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マフサ
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マフサは身体全体に自信と魔力が満ちあふれているのを感じた。
十歳の時、神から受け取った《ファイヤーハンド》の魔法は、年が経つにつれ強力になっていった。
冒険者になってからは、自身の魔法を存分に発揮した。ちまたにあふれる犯罪者たちは、マフサの敵ではなかった。マフサが炎の魔法を使えば、皆震え上がって命乞いをした。
マフサはさも寛大に命を助けるような素振りを見せてから、ホッと気持ちのゆるんだ犯罪者を焼き殺す事が楽しくで仕方なかった。
マフサの噂を聞きつけた犯罪者集団が、マフサに依頼を持ちかけてきたのは、ほんの少し前の事だった。
マフサが冒険者協会から多額の報酬を受け取り、使いっぱりしのトマをしたがえて、はぶりよく金を使っている時だった。
一目でかたぎではないとわかるガラの悪い男に打診されたのだ。火剣の掃除屋を殺してほしいと。
火剣の掃除屋の話はマフサも噂だけは知っていた。恐ろしく剣の強い男で、正義の味方気取りなのか、金持ちの依頼を受けて、殺し屋や犯罪者を打ち負かしていた。
しかも殺しはしないというポリシーを持っているようだ。腕を斬って剣を持てないようにするだけで、命だけは取る事をしなかった。
その偽善者ぶりがマフサの気に触った。そんな奴は消し炭になるまで燃やしてやる。
マフサは犯罪者集団からの依頼を受ける事にした。マフサは冒険者なので、犯罪者集団は、正規に冒険者協会に依頼を出し、マフサが偶然その依頼を受けるようにした。
作戦はトントン拍子に進み、ついに火剣の掃除屋を焼き殺す日になった。
マフサは空を飛んでいた。のんびりと歩くような速度で。マフサを抱えているトマは、ヒィヒィ言いながら空を飛んでいる。
トマの魔法は《フライ》。自身が空を飛ぶ魔法だ。空を飛べるなどと聞こえはいいが、トマの魔法はゴミ以下だ。
トマは自分一人だと、走るくらいの速さでしか飛べないし、マフサをかかえては歩くくらいの速度しかでない。
マフサの魔法は日に日に向上しているというのに、トマの魔法はちっとも上達の兆しを見せない。
近頃マフサは、トマのような役立たずを追い払って、トマよりも腕のいい《フライ》の魔法を使う者と組もうと考えている。
そろそろおとりになる犯罪者と待ち合わせの森まっでやって来た。マフサはトマに怒鳴って地上に降りるように指示した。
十歳の時、神から受け取った《ファイヤーハンド》の魔法は、年が経つにつれ強力になっていった。
冒険者になってからは、自身の魔法を存分に発揮した。ちまたにあふれる犯罪者たちは、マフサの敵ではなかった。マフサが炎の魔法を使えば、皆震え上がって命乞いをした。
マフサはさも寛大に命を助けるような素振りを見せてから、ホッと気持ちのゆるんだ犯罪者を焼き殺す事が楽しくで仕方なかった。
マフサの噂を聞きつけた犯罪者集団が、マフサに依頼を持ちかけてきたのは、ほんの少し前の事だった。
マフサが冒険者協会から多額の報酬を受け取り、使いっぱりしのトマをしたがえて、はぶりよく金を使っている時だった。
一目でかたぎではないとわかるガラの悪い男に打診されたのだ。火剣の掃除屋を殺してほしいと。
火剣の掃除屋の話はマフサも噂だけは知っていた。恐ろしく剣の強い男で、正義の味方気取りなのか、金持ちの依頼を受けて、殺し屋や犯罪者を打ち負かしていた。
しかも殺しはしないというポリシーを持っているようだ。腕を斬って剣を持てないようにするだけで、命だけは取る事をしなかった。
その偽善者ぶりがマフサの気に触った。そんな奴は消し炭になるまで燃やしてやる。
マフサは犯罪者集団からの依頼を受ける事にした。マフサは冒険者なので、犯罪者集団は、正規に冒険者協会に依頼を出し、マフサが偶然その依頼を受けるようにした。
作戦はトントン拍子に進み、ついに火剣の掃除屋を焼き殺す日になった。
マフサは空を飛んでいた。のんびりと歩くような速度で。マフサを抱えているトマは、ヒィヒィ言いながら空を飛んでいる。
トマの魔法は《フライ》。自身が空を飛ぶ魔法だ。空を飛べるなどと聞こえはいいが、トマの魔法はゴミ以下だ。
トマは自分一人だと、走るくらいの速さでしか飛べないし、マフサをかかえては歩くくらいの速度しかでない。
マフサの魔法は日に日に向上しているというのに、トマの魔法はちっとも上達の兆しを見せない。
近頃マフサは、トマのような役立たずを追い払って、トマよりも腕のいい《フライ》の魔法を使う者と組もうと考えている。
そろそろおとりになる犯罪者と待ち合わせの森まっでやって来た。マフサはトマに怒鳴って地上に降りるように指示した。
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