究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

再会

　パティはアクアに防御ドームを解除してもらった。パティはやっとジョナサン神父とチコリおばあさんの元に行く事ができた。

「神父さま！チコリおばあちゃん！」
「パティ！」
「パティ！」

　パティはジョナサン神父とチコリおばあさんの姿を見てギョッとした。二人とも血まみれだったからだ。

「神父さま、チコリおばあちゃん、ケガしたの？」
「大丈夫さ、パティ。これはゴンゾのバカの返り血さね。私らはピンピンしてるよ」

　ブルブル震えるパティに、チコリおばあさんはカラカラ笑って答えた。

　ほんの昨日、パティは元気なジョナサン神父とチコリおばあさんに会った。それなのに、今日ジョナサン神父とチコリおばあさんは命の危機にさらされたのだ。

　あまりの状況の落差に、パティは恐怖と安ど感が同時にきて、感情がごちゃごちゃになってしまった。

「よかった、よかった。神父さまと、チコリおばあちゃんが無事で。神父さまとチコリおばあちゃんが死んじゃったらと思って、怖かったよぉ。うっ、ヒック、ヒック、うわぁぁん」

　パティは感極まって、小さな子供のようにわんわん泣き出してしまった。

「あらあら、パティ。泣かなくていいんだよ。私たちがちょっとやそっとで死ぬもんかい。私もジョナサンもしぶとく生きてやるよ。なんたって可愛いパティがいるんだからね？」

　チコリおばあさんは優しくパティを抱きしめてくれた。ジョナサン神父も温かい手でパティの背中を撫でてくれる。

「そうだぞ、パティ。パティが私たちを守ってくれたんだ。もう私たちは大丈夫だよ」
「うん、うん、」

　パティの涙がようやく落ち着いた頃、おずおずと村人たちが話しかけてきた。

　皆パティに感謝の言葉をのべていたが、パティは白々しいと思いながら上の空で聞いていた。

　ゴンゾのおかみさんが猫撫で声で言った。

「ねぇ、パティ。これからもドミノ村を守ってくれるわよね？」
「このバカ！俺たちがそんな事言えるわけないだろ！」
　
　ゴンゾがおかみさんに怒鳴る。おかみさんは悪びれる事なく言った。

「だってアンタ。そうは言ったって、パティはこの村の子供なんだよ」

　ゴンゾのおかみさんの言葉に、パティの気持ちはサァッと冷えていった。自分でも驚くくらい冷たい声が出た。

「ドミノ村の皆さん。私はあなたたちにされた事を決して許す事はできません。ドミノ村での生活は、私にとって生き地獄でした。その地獄の中で、唯一神父さまとチコリおばあちゃん、そして三年前に亡くなられた校長先生だけが私を大切にしてくれました。私はドミノ村の人たちが盗賊に皆殺しにされても、何も思いません。ですが、この村は私の大切な神父さまとチコリおばあちゃんの住む村です。もしあなたたちが神父さまとチコリおばあちゃんを大切にしてくれるなら、もしドミノ村に何か災いが起きた時、私は神父さまとチコリおばあちゃんを助けに来ます。ついでにあなたたちを助ける事があるかもしれません」

　パティの言葉に、ドミノ村の人々は難しい顔をしていた。

　パティはチャーミーに、土魔法で荷車を作ってもらった。拘束した盗賊たちを乗せ、最寄りの街の騎士団まで運ぶ事にした。