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パティの武器2
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「ちょっと待ってよ!パティの特訓ってこれから?もう夜じゃない。今夜はパティとデイジーと一緒にお泊まり会するんだから別な日にしてよ!」
それまで黙って事の成り行きを見守っていたマイラが大声をあげた。今夜パティたちは、マイラの家に泊めてもらう予定だったのだ。
パティは突然のエリオの宣言に固まってしまった。パティの杖の特訓をしてくれるのは嬉しい。だがもう夜だし、付き合わされるコジモたちにも申し訳ない。事前にパティたちが泊まれるように準備してくれたマイラにも迷惑がかかってしまう。
言い出したら聞かないエリオはマイラをにらんで言った。
「お泊まり会ならいつでもできるだろう?俺たちがパティの特訓につきあえる時間はあまりねぇ!ここは俺たちに譲れ!」
マイラは顔をしかめて、エリオにさらに何か言おうとすると、デイジーが彼女を止めた。
「マイラ。特訓が終わったら、すぐにパティたちと貴女の所に向かうわ。だからあたしたちを行かせて?」
親友にこう言われてマイラは黙ってしまった。
こうしてパティたちは、せわしないエリオに連れられて城下町近くの森の中に入った。
街の光のない森の中は真っ暗だった。エリオはマックスにお願いして火の玉をたくさん出してもらった。
マックスの火魔法で作り出された火の玉はぷかぷかと空中に浮いて、森の中を淡く照らした。
エリオはパティに向かって言った。
「パティ、これからお前に杖の訓練を行う」
「はい!よろしくお願いします!」
エリオはニヤリと笑ってうなずいてからデイジーに声をかけた。
「デイジー。杖を持ったパティと戦え。真剣でだ」
「はぁ?!真剣でなんてできるわけないでしょ?!パティがケガしたらどうすんのよ!」
エリオの後ろに立っていたデイジーは、エリオの命令に怒って反論する。エリオは怒るデイジーをうるさそうににらんで答えた。
「はぁ?パティにケガさせるって思うならデイジーの剣技がその程度って事だよ。ならお前の剣を貸せ。俺が手本を見せてやる」
デイジーは小さく舌打ちをすると、腰の剣を抜き、エリオに向かって無造作に投げた。パティはキャッと悲鳴をあげた。デイジーの投げた剣が、エリオに刺さってしまうのではないかと思ったからだ。
エリオは剣の行方に目もくれずに、空中でつかを握り構えた。パティもならって杖を構える。
パティは背筋がヒヤリと寒くなった。これまで杖の対戦練習はすべて模擬刀で行われていた。
目の前のエリオが構えているのは紛れもない真剣だ。もし刃に触れてしまえば、パティの指や手は簡単に切り離されてしまうだろう。
エリオは険しい視線をパティにくれながら言った。
「パティ。俺がパティにケガをさせないと断言できるのは、パティが杖の扱いを型通りにできるとふんだからだ。もしパティは真剣に恐れをなしてタイミングが一つでもずれれば、パティの腕は吹っ飛ぶって考えろ」
「!。はい!」
それまで黙って事の成り行きを見守っていたマイラが大声をあげた。今夜パティたちは、マイラの家に泊めてもらう予定だったのだ。
パティは突然のエリオの宣言に固まってしまった。パティの杖の特訓をしてくれるのは嬉しい。だがもう夜だし、付き合わされるコジモたちにも申し訳ない。事前にパティたちが泊まれるように準備してくれたマイラにも迷惑がかかってしまう。
言い出したら聞かないエリオはマイラをにらんで言った。
「お泊まり会ならいつでもできるだろう?俺たちがパティの特訓につきあえる時間はあまりねぇ!ここは俺たちに譲れ!」
マイラは顔をしかめて、エリオにさらに何か言おうとすると、デイジーが彼女を止めた。
「マイラ。特訓が終わったら、すぐにパティたちと貴女の所に向かうわ。だからあたしたちを行かせて?」
親友にこう言われてマイラは黙ってしまった。
こうしてパティたちは、せわしないエリオに連れられて城下町近くの森の中に入った。
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マックスの火魔法で作り出された火の玉はぷかぷかと空中に浮いて、森の中を淡く照らした。
エリオはパティに向かって言った。
「パティ、これからお前に杖の訓練を行う」
「はい!よろしくお願いします!」
エリオはニヤリと笑ってうなずいてからデイジーに声をかけた。
「デイジー。杖を持ったパティと戦え。真剣でだ」
「はぁ?!真剣でなんてできるわけないでしょ?!パティがケガしたらどうすんのよ!」
エリオの後ろに立っていたデイジーは、エリオの命令に怒って反論する。エリオは怒るデイジーをうるさそうににらんで答えた。
「はぁ?パティにケガさせるって思うならデイジーの剣技がその程度って事だよ。ならお前の剣を貸せ。俺が手本を見せてやる」
デイジーは小さく舌打ちをすると、腰の剣を抜き、エリオに向かって無造作に投げた。パティはキャッと悲鳴をあげた。デイジーの投げた剣が、エリオに刺さってしまうのではないかと思ったからだ。
エリオは剣の行方に目もくれずに、空中でつかを握り構えた。パティもならって杖を構える。
パティは背筋がヒヤリと寒くなった。これまで杖の対戦練習はすべて模擬刀で行われていた。
目の前のエリオが構えているのは紛れもない真剣だ。もし刃に触れてしまえば、パティの指や手は簡単に切り離されてしまうだろう。
エリオは険しい視線をパティにくれながら言った。
「パティ。俺がパティにケガをさせないと断言できるのは、パティが杖の扱いを型通りにできるとふんだからだ。もしパティは真剣に恐れをなしてタイミングが一つでもずれれば、パティの腕は吹っ飛ぶって考えろ」
「!。はい!」
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