕事をしたという。
二十人の冒険者で行う依頼は、近頃世間を騒がす盗賊の捕縛だ。イエーリ団という盗賊団は、街々の裕福な貴族の屋敷を襲い、家人を殺害し、金品を奪って行くのだ。
ここ最近は、被害がひんぱつし、ついに大規模な捕縛隊が組織されたのだという。
レオンとアルスは夕食を食べた後、すぐに眠るようにいわれた。翌日から、ついに初の冒険者の仕事におもむくのだ。レオンはアルスの規則正しい寝息を聞きながら、眠る事が出来なかった。
アルスはよくおもらしをしたり、転んで泥だらけになったりと、とにかく着替えをするのだ。そのためレオンの荷物は大きなリュックサックにパンパンに入っていた。
ドンはレオンにリュックの中の荷物を全部出してみろといわれた。レオンはドンが荷物を上手に詰めなおしてくれるのかと思い、言う通りにすると、ドンは空にしたリュックサックの内側に指で何やら文字を書き、呪文を唱えた。
するとリュックサックが輝き出した。ドンが何かの魔法を使ったのだ。レオンが驚いていると、ドンは笑顔で荷物をもう一度入れてみろという。レオンは首をかしげながらも言う通りにすると、不思議な事に、荷物を入れてもリュックサックがいっぱいにならないのだ。
レオンはいぶかしんでリュックサックの中をのぞくと、中には何も入っていなかった。レオンが驚きの声をあげると、ドンが笑って答えた。
「レオンのリュックサックに魔法をかけたんだ。何でも入るよ?だけど何をいれたかちゃんと覚えているんだぞ?忘れたら出せなくなるからな」
「ドンさん。ありがとうございます!」
レオンはしきりにドンの魔法をほめた。ゴメスも笑って言った。
「ドンは攻撃魔法はいまいちだが、細かい魔法は得意だよな?」
「ゴメスは一言多いの!」
ドンとゴメスは声を合わせて笑った。どうやら二人はいいコンビのようだ。
その日はゴメスとドンに夕食に連れて行ってもらい、集団で行う依頼の内容を聞いた。
我関せずのアルスは店で出してもらったビーフシチューが気に入ったらしく、口のまわりをベタベタにして食べていた。
レオンたちが参加させてもらう集団依頼は、二十人からなる大所帯だ。リーダーはドーグというベテラン冒険者で、ゴメスとドンも何度か共に仕事をしたという。
二十人の冒険者で行う依頼は、近頃世間を騒がす盗賊の捕縛だ。イエーリ団という盗賊団は、街々の裕福な貴族の屋敷を襲い、家人を殺害し、金品を奪って行くのだ。
ここ最近は、被害がひんぱつし、ついに大規模な捕縛隊が組織されたのだという。
レオンとアルスは夕食を食べた後、すぐに眠るようにいわれた。翌日から、ついに初の冒険者の仕事におもむくのだ。レオンはアルスの規則正しい寝息を聞きながら、眠る事が出来なかった。
11
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる