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杖の修行5
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エラルドはロレーナとパティの顔を交互に見比べてから言った。
「ロレーナが俺と打ち合いをした時、お前はピョンピョンと飛び上がって、俺に剣を打ち込んでいたな?」
「ええ、そうよ。だってお兄ちゃんの方が身長が高いんだもの」
「バカ者。相手と張り合うなど愚の骨頂だ。ロレーナ、お前は身体が小さい。ならばそれを利点に戦え」
「身体が小さい利点?」
「ああ、身体が小さいというのはパティにも言える事だが。ロレーナとパティはまだ子供で身長も低い。ならば相手の足を狙え」
「うん、それならできるかも。だけどね、お兄ちゃん。私がお兄ちゃんの足や胴体に剣を打ち込んでも、お兄ちゃんはびくともしないじゃない。お兄ちゃんにダメージを与えなければ、お兄ちゃんの間合いに入った私が倒されちゃうじゃない」
「相手にダメージを与える攻撃をすればいいだろう」
「それができないから言ってるの!」
ロレーナはエラルドの剣の弟子だが、妹でもあるので容赦がない。ロレーナはエラルドよりも口が達者なのだ。
エラルドはググッとうなってからため息をついた。
「ロレーナ、お前は自分が小さいから強い打ち込みができないと言っているのか?」
ロレーナがコクリとうなずく。パティも心の中でうなずいた。パティが何度もエラルドに杖を打ち込んでも、まるで木の葉のように払いのけられてしまうのだ。
エラルドは再びため息をついてから言った。
「ロレーナ、パティ。お前たちは俺の指導を受けているのに、ちっとも理解をしていない。どんなに身体が小さかろうと、どんなに力が無かろうと、大きく力の強い相手を倒す事は可能だ」
エラルドの言葉にパティとロレーナはきょとんとしてしまった。そんな事できるわけないと考えていたからだ。エラルドはパティたちがまるで理解していないとわかると再び話し出した。
「ロレーナとパティは剣の型を最初に行うだろう」
パティはロレーナと一緒にコクリとうなずいた。剣の修行をする時、準備運動の後、パティとロレーナは剣の型にかなりの時間をかける。エラルドはパティとロレーナが剣の振りかぶり、振り下ろしの動きを、一呼吸ごとに止めて細かく直していく。
パティたちはその間、同じ姿勢でじっと耐えていなければならない。模擬刀といっても大きな木製の剣だ。同じ姿勢を続けているうちに、腕はパンパンになる。
エラルドは剣の型こそが大きな相手を倒す力だと言うのだ。
「ロレーナが俺と打ち合いをした時、お前はピョンピョンと飛び上がって、俺に剣を打ち込んでいたな?」
「ええ、そうよ。だってお兄ちゃんの方が身長が高いんだもの」
「バカ者。相手と張り合うなど愚の骨頂だ。ロレーナ、お前は身体が小さい。ならばそれを利点に戦え」
「身体が小さい利点?」
「ああ、身体が小さいというのはパティにも言える事だが。ロレーナとパティはまだ子供で身長も低い。ならば相手の足を狙え」
「うん、それならできるかも。だけどね、お兄ちゃん。私がお兄ちゃんの足や胴体に剣を打ち込んでも、お兄ちゃんはびくともしないじゃない。お兄ちゃんにダメージを与えなければ、お兄ちゃんの間合いに入った私が倒されちゃうじゃない」
「相手にダメージを与える攻撃をすればいいだろう」
「それができないから言ってるの!」
ロレーナはエラルドの剣の弟子だが、妹でもあるので容赦がない。ロレーナはエラルドよりも口が達者なのだ。
エラルドはググッとうなってからため息をついた。
「ロレーナ、お前は自分が小さいから強い打ち込みができないと言っているのか?」
ロレーナがコクリとうなずく。パティも心の中でうなずいた。パティが何度もエラルドに杖を打ち込んでも、まるで木の葉のように払いのけられてしまうのだ。
エラルドは再びため息をついてから言った。
「ロレーナ、パティ。お前たちは俺の指導を受けているのに、ちっとも理解をしていない。どんなに身体が小さかろうと、どんなに力が無かろうと、大きく力の強い相手を倒す事は可能だ」
エラルドの言葉にパティとロレーナはきょとんとしてしまった。そんな事できるわけないと考えていたからだ。エラルドはパティたちがまるで理解していないとわかると再び話し出した。
「ロレーナとパティは剣の型を最初に行うだろう」
パティはロレーナと一緒にコクリとうなずいた。剣の修行をする時、準備運動の後、パティとロレーナは剣の型にかなりの時間をかける。エラルドはパティとロレーナが剣の振りかぶり、振り下ろしの動きを、一呼吸ごとに止めて細かく直していく。
パティたちはその間、同じ姿勢でじっと耐えていなければならない。模擬刀といっても大きな木製の剣だ。同じ姿勢を続けているうちに、腕はパンパンになる。
エラルドは剣の型こそが大きな相手を倒す力だと言うのだ。
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