究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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杖の修行4

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「お兄ちゃん、もうやめて」
「何故だ、パティの稽古は始まったばかりだぞ」

 ロレーナは兄をにらみつけながら、横目でパティをチラリと見下ろした。

「パティの右手、すごく腫れてるわ。骨折しているかもしれない」
「骨折ではない。ただの打撲だ」

 パティの右手を一目見たエラルドは断言して言った。パティは腫れている自身の右手を見た。これは完全に自分のせいだ。早くエラルドの攻撃を受けようとして、自分でぶつけてしまったのだ。

 パティの肩にとまったピンキーがピイピイと鳴いた。治癒魔法をしてあげるというのだ。

 せっかくエラルドが稽古をつけてくれているのに、これではちっとも稽古にならない。パティはピンキーたちにお願いと言った。パティの身体が輝きだす。

 激痛だった右手も、呼吸できないほど痛かった右のわき腹もすぐに完治した。パティはピンキーたちにありがとうと言ってから立ち上がって。

「エラルド、待たせてごめんなさい。稽古を続けてください」

 エラルドはジロジロとパティとピンキーたち、ロレーナを見た。皆エラルドをにらんでいる。これではまるでパティがエラルドにいじめられていて、マックスたちとロレーナが止めに入っている図だ。

 パティはピンキーたちとロレーナに、自分は大丈夫だと言おうとすると、エラルドが口を開いた。

「パティ。今のお前では稽古中に大けがをしてしまう。悪い事は言わない、強くなろうと考えるな。マックスたちに守ってもらえ」

 エラルドの言葉に、パティはクッと言葉を詰まらせた。エラルドの言う通りなのかもしれない。パティは手加減してくれているエラルドに怯えてばかりだ。

 パティをかばうように立っていてロレーナが大声で叫ぶ。

「お兄ちゃん!何でそんな事言うの?!パティはこんなに頑張ってるのに!」
「パティが俺の恩人だからだ。俺はパティに死んでほしくない。俺の教えたなまはんかな技術で、パティに死んでほしくないんだ」
「・・・。お兄ちゃんの言っている事もわかる。パティは私にとっても大切な人だもの。だけど、だけどね、パティと一緒に稽古してて、パティは少しずつ強くなっているの!そもそもパティがお兄ちゃんみたいな大きな男の人を倒せるわけないでしょ?!」
「何を言ってるんだ、ロレーナ!お前は戦う相手を身体の大きさと性別で選ぶのか?!この相手は大きい男だからやめた。この相手は弱そう女だから戦おうだなんて思っているのか?!」
「違うわよ!私はもっともっと稽古して、どんな相手にも負けない剣士になるんだから!だけどね、今の私とパティじゃ、お兄ちゃんの重い剣をはじく事なんてできないのよ!」
「それは違うぞ、ロレーナ」

 それまで声を荒げていたエラルドが静かな声で言った。妹を見た後、パティにも視線を向ける。パティにも聞けというのだ。


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