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会議
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パティたちがアクアの水防御ドームに近づくと、パティたちが入れるくらいの入り口ができた。
パティたちが水防御ドームの中に入ると、デイジーが駆け寄ってパティを抱きしめた。
「パティ!大丈夫?!ケガは無い?!」
「大丈夫よ。デイジー」
パティはデイジーの背中に手を回して答えた。デイジーは腕をといてパティを見つめて言った。
「パティ、ありがとう。貴女たちのおかげで助かったわ」
パティの側にトグサがやってきて手に乗ったアクアを差し出した。パティはアクアを受け取ると、優しく抱きしめた。
「パティ、皆ありがとう。君たちのおかげで助かった」
トグサの感謝の言葉に、パティは激しく首を振って否定した。
「トグサさんたちこそ、私たちの事を助けようとしてくれてありがとうございます。でも、私たちはトグサさんのパーティに入れてもらった。私たちは、トグサさんの仲間なんですよね?!なら、私たちも一緒に戦わせてください!」
トグサは困ったような笑顔でパティに言った。
「ああ、勿論だ。パティたちは私たちの大切な仲間だ。だが、先ほどのパティたちの戦いを見ていると、君たちは盗賊を追い払うだけだった。君たちは人を傷つける覚悟がまだできていない。そのような心構えの君たちを戦闘に参加させるわけにはいかない」
パティはすぐさま否定しようとしたが、ググッと息を飲んで黙ってしまった。トグサの言う通りだったからだ。パティがマックスたちに指示したのは、あくまでも盗賊たちをこの場から退ける事。パティには盗賊たちを傷つけて戦闘不能にする事ができなかったのだ。
トグサは腰をかがめてパティの目線に合わせると、優しい笑顔で言った。
「パティ、君は冒険者になりたての新人だ。これからゆっくり成長していけばいいんだ。さぁ、パティたちはここから離れるんだ。いずれ盗賊たちが大人数でここに押し寄せる。デイジー、パティたちを安全なところに連れて行ってくれ」
「ええ、わかったわ」
トグサは視線をパティからデイジーに向けた。デイジーは深くうなずいてパティの側に近寄って手を出した。パティは身をよじって抵抗した。
「いや!私がここを離れたら、皆死ぬ気なんでしょ?!デイジーは、私のお姉さんになってくれたのに、私たちを安全な場所に連れて行ったらここに戻るつもりなんでしょ?!私は絶対にいや!私は皆から離れない!」
パティは大声を出しているうちに、涙がボロボロこぼれ落ちてきた。村を出て、パティに優しくしてくれた人たち。パティが大好きな人たちが死んでしまうかもしれない。そう考えたら涙があふれて仕方なかった。
「大丈夫だよ?パティ。俺たちだって冒険者だ。そう簡単に負けたりしないよ?」
エリオが明るい声で言った。パティは泣いている事が恥ずかしくて、手のこうで涙をふきながらエリオを見た。エリオは笑顔でパティの頭を撫でながら言った。
「まぁ、パティの魔法に比べて、俺たちのレベルの低い魔法じゃあ勝つのは難しいがな」
「違います!エリオさんたちの魔法はレベルが低いんじゃありません!私の《フレンド》だって、マックスたちだって、最初からすごい魔法が使えたわけじゃないんです!私は冒険者を志してから五年間、マックスたちと必死に魔法を特訓したんです。だから今冒険者としてここにいるんです!神さまから授かった力の限界を自分で決めるのはおかしいです!エリオさんたちの魔法はもっともっとすごいんです!」
パティは早口で言い終えると、ハァッと息を整えた。
パティたちが水防御ドームの中に入ると、デイジーが駆け寄ってパティを抱きしめた。
「パティ!大丈夫?!ケガは無い?!」
「大丈夫よ。デイジー」
パティはデイジーの背中に手を回して答えた。デイジーは腕をといてパティを見つめて言った。
「パティ、ありがとう。貴女たちのおかげで助かったわ」
パティの側にトグサがやってきて手に乗ったアクアを差し出した。パティはアクアを受け取ると、優しく抱きしめた。
「パティ、皆ありがとう。君たちのおかげで助かった」
トグサの感謝の言葉に、パティは激しく首を振って否定した。
「トグサさんたちこそ、私たちの事を助けようとしてくれてありがとうございます。でも、私たちはトグサさんのパーティに入れてもらった。私たちは、トグサさんの仲間なんですよね?!なら、私たちも一緒に戦わせてください!」
トグサは困ったような笑顔でパティに言った。
「ああ、勿論だ。パティたちは私たちの大切な仲間だ。だが、先ほどのパティたちの戦いを見ていると、君たちは盗賊を追い払うだけだった。君たちは人を傷つける覚悟がまだできていない。そのような心構えの君たちを戦闘に参加させるわけにはいかない」
パティはすぐさま否定しようとしたが、ググッと息を飲んで黙ってしまった。トグサの言う通りだったからだ。パティがマックスたちに指示したのは、あくまでも盗賊たちをこの場から退ける事。パティには盗賊たちを傷つけて戦闘不能にする事ができなかったのだ。
トグサは腰をかがめてパティの目線に合わせると、優しい笑顔で言った。
「パティ、君は冒険者になりたての新人だ。これからゆっくり成長していけばいいんだ。さぁ、パティたちはここから離れるんだ。いずれ盗賊たちが大人数でここに押し寄せる。デイジー、パティたちを安全なところに連れて行ってくれ」
「ええ、わかったわ」
トグサは視線をパティからデイジーに向けた。デイジーは深くうなずいてパティの側に近寄って手を出した。パティは身をよじって抵抗した。
「いや!私がここを離れたら、皆死ぬ気なんでしょ?!デイジーは、私のお姉さんになってくれたのに、私たちを安全な場所に連れて行ったらここに戻るつもりなんでしょ?!私は絶対にいや!私は皆から離れない!」
パティは大声を出しているうちに、涙がボロボロこぼれ落ちてきた。村を出て、パティに優しくしてくれた人たち。パティが大好きな人たちが死んでしまうかもしれない。そう考えたら涙があふれて仕方なかった。
「大丈夫だよ?パティ。俺たちだって冒険者だ。そう簡単に負けたりしないよ?」
エリオが明るい声で言った。パティは泣いている事が恥ずかしくて、手のこうで涙をふきながらエリオを見た。エリオは笑顔でパティの頭を撫でながら言った。
「まぁ、パティの魔法に比べて、俺たちのレベルの低い魔法じゃあ勝つのは難しいがな」
「違います!エリオさんたちの魔法はレベルが低いんじゃありません!私の《フレンド》だって、マックスたちだって、最初からすごい魔法が使えたわけじゃないんです!私は冒険者を志してから五年間、マックスたちと必死に魔法を特訓したんです。だから今冒険者としてここにいるんです!神さまから授かった力の限界を自分で決めるのはおかしいです!エリオさんたちの魔法はもっともっとすごいんです!」
パティは早口で言い終えると、ハァッと息を整えた。
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