究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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冒険者協会2

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 冒険者協会の内部は、一階建でとても広かった。長いカウンターには五人の受付が座っていた。

 パティは勝手がわからずキョロキョロしていると、真ん中に座っている受付の女性がニッコリ笑ってパティを手招いた。

「貴女、新人冒険者なの?」
「は、はい!あの、私、冒険者登録をしたくて!」

 パティはしどろもどろに口を開いて受付の女性を見て固まった。とても美しい女性だったからだ。パティが動かなくなったのを不思議に思ったのだろう。受付の女性は首をかしげて言った。

「お嬢ちゃん、どうしたの?」
「あ、あの、お姉さんがあんまり綺麗だったからびっくりしてしまって、」

 パティはとっさに思った事を話してしまった。受付の女性は驚いた顔をしてからケラケラ笑い出した。

「あはは、面白い子ねぇ。貴女だってとっても可愛いわよ?黒い髪と黒い瞳がとってもエキゾチックだわ」
「えっ?!私、可愛いですか?私、村では醜いとか、気味悪いとかいつも言われていたから、私は自分の事醜いんだと思っていました」
「そうなの?貴女の村は、私たちと美的感覚が違うのかしら?少なくとも王都では貴女は美少女って言われる見た目してるわよ?」

 受付の女性はウィンクしながら冒険者登録の書類を出してくれた。

 パティは受付の女性に教えてもらいながら一生懸命記入した。だが最後の行でパティはペンを止めてしまった。その欄には職業を記入しなければいけない。

 例えば戦士だとか武闘家だとか、弓使いだ。つまり自分がどんな能力で戦えるかを書かないといけないのだ。

 受付の女性はパティが手を止めた事に気づいて声をかけた。

「パティ、貴女の魔法は何ていうの?」
「はい、《フレンド》です」
「あら、肩に乗っている可愛いピンクのオウムが友達なのね?」
「はい!ピンキーだけじゃないんです。カバンの中にいるマックスにチャーミーにアクアも友達なんです!」
「キャァ!可愛い!この子たちまだ赤ちゃんなの?!」
「いいえ。城下町ではぐれないように小さくなってもらっているんです。あ、でもアクアはいつも小さいんです」

 パティは受付の女性に友達を可愛いとほめられた事が嬉しくて一生懸命説明した。女性はうんうんとうなずいてから言った。

「パティはピンキーたちと旅をするなら職業はテイマーなんてどうかしら?」

 テイマーとは、動物を使役する魔法を使う者の事だ。パティはうろたえながら答えた。

「でも、私ピンキーたちとしか話せないんです。他の動物の言葉はわからないんです」
「まぁ、職業なんて依頼を選ぶ時に関係するだけだから、とりあえずテイマーにしときなさいな」

 冒険者協会の受付の女性がそういうのだから、それで間違いはないのだろう。パティは職業欄にテイマーと書いた。

「おめでとう、パティ。貴女は今日から冒険者よ」

 受付の女性はニッコリわらった。
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