51 / 87
マティアスとルイス
しおりを挟む
着飾ったレティシアはヴィヴィアンに連れられて別な部屋に移動した。そこには会いたかったマティアス王子とリカオン、それにマティアスそっくりな少年がいた。
「レティシア。帰ってきたんだな!マックスを連れてきてくれてありがとう!」
マティアス王子の満面の笑みに、レティシアの心はほんわかとあたたかくなる。
「マックスが言っていたぞ?レティシアがブラッシングしてくれて気持ち良かったって」
「えっ?!」
何故レティシアがマックスにした事をマティアスが知っているのだろうか。マティアスのとなりに立っていたリカオンと少年はギョッとした表情になった。
そういえばチップが言っていた。マティアスは馬と会話ができると。
リカオンはこの話題を変えたいらしく、肘でマティアスをつつきながら言った。
「レ、レティシア。見違えたな」
「ありがとうございます」
レティシアが軽くお辞儀をすると、リカオンのマティアスをこづく強さが強くなる。
「痛いぞ!何すんだよ!」
「お前がバカだからだ!レティシアを見て何か思わないのか?!」
「ん?。いつものレティシアだぞ?」
「だからぁ!服がいつもと違うだろ?!」
「おお、そうだな。ドレス着てるな」
「・・・。マティアス、お前、レティシアが綺麗だとか、そういう感想ないわけ?」
どうやらリカオンは、マティアスにレティシアを褒めさせたいようだ。マティアスはレティシアの装いの変化はあまり気にならないらしい。いたたまれないのでマティアスをけしかけるのはやめてほしい。
マティアスは周りの重苦しい雰囲気など一切意にかいさないようで、満面の笑顔で言った。
「おう、レティシアはいつも綺麗だ!」
レティシアは顔が爆発しそうになった。マティアスは今何と言ったのだろうか。レティシアの耳が正常に機能していれば、マティアスはレティシアの事を綺麗といったのだ。
固まったまま動けないでいるレティシアの肩に、温かい手が置かれる。振り向くとヴィヴィアンだった。
ヴィヴィアンは渋い顔でマティアスに言った。
「マティアス。今の返しは及第点です。正解は、レティシアお嬢さまはいつも綺麗だけど、今日は一段と綺麗だ、です」
「長ったらしいなぁ。そんな事より、レティシア。俺の弟の紹介がまだだったな?ルイスだ。仲良くしてやってくれ」
それまで青い顔をしていた少年が頬をばら色に染めて微笑んだ。マティアスが小さくなったような美少年だった。
「初めまして、レティシア嬢。ルイスと申します。兄がお世話になっています」
ルイスは優雅な仕草でお辞儀をした。レティシアもぎこちなさを残しながらのあいさつをした。
「お初にお目にかかります。ルイス第二王子殿下。レティシアと申します」
「レティシア。帰ってきたんだな!マックスを連れてきてくれてありがとう!」
マティアス王子の満面の笑みに、レティシアの心はほんわかとあたたかくなる。
「マックスが言っていたぞ?レティシアがブラッシングしてくれて気持ち良かったって」
「えっ?!」
何故レティシアがマックスにした事をマティアスが知っているのだろうか。マティアスのとなりに立っていたリカオンと少年はギョッとした表情になった。
そういえばチップが言っていた。マティアスは馬と会話ができると。
リカオンはこの話題を変えたいらしく、肘でマティアスをつつきながら言った。
「レ、レティシア。見違えたな」
「ありがとうございます」
レティシアが軽くお辞儀をすると、リカオンのマティアスをこづく強さが強くなる。
「痛いぞ!何すんだよ!」
「お前がバカだからだ!レティシアを見て何か思わないのか?!」
「ん?。いつものレティシアだぞ?」
「だからぁ!服がいつもと違うだろ?!」
「おお、そうだな。ドレス着てるな」
「・・・。マティアス、お前、レティシアが綺麗だとか、そういう感想ないわけ?」
どうやらリカオンは、マティアスにレティシアを褒めさせたいようだ。マティアスはレティシアの装いの変化はあまり気にならないらしい。いたたまれないのでマティアスをけしかけるのはやめてほしい。
マティアスは周りの重苦しい雰囲気など一切意にかいさないようで、満面の笑顔で言った。
「おう、レティシアはいつも綺麗だ!」
レティシアは顔が爆発しそうになった。マティアスは今何と言ったのだろうか。レティシアの耳が正常に機能していれば、マティアスはレティシアの事を綺麗といったのだ。
固まったまま動けないでいるレティシアの肩に、温かい手が置かれる。振り向くとヴィヴィアンだった。
ヴィヴィアンは渋い顔でマティアスに言った。
「マティアス。今の返しは及第点です。正解は、レティシアお嬢さまはいつも綺麗だけど、今日は一段と綺麗だ、です」
「長ったらしいなぁ。そんな事より、レティシア。俺の弟の紹介がまだだったな?ルイスだ。仲良くしてやってくれ」
それまで青い顔をしていた少年が頬をばら色に染めて微笑んだ。マティアスが小さくなったような美少年だった。
「初めまして、レティシア嬢。ルイスと申します。兄がお世話になっています」
ルイスは優雅な仕草でお辞儀をした。レティシアもぎこちなさを残しながらのあいさつをした。
「お初にお目にかかります。ルイス第二王子殿下。レティシアと申します」
20
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

公爵令嬢の私に騎士も誰も敵わないのですか?
海野幻創
ファンタジー
公爵令嬢であるエマ・ヴァロワは、最高の結婚をするために幼いころから努力を続けてきた。
そんなエマの婚約者となったのは、多くの人から尊敬を集め、立派な方だと口々に評される名門貴族の跡取り息子、コンティ公爵だった。
夢が叶いそうだと期待に胸を膨らませ、結婚準備をしていたのだが──
「おそろしい女……」
助けてあげたのにも関わらず、お礼をして抱きしめてくれるどころか、コンティ公爵は化け物を見るような目つきで逃げ去っていった。
なんて男!
最高の結婚相手だなんて間違いだったわ!
自国でも隣国でも結婚相手に恵まれず、結婚相手を探すだけの社交界から離れたくなった私は、遠い北の地に住む母の元へ行くことに決めた。
遠い2000キロの旅路を執事のシュヴァリエと共に行く。
仕える者に対する態度がなっていない最低の執事だけど、必死になって私を守るし、どうやらとても強いらしい──
しかし、シュヴァリエは私の方がもっと強いのだという。まさかとは思ったが、それには理由があったのだ。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる