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ロレーナのひとり言4
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エラルドによる、ロレーナとパティの修行がひと段落した頃、ロレーナとエラルドは冒険者になる決断をした。
てっとりばやくお金が欲しいという事もあるが、何よりもロレーナは外の世界を見てみたかった。
ロレーナの世界はこれまで小さな部屋の中だけだった。これからは自分の足で新しい世界を旅する事ができるのだ。
新しい出発をした後、ロレーナに協力者があらわれた。パティの姉であり、冒険者協会の受付嬢でもあるマイラだ。
マイラはとても美し姉御肌の女性だった。ロレーナは一目でマイラの事が好きになった。
マイラはロレーナの旅装束を見立ててくれるという。ロレーナは兄のエラルドとパティと別行動をとる事になった。
ロレーナはマイラから、動きやすいキュロットと、シャツ。風をしのぐ短めのマント。歩きやすいブーツを買ってもらった。
とても動きやすいし、何よりパティの装いに似ているのでロレーナはとても満足した。
ロレーナがなけなしの小遣いで支払いをしようとすると、会計はすでにマイラが払ってくれていた。
今日初めて出会った人に服を買ってもらうわけにはいかないとロレーナがしぶると、マイラは微笑んで言った。
「ロレーナが私に感謝してくれるというなら、ロレーナが立派な冒険者になった時、新人冒険者が困っていたら手を貸してあげて?それが私への何よりのお礼よ?」
ロレーナは目頭が熱くなるのを感じた。血はつながっていなくとも、さすがパティの姉だ。ロレーナは涙がこぼれないように注意しながら大きくうなずいた。
マイラはロレーナのよき応援者にもなってくれた。マイラはとびきりの笑顔をロレーナに向けた。
「ねぇ、ロレーナ。エラルドは恋人はいるの?」
「お兄ちゃん?私の知るかぎりではいないわ。私の看病でずっと忙しかったから」
「そう。ねぇ、ロレーナ。エラルドとパティってお似合いだと思わない?」
ロレーナは驚いてマイラを見上げた。マイラは魅力的な笑顔でロレーナの返事を待っている。
「マ、マイラさん!お兄ちゃんがパティの恋人になってもいいの?!」
「まぁ、それはエラルドの成長次第だけどね?ロレーナはお兄さんを取られたくないって思う?」
「ううん、全然!私パティが大好きなの!だからパティに本当のお姉ちゃんになってほしいの!」
「それはまだ早い」
「はい!ごめんなさい」
どうやらマイラは、パティの恋人候補としてエラルドに白羽の矢を立てたようだ。だが結婚するとなるとまた話しは違ってくるらしい。これはことを慎重に運ばなければいけない。
てっとりばやくお金が欲しいという事もあるが、何よりもロレーナは外の世界を見てみたかった。
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マイラはとても美し姉御肌の女性だった。ロレーナは一目でマイラの事が好きになった。
マイラはロレーナの旅装束を見立ててくれるという。ロレーナは兄のエラルドとパティと別行動をとる事になった。
ロレーナはマイラから、動きやすいキュロットと、シャツ。風をしのぐ短めのマント。歩きやすいブーツを買ってもらった。
とても動きやすいし、何よりパティの装いに似ているのでロレーナはとても満足した。
ロレーナがなけなしの小遣いで支払いをしようとすると、会計はすでにマイラが払ってくれていた。
今日初めて出会った人に服を買ってもらうわけにはいかないとロレーナがしぶると、マイラは微笑んで言った。
「ロレーナが私に感謝してくれるというなら、ロレーナが立派な冒険者になった時、新人冒険者が困っていたら手を貸してあげて?それが私への何よりのお礼よ?」
ロレーナは目頭が熱くなるのを感じた。血はつながっていなくとも、さすがパティの姉だ。ロレーナは涙がこぼれないように注意しながら大きくうなずいた。
マイラはロレーナのよき応援者にもなってくれた。マイラはとびきりの笑顔をロレーナに向けた。
「ねぇ、ロレーナ。エラルドは恋人はいるの?」
「お兄ちゃん?私の知るかぎりではいないわ。私の看病でずっと忙しかったから」
「そう。ねぇ、ロレーナ。エラルドとパティってお似合いだと思わない?」
ロレーナは驚いてマイラを見上げた。マイラは魅力的な笑顔でロレーナの返事を待っている。
「マ、マイラさん!お兄ちゃんがパティの恋人になってもいいの?!」
「まぁ、それはエラルドの成長次第だけどね?ロレーナはお兄さんを取られたくないって思う?」
「ううん、全然!私パティが大好きなの!だからパティに本当のお姉ちゃんになってほしいの!」
「それはまだ早い」
「はい!ごめんなさい」
どうやらマイラは、パティの恋人候補としてエラルドに白羽の矢を立てたようだ。だが結婚するとなるとまた話しは違ってくるらしい。これはことを慎重に運ばなければいけない。
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