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パティの武器4
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パティの肩にはピンキーがとまり、反対の膝にはチャーミーが前脚をちょこんと置いていた。
それまでチャーミーの背中に乗っていたアクアは、チャーミーの背中から転がり落ちると、パティの膝の上によじ登ってきた。
きっと精神状態が不安定になったパティを心配して来てくれたのだろう。
パティの大切な友達。パティは彼らを守るためなら、暴力を振るう事をためらわないだろう。たとえ暴力がおぞましい行為だったとしても。
不意にパティの右手が熱くなった。手を見ると、エラルドがパティの手を握りしめていた。エラルドの手はとても熱かった。いや、きっとパティの手が冷たいからだろう。
エラルドは真剣な目をパティを見て言った。
「パティが友を守ろうとする気持ちは、崇高なものだ。パティをしいたげていたドミノ村の連中は、自分たちよりも下と見定めた者をいたぶって、あたかも自身が偉くなったと錯覚したいだけの愚かな連中だ。パティの崇高な精神と、ドミノ村の愚劣な連中の考えを一緒にしてはだめだ」
「・・・、エラルド」
「パティ。お前はマックスたちを守るために強くなるんだ。マックスたちはパティの友だ。そして、俺もロレーナもパティの友でありたいと願っている」
エラルドの言葉に、パティの胸はカアッと熱くなった。呼吸の苦しさは消えていた。かわりに、涙がボロボロあふれてきた。
「エ、エラルド、ありが、」
「パティ!どうしたの?!」
パティがエラルドに感謝の言葉を言おうとした時、誰かが叫んだ。声の方を振り向くと、走りに行っていたロレーナだった。
よっぽど急いで帰ってきたようで、顔が真っ赤だった。ロレーナは、パティの手を握りしめているエラルドの手を振りほどいて言った。
「パティ、どうしたの?!お兄ちゃんにいじめられたの?!」
「ち、違う。私は、」
「パティ!泣いてるじゃない!」
パティはロレーナの誤解を早くとかなければと思うのに、どうしても涙が止まらなかった。
泣いているパティを見て、ロレーナはパティを抱きしめてエラルドをにらんだ。
「お兄ちゃん!いくらお兄ちゃんでもパティをいじめたら私が許さないんだからね!」
「む!俺はパティをいじめていないぞ!」
ロレーナの誤解に、全く思いいたらないエラルドは、ムッとした表情になって答えた。
パティは、この場にいるマックスたちも、エラルドもロレーナも、皆パティの事を気にかけてくれる事が嬉しくて嬉しくて感情がぐちゃぐちゃになっていた。
パティはロレーナに抱きつき、泣きながら叫んだ。
「違うのぉ、ロレーナ!エラルドはね、私の事はげましてくれたのぉ!だけど、ロレーナァ、私の事守ろうとしてくれてありがとぉう!皆、皆ありがとぉう!うわぁぁん!」
パティの中の冷静な自分が苦笑いする。最近自分は泣いてばかりだ。誰かに嬉しい事を言われたら、感情がたかぶって泣き出してしまうのだ。
何故パティがこのようになってしまったのか、よく理解している。
パティは物心ついた時から、心を殺して生きてきた。どんなにひどい言葉を言われても、殴られてもけられても、何も感じないようにしていた。
それだけが地獄のようなドミノ村での生活で、パティが生き抜ける手段だった。
新しい世界に出てパティは変わった。いや、パティを取り囲む周りの環境が激変したのだ。
パティの周りには、パティに優しくしてくれる人たちがたくさんいたのだ。
それまでチャーミーの背中に乗っていたアクアは、チャーミーの背中から転がり落ちると、パティの膝の上によじ登ってきた。
きっと精神状態が不安定になったパティを心配して来てくれたのだろう。
パティの大切な友達。パティは彼らを守るためなら、暴力を振るう事をためらわないだろう。たとえ暴力がおぞましい行為だったとしても。
不意にパティの右手が熱くなった。手を見ると、エラルドがパティの手を握りしめていた。エラルドの手はとても熱かった。いや、きっとパティの手が冷たいからだろう。
エラルドは真剣な目をパティを見て言った。
「パティが友を守ろうとする気持ちは、崇高なものだ。パティをしいたげていたドミノ村の連中は、自分たちよりも下と見定めた者をいたぶって、あたかも自身が偉くなったと錯覚したいだけの愚かな連中だ。パティの崇高な精神と、ドミノ村の愚劣な連中の考えを一緒にしてはだめだ」
「・・・、エラルド」
「パティ。お前はマックスたちを守るために強くなるんだ。マックスたちはパティの友だ。そして、俺もロレーナもパティの友でありたいと願っている」
エラルドの言葉に、パティの胸はカアッと熱くなった。呼吸の苦しさは消えていた。かわりに、涙がボロボロあふれてきた。
「エ、エラルド、ありが、」
「パティ!どうしたの?!」
パティがエラルドに感謝の言葉を言おうとした時、誰かが叫んだ。声の方を振り向くと、走りに行っていたロレーナだった。
よっぽど急いで帰ってきたようで、顔が真っ赤だった。ロレーナは、パティの手を握りしめているエラルドの手を振りほどいて言った。
「パティ、どうしたの?!お兄ちゃんにいじめられたの?!」
「ち、違う。私は、」
「パティ!泣いてるじゃない!」
パティはロレーナの誤解を早くとかなければと思うのに、どうしても涙が止まらなかった。
泣いているパティを見て、ロレーナはパティを抱きしめてエラルドをにらんだ。
「お兄ちゃん!いくらお兄ちゃんでもパティをいじめたら私が許さないんだからね!」
「む!俺はパティをいじめていないぞ!」
ロレーナの誤解に、全く思いいたらないエラルドは、ムッとした表情になって答えた。
パティは、この場にいるマックスたちも、エラルドもロレーナも、皆パティの事を気にかけてくれる事が嬉しくて嬉しくて感情がぐちゃぐちゃになっていた。
パティはロレーナに抱きつき、泣きながら叫んだ。
「違うのぉ、ロレーナ!エラルドはね、私の事はげましてくれたのぉ!だけど、ロレーナァ、私の事守ろうとしてくれてありがとぉう!皆、皆ありがとぉう!うわぁぁん!」
パティの中の冷静な自分が苦笑いする。最近自分は泣いてばかりだ。誰かに嬉しい事を言われたら、感情がたかぶって泣き出してしまうのだ。
何故パティがこのようになってしまったのか、よく理解している。
パティは物心ついた時から、心を殺して生きてきた。どんなにひどい言葉を言われても、殴られてもけられても、何も感じないようにしていた。
それだけが地獄のようなドミノ村での生活で、パティが生き抜ける手段だった。
新しい世界に出てパティは変わった。いや、パティを取り囲む周りの環境が激変したのだ。
パティの周りには、パティに優しくしてくれる人たちがたくさんいたのだ。
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