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マフサの誓い
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今回の依頼もいつもと変わらない簡単なはずだった。火剣の掃除屋という、いきがった剣士を丸焼きにして殺すという。
だがこの依頼を受けた事により、マフサの人生は一変してしまった。
火剣の掃除屋は顔を布で隠した卑怯な男だった。剣がやたら強く、しかもマフサと同じ火魔法を使ったのだ。
マフサの両手は、火剣の掃除屋により無惨にも切り離されてしまった。両手から大量出血をし、あわや命を落とす段になって突然パティがあらわれた。
穢らわしい忌子のパティ。ずっと殺してやりたかった女。パティは偉そうにマフサの命を助けると言った。
マフサはこの世界で選ばれた人間だ。このまま自分は死ぬわけがないと確信していた。
マフサは自分の命を助けるようパティに命令した。パティはうす汚いケモノを使ってマフサの命を助けた。
だがマフサの命の次に大事な魔法を奪ったのだ。
マフサはその場に膝をついて、ぼんやりと目の前の両手を見下ろした。とても不思議な感覚だった。
十五年間共に過ごしてきた両手。その両手が目の前に転がっている。剣によって切り取られた傷口からは、今もなおドクドクと血が流れていた。
マフサはふと新しい手を差し伸べて、かつての手に触れてみた。まだ温かい。
その温もりを感じた途端、これが現実だと痛感した。悲しみは怒りに、喉の奥からは獣のうなり声のような咆哮がほとばしった。
「ううぅ、グワァー!」
衝動的に胸元に入れていた短剣を取り出し喉につき立て引き裂こうとしたが、すんでのところで手を止めた。
何故この俺が自害などするのか。神から選ばれたこの俺が。
マフサの怒りはほとばしりそうな激情から、グツグツと火を吹くマグマに変わった。
このままでは死ねない。マフサをこんな目にあわせた奴らを皆殺しにしなければ。
火剣の掃除屋は顔が隠され居場所もわからない。だがパティは別だ。
パティはきっとドミノ村のジョナサン神父の元に帰ってくるだろう。その時に確実に殺してやる。ただ殺すだけでは飽きたらない。そうだ、パティの目の前でジョナサンを殺してやろう。
パティはきっと心の底から悲しむだろう。その時にズタズタに引き裂いて殺してやればいい。
パティの最期を想像して、マフサの溜飲は少しだけ下がった。
マフサは転がっている自分の両手を、布で丁寧にくるんでから荷物の中に入れると、歩き出した。
だがこの依頼を受けた事により、マフサの人生は一変してしまった。
火剣の掃除屋は顔を布で隠した卑怯な男だった。剣がやたら強く、しかもマフサと同じ火魔法を使ったのだ。
マフサの両手は、火剣の掃除屋により無惨にも切り離されてしまった。両手から大量出血をし、あわや命を落とす段になって突然パティがあらわれた。
穢らわしい忌子のパティ。ずっと殺してやりたかった女。パティは偉そうにマフサの命を助けると言った。
マフサはこの世界で選ばれた人間だ。このまま自分は死ぬわけがないと確信していた。
マフサは自分の命を助けるようパティに命令した。パティはうす汚いケモノを使ってマフサの命を助けた。
だがマフサの命の次に大事な魔法を奪ったのだ。
マフサはその場に膝をついて、ぼんやりと目の前の両手を見下ろした。とても不思議な感覚だった。
十五年間共に過ごしてきた両手。その両手が目の前に転がっている。剣によって切り取られた傷口からは、今もなおドクドクと血が流れていた。
マフサはふと新しい手を差し伸べて、かつての手に触れてみた。まだ温かい。
その温もりを感じた途端、これが現実だと痛感した。悲しみは怒りに、喉の奥からは獣のうなり声のような咆哮がほとばしった。
「ううぅ、グワァー!」
衝動的に胸元に入れていた短剣を取り出し喉につき立て引き裂こうとしたが、すんでのところで手を止めた。
何故この俺が自害などするのか。神から選ばれたこの俺が。
マフサの怒りはほとばしりそうな激情から、グツグツと火を吹くマグマに変わった。
このままでは死ねない。マフサをこんな目にあわせた奴らを皆殺しにしなければ。
火剣の掃除屋は顔が隠され居場所もわからない。だがパティは別だ。
パティはきっとドミノ村のジョナサン神父の元に帰ってくるだろう。その時に確実に殺してやる。ただ殺すだけでは飽きたらない。そうだ、パティの目の前でジョナサンを殺してやろう。
パティはきっと心の底から悲しむだろう。その時にズタズタに引き裂いて殺してやればいい。
パティの最期を想像して、マフサの溜飲は少しだけ下がった。
マフサは転がっている自分の両手を、布で丁寧にくるんでから荷物の中に入れると、歩き出した。
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