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パティの妹

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 パティは大きくなったピンキーの背中に乗っていた。マックスとチャーミーはアクアと一緒にショルダーバックに入っている。

 もう辺りは真っ暗で、夜も遅かった。それでもパティはある場所に向かった。月明かりに照らされたパティの眼下に、ぼんやりと小さな家の屋根が見えた。

 パティはピンキーにお願いしてゆっくりと地上に降りた。小さくなったピンキーがパティの肩にとまると、パティは控えめに家のドアをノックした。

 勢いよくドアが開くと、中から元気なロレーナが飛び出してきた。

「パティ!皆!お帰りなさい」
「ただいま、ロレーナ。遅くなってごめんね?」

 パティはロレーナの小さな身体を抱きしめながら答えた。家の奥からエラルドが笑顔で出迎えてくれた。

「お帰り、パティ。仕事大変だったな」
「ううん。商人の馬車の護衛の仕事だもの。危険もなく終了したわ」

 ロレーナはパティの手をグイグイ引っ張って、テーブルにつかせた。

「パティ、夕ご飯まだでしょ?今日のお夕飯は私も手伝ったんだからね!食べて食べて」
「ロレーナ。私たちを待っていてくれたの?ごめんなさい、お腹がすいたでしょ?」

 申し訳なさそうにするパティを無視して、ロレーナはテキパキと夕食の準備をする。エラルドは苦笑しながら言った。

「今日はパティたちは遅くなるから、先に食事にしようと言っても、ロレーナがきかないんだ」

 パティはクスリと笑ってエラルドとロレーナと一緒に遅い夕食を食べた。マックスたちはエラルドが収穫しておいてくれた野菜を食べている。

 エラルドの作る料理は、ロレーナが手伝うようになってから格段に美味しくなった。

 ロレーナは元気よく野菜たっぷりのスープを食べている。

 パティは目の端でロレーナの元気な姿を見て、無意識に微笑んだ。ロレーナの回復魔法を開始してから一カ月が経とうとしている。

 ロレーナは目に見えて回復した。病気だった頃のロレーナは、美しいがはかなげな女の子だった。

 病気を克服したロレーナは、太陽の下で自由に咲きほこるバラのように美しかった。

 紙のように白かった頬はピンク色になり、紫色だったくちびるはバラ色に。ロレーナはきらめくような美少女になった。

 パティはロレーナが可愛くて可愛くて仕方なかった。パティにはマイラとデイジーという優しい姉たちがいる。

 マイラとデイジーは、パティの事を可愛い可愛いといって甘やかしてくれる。

 姉たちに甘やかしてもらえるのはとても嬉しい。だがたまに考えてしまうのだ。自分の妹を猫可愛がりしたいという願望が。

 パティはロレーナを妹にしたくて仕方なかったのだ。

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