究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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マイラの伝言

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 エラルドはゼゴに部屋に案内された後、比較的綺麗な場所に腰をおろした。下っぱ部屋はとても不潔で、食べ物のクズをそのまま捨てているようだ。

 下っぱの盗賊たちはエラルドに興味を示さない。盗賊の入れ替わりがとても激しいのかもしれない。

 エラルドが座り込んだまま、目をつむっていると、脳裏に声が響いた。マイラの《ボイス》だ。

〔エラルド。聞こえる?〕
「ああ」
〔パティと連絡が取れたわ。囚われている少女たちは十一人。正面のドアから右の廊下を通って一番奥の部屋よ。見張りにはアンチ魔法の者が立っているわ〕

 アンチ魔法。エラルドはピクリと身体をこわばらせた。妹は無事だろうか。

〔安心して、ロレーナは魔法が発動できなくなったので部屋を移されたわ。パティも一緒よ。今は状態に問題はないわ〕
「ああ」

 エラルドはやっと胸を撫で下ろした。マイラはエラルドをおもんばかって、あえて淡々と話してくれているのだ。

 エラルドがマイラの報告を聞いていると、近くに座っている男が声をかけてきた。

「おい、さっきから何ブツブツ言ってんだよ」

 男はそうとう酒に酔っているようで、生臭い息をエラルドの顔に吐きかけてきた。エラルドはニヤリと笑って答えた。

「女だよ女。今どこにいるのだとか、誰といるのかってクドクドうるせぇんだ。女の魔法が《ボイス》だからよぉ。うかつにめじるしなんてつけさせるんじゃなかったぜ」
〔エラルド、あんた今私の事自分の女だって言ったの?言ってくれるわねぇ、クソガキ!帰って来たら覚えてらっしゃい!ぶんなくってやるわ!〕
「ああ、わかった」

 エラルドの発言にマイラは激怒しているようだ。エラルドだとて、恩義のあるマイラにこんな事を言いたくはない。だが、素直に冒険者協会の受付と会話しているなんて言えるわけがない。

 酒に酔った男はさもおかしそうに言った。

「おお。見せつけてくれるじゃねぇか、こぞう。どんな女だ?いい女か?」
「まぁまぁだな。ていうか俺に話しかけるな。頭の中と耳に同時に言葉が入っておかしくなりそうだ」

 酔った男は手を振ってその場から立ち上がった。

 やや冷静さを取り戻したマイラの言葉が脳裏に響く。

〔パティたちは、アジトの中で働いている使用人たちとはまだコンタクトが取れていないわ。早くとも明日の朝になるわ〕
「ああ」
〔明日の昼頃にはまた連絡を入れるわ。可愛い恋人の私からの連絡をしっかり受けなさいよ?〕
「ああ、わかった」

 マイラは最後に軽口をたたき、それきり《ボイス》は切れた。エラルドは口のはしを軽くあげてから目を閉じた。

 わずかな時間で体力の回復をはからなければ。
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