究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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ロレーナの思い3

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 ロレーナはゆっくりとベッドから降り、立ちあがった。少しふらふらするが、両足に力を入れてしっかりと立った。

 パティが微笑んで部屋のドアを開けてくれる。台所では兄が慣れない手つきで食事を作ってくれていた。

 兄の背中が、亡くなった母の背中と重なる。ドアが開いた事に気づいたエラルドが振り向いて、息をのむのがわかった。

「ロレーナ!お前、歩けるのか?」
「・・・。お兄ちゃん、私、病気治った」

 エラルドは何ともおかしな顔をした。エラルドはまるでロレーナに許しをこうように、足元にひざまずいて言った。

「ロレーナは、ロレーナはずっと俺の側にいてくれるんだよな?もう、俺を置いていったりしないんだよな?」

 ロレーナがエラルドの側にずっといると答えると、彼は人目もはばからず涙を流した。ロレーナはエラルドを抱きしめながら誓った。

 これからは兄であるエラルドのささえになろうと。

 ロレーナは席について、兄とパティと一緒に夕食をとった。それまで流動食のようなものを食べていたので、兄の作った味の薄いスープがとでも美味しく感じられた。

 これからはロレーナが料理をしよう。兄のために美味しい料理を作ってあげるのだ。

 パティも、エラルドの作ったスープを美味しいと言ってくれた。パティの友達の子犬たちは、野菜を食べていた。

 エラルドは食事をしながら、なぜパティと出会ったのかを話してくれた。

 パティは危険な仕事をしているエラルドを心配して、助けに来てくれたのだ。ロレーナはパティがますます好きになった。パティともっと一緒にいたかった。だがパティは夕食を終えたら帰ってしまうだろう。

 ロレーナの病気が治った以上、エラルドは危険な仕事をしなくてよくなったからだ。ロレーナがさびしそうに食べ終わったスープボウルの底を見ていると、パティがこう切り出した。

「ねぇ、エラルド。ご迷惑でなければ、これから毎日ロレーナのところに来てもいい?」
「それは願ってもない事だが、何故だ?」

 エラルドは驚いた顔で質問した。ロレーナもびっくりしてパティを見た。パティは微笑んで答えた。

「マックスたちが言うにはね、ロレーナの回復魔法は回数を分けてほどこさないといけないんだって。だからね、これから毎日ロレーナのところに来たいの」
「・・・。俺たちとしてはありがたい。だが、そんな事をしてパティに何の得があるのだ?」

 エラルドの言う通りだ。ロレーナの長患いのせいで、この家には金どころか金目のものなど何一つないのだから。パティにお礼がしたくても、ロレーナたちは何も返す事ができないのだ。

 ロレーナは黙ったままパティを見ていると、パティはニコニコ笑って答えた。

「あら、私はエラルドとロレーナとお友達になりたいと思っているのよ?お友達にお礼を要求するなんておかしいわ」

 友達。ロレーナは胸がカアッと熱くなった。ロレーナは小さい頃からずっと望んでいたのだ。一緒に遊んでくれる友達がほしいと。

 パティはロレーナに振り向いて言った。

「ねぇ、ロレーナ。私とお友達になってくれない?」

 ロレーナは両手をギュッと胸に押しつけてうめくように答えた。

「私も、私も、パティと友達になりたい!」

 パティは美しい笑顔でうなずいた。

 

 


 
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