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神さまからの授かりもの

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 ついにこの日がやってきた。パティは緊張の面持ちで教会から学校に向かった。教会を出る前に、神父のジョナサンがパティに言った。

「パティ。神さまの導きがある事を願っているよ」
「はい、神父さま。行ってきます」

 学校に行くと、クラスメイトたちは皆緊張した表情だった。

 この日はクラスメイト一人一人が学校の集会所に呼ばれ、神さまから魔法を授かるのだ。

 緊張の面持ちの生徒たちは、教師に名前を呼ばれ教室から出ていく。しばらくすると生徒が戻って来た。クラスメイトは拍手で出迎え、神さまから授かった魔法を披露しろとせがんだ。生徒は手をぎゅっと握ると、手が光出した。手には小さな鉄の粒が握られていた。彼は鍛冶屋の息子だった。

 次に魔法を授かったのは農家の娘で、彼女は魔法で、彼女が手を握ると小さな植物の芽が飛び出した。

 次はマフサの番だった。彼は農家の息子だ。本来ならば植物魔法を授からなければいけないのに、彼は宣言通り火魔法を選択したようだ。

 マフサの手から小さな火が飛び出した。マフサは喜びの雄叫びをあげていた。親の指示に従ったクラスメイトたちは、自分の意志を突き通したマフサをうらやましそうに見つめていた。

 ようやくパティの番になった。男性教師はパティを集会場に連れて行く時、高圧的な態度で言った。

「パティは神父さまと同じ治癒魔法を授かるんだよな?」
「いえ、あの、」
「お前が村にいるためにはその選択肢しかないんだからな」
「・・・。はい」

 教師はパティをあからさまに嫌悪していた。パティがマフサにいじめられていても、見て見ぬふりをされていた。

 パティが集会場に行くと、学校の校長が待っていた。校長はパティに慈愛のこもった笑みを浮かべて、パティをうながした。パティが集会場の祭壇にひざまづいて祈りを捧げようとすると、校長がパティの耳元で囁いた。

「パティ、ジョナサンからの伝言だ。パティの好きな魔法を授かりなさい」

 パティは目頭が熱くなった。校長と神父のジョナサンは幼なじみで、仲が良かった。きっと神父のジョナサンは、校長にパティの事を頼んでいたのだろう。パティは小さくうなずいてから目を閉じ、手を組んだ。心の中で神さまに必死にお願いした。

 神さま、どうか私に、ずっと側にいてくれるお友達をください。

 パティが必死に祈っていると脳裏にある言葉が浮かんだ。《フレンド》。するとパティの目の前が激しく輝いた。

 パティはあまりのまぶしさにきつく目をつむった。ようやく光がおさまり、ゆっくりと目を開いて、パティはキャアッと声をあげた。

 そこにはシェパードの仔犬とロシアンブルーの仔猫、モモイロインコのひなに手のひらに乗ってしまうほど小さなチズガメがいた。

「あなたたちが私のお友達なの?!なんて可愛いの!ずっとずっと一緒にいてね?!」

 パティは感動のあまり泣きながら友達に言った。新しい友はキャンキャン、ミャーミャー、ピィピィ、プクプクと答えた。パティが両手を広げると、仔犬と仔猫が飛びついてきた。インコのひなとチズガメはよちよちと近寄ってきた。パティは仔犬と仔猫に頬ずりをすると、インコとコガメを優しく手のひらに乗せた。
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