究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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ロレーナとチャーミー2

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 チャーミーが心配そうにロレーナの足元にすり寄った。ロレーナは軽く身体をかがめ、チャーミーの艶やかな毛並みを撫でながら言った。

「大丈夫よ、チャーミー。私には《ガーディアン》があるから。それとね、ごめんねチャーミー。私、貴女の言葉本当はよくわからないの」
「ニャッ?!ニャッニャッ」

 チャーミーは驚いて、ロレーナにひどいわと抗議しているようだ。落ち着いてチャーミーと向き合えば彼女の感情は結構わかりやすい。

「だまっててごめんね。次からはアシストしてくれる時、右や左って言うよりも、敵が来たってだけ教えてくれる?」
「ニャア」

 チャーミーは、仕方ないわねぇと言わんばかりにうなずいた。

 ロレーナとチャーミーはひたすら盗賊たちと戦った。ロレーナには《ガーディアン》があるので、剣による攻撃や魔法攻撃は効かない。

 チャーミーは鉱物攻撃魔法で、鋭いクリスタルを作り倒してくれる。

 ひょっとしてロレーナとチャーミーのコンビは最強なのでは。なんて考えていると、チャーミーの鋭い鳴き声が響く。

 チャーミーの視線の先に目を向けると、怒りの形相の見張りの男がいた。先ほどマックスとパティにドアの下敷きにされていた盗賊だ。

 この男の魔法は《アンチ魔法》。この男の魔法が発動されればロレーナは病弱な少女に、チャーミーはただの猫になってしまう。

 チャーミーはアンチ魔法の男めがけて走り、丁度一メートルの距離でピタリと止まってニャッと鳴いた。おそらくあの男の魔法効果の範囲が一メートル以内なのだろう。

 男は勝利を確信しているのか、薄笑いを浮かべながらロレーナとチャーミーに一歩一歩と近寄ってきた。ロレーナとチャーミーも男にあわせて一歩一歩下がって行った。

 チャーミーはパティからロレーナを守るよう言いつけられている。チャーミーは身体を大きくして、ライオンほどの大きさになると、ニャッと鳴いた。

 ロレーナに背中に乗れというのだ。チャーミーはロレーナとアンチ魔法の男を近づけたくないのだ。

 だがここでロレーナたちがアンチ魔法の男から逃げては、フロンの人々を守っているピンキーと、囚われた少女たちを守っているアクアに危険がおよんでしまうかもしれない。

 ロレーナたちは逃げてはいけないのだ。ここでアンチ魔法の男を倒さなければいけない。

 ロレーナは身体をかがめてチャーミーに耳打ちした。

 
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