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パティの家族2
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夕方になり、仕事を終えたマイラが家に帰って来た。パティたちはいつもの食堂に向かう事にした。
トグサたちとは食堂の前で落ち合う事になっているのだ。
エラルドたちとトグサたちはこの日初めて会う事になる。皆パティの大切な家族だ。仲良くしてくれればと思う。
パティたちが食堂に行くと、トグサたちがすでに待っていた。その中に姉のデイジーの姿もあった。パティはデイジーに走りよった。
「デイジー!」
「パティ!会いたかったわ!」
パティがデイジーに抱きつくと、彼女はヒョイとパティを抱き上げてくれた。
トグサが笑顔でエラルドたちに視線を送った。早くパティが自己紹介をしなければ。
パティはデイジーに地面に下ろしてもらうと、マイラの後ろでモジモジしているロレーナに声をかけた。
「この子がロレーナ。私の妹になったのよ?皆、仲良くしてね?」
「キャア!可愛い!あたしはデイジーよ。よろしくね?」
デイジーはかがみこんでロレーナの視線に合わせながら笑った。ロレーナは美人のデイジーにドギマギしてしまったのか、照れ臭そうにうなずいた。
エリオはゼゴに近寄って声をかけた。
「アンタがパティの杖の師匠か?」
「いや、俺は弟子だ」
エリオがキョトンした顔になる。横のエラルドがエリオに言った。
「パティの師匠はこの俺だ」
「はぁ?!お前が?!まだガキじゃん!」
「何だと?!俺はガキじゃない!」
「ヘヘーン。ガキじゃないなんて言い返す奴はガキなんだよ!ああ?クソガキ何か文句でもあるのか?」
エリオの挑発的な発言に、真面目なエラルドの顔が真っ赤になる。頭にきている証拠だ。
「おい、貴様。その言葉、俺への侮辱と受け取った。尋常に勝負しろ!」
「へへん。負けてほえ面かくなよ!」
エラルドは腰の剣を抜き、エリオは仕込み槍を伸ばして構えた。
コジモが震えながらやめろよとエリオの服のそでを掴んでいる。
パティがあわあわしながら二人を止めようとしていると、トグサがパティの耳元で秘策を囁いた。それはパティにとってはいささか恥ずかしい事だった。
背に腹は変えられない。パティはハァッとため息をついてからエラルドとエリオの前に立った。
「エリオお兄ちゃんもエラルドお兄ちゃんもケンカしないでよ!私、二人がケンカしてると悲しいわ」
「お、お兄ちゃん?!」
「!。む、パティ。うむ、妹の願いを聞くのが兄の役目だ」
エリオとエラルドは何故か顔が赤くなっているが、何とかケンカを止める事ができてパティはホッとした。
トグサたちとは食堂の前で落ち合う事になっているのだ。
エラルドたちとトグサたちはこの日初めて会う事になる。皆パティの大切な家族だ。仲良くしてくれればと思う。
パティたちが食堂に行くと、トグサたちがすでに待っていた。その中に姉のデイジーの姿もあった。パティはデイジーに走りよった。
「デイジー!」
「パティ!会いたかったわ!」
パティがデイジーに抱きつくと、彼女はヒョイとパティを抱き上げてくれた。
トグサが笑顔でエラルドたちに視線を送った。早くパティが自己紹介をしなければ。
パティはデイジーに地面に下ろしてもらうと、マイラの後ろでモジモジしているロレーナに声をかけた。
「この子がロレーナ。私の妹になったのよ?皆、仲良くしてね?」
「キャア!可愛い!あたしはデイジーよ。よろしくね?」
デイジーはかがみこんでロレーナの視線に合わせながら笑った。ロレーナは美人のデイジーにドギマギしてしまったのか、照れ臭そうにうなずいた。
エリオはゼゴに近寄って声をかけた。
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「いや、俺は弟子だ」
エリオがキョトンした顔になる。横のエラルドがエリオに言った。
「パティの師匠はこの俺だ」
「はぁ?!お前が?!まだガキじゃん!」
「何だと?!俺はガキじゃない!」
「ヘヘーン。ガキじゃないなんて言い返す奴はガキなんだよ!ああ?クソガキ何か文句でもあるのか?」
エリオの挑発的な発言に、真面目なエラルドの顔が真っ赤になる。頭にきている証拠だ。
「おい、貴様。その言葉、俺への侮辱と受け取った。尋常に勝負しろ!」
「へへん。負けてほえ面かくなよ!」
エラルドは腰の剣を抜き、エリオは仕込み槍を伸ばして構えた。
コジモが震えながらやめろよとエリオの服のそでを掴んでいる。
パティがあわあわしながら二人を止めようとしていると、トグサがパティの耳元で秘策を囁いた。それはパティにとってはいささか恥ずかしい事だった。
背に腹は変えられない。パティはハァッとため息をついてからエラルドとエリオの前に立った。
「エリオお兄ちゃんもエラルドお兄ちゃんもケンカしないでよ!私、二人がケンカしてると悲しいわ」
「お、お兄ちゃん?!」
「!。む、パティ。うむ、妹の願いを聞くのが兄の役目だ」
エリオとエラルドは何故か顔が赤くなっているが、何とかケンカを止める事ができてパティはホッとした。
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