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イグニア軍対ザイン王国軍
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ザラニがハッとして左右を見渡すと、いつの間にか、砂煙りをあげて近づいてくる二つの軍団があった。ザイン王国軍だ。
ザイン王国軍の戦法は猪突猛進のごとく、マティアス王子を先頭にした先制攻撃ばかりだった。
ザラニから向かって右側からマティアス王子率いる軍が近づいてくる。左側からは赤毛の馬に乗った騎士が率いている。
赤毛の馬に乗った騎士はどうでもいい、一番に対処すべきはマティアス王子だ。ザラニは右側に向き直り、マティアス王子軍を迎え討つ陣形を取った。いや、取ろうとしていた矢先、八十騎の騎士たちが吹っ飛んだ。
ザラニは遅れて、マティアス王子の風の剣に吹っ飛ばされた事に気づいた。吹っ飛ばされたのは人間のみで、馬たちは無傷だ。
驚いた事に、主を失った馬たちがフワフワと浮き上がって壁側に並んだ。どうやらこれもマティアス王子の風魔法のようだ。
ザラニたちイグニア軍はザイン軍にごっそり馬を略奪されてしまったのだ。これ以上マティアス王子に好きにさせてはいけない。ザラニは大声で叫んだ。
「魔法使いたちを前線に出せ!アンチ魔法を発動させて、マティアス王子の風魔法を無効化するのだ!」
マティアス王子の前に十人のフードの男たちが立ちはだかった。魔法使いたちは両手を前に突き出した。その直後、マティアス王子の風の剣がとまる。
「わっはっは!マティアス王子!風の剣が使えなければ、そなたはただの剣士にすぎない!潔く降参するがい、」
ザラニが言葉を言い終わらないうちに、マティアス王子はイグニア軍に突っ込んで来る。マティアス王子の剣が振り下ろされるたび、血しぶきがあがる。同時にイグニア軍の兵士たちの悲鳴があがった。
ザラニはマティアス王子の猛攻をぼう然と見ていた。マティアス王子は風の剣を防がれてもものすごく強い剣士だったのだ。
続いて赤毛の馬の騎士の軍団が到着する。赤毛の馬の騎士も次々とイグニア軍の兵士を斬り殺していた。
ザラニは驚愕のあまり、部下たちが殺されているのをただ見ているだけだった。
「あのぉ、このままだとイグニア軍は全滅してしまいますよ?」
ザラニの目の前にいたレティシアが申し訳なさそうに言った。
「マティアス王子はお優しいから風の剣を使うのです。ザラニ将軍さまがマティアス王子の魔法を無効化しては、王子は剣で戦うしかありません。兵力を削られないためにはアンチ魔法を解除した方が良いかと、」
レティシアの言葉にザラニはハッとした。このままではイグニア軍が壊滅しつしまう。
「アンチ魔法解除!」
フードをかむった魔法使いたちは、一斉に手をおろした。ザラニの目のはしで、レティシアがニヤリと笑うのを見た。
「ありがとうございます、ザラニ将軍さま。これで私も召喚魔法を使う事ができます」
レティシアはそう言うと、素早く何らかの呪文を唱えた。レティシアの肩に小さなリスが出現する。
「貴様、まさか、」
ザラニはうわずった声で言おうとしたが、言葉が続かなかった。レティシアはにこやかに答えた。
「はい。私は召喚士でこの子は私の契約霊獣です」
リスはレティシアの肩の上でピョンと飛び跳ねた。その直後、ザラニの足元の地面がグラグラと揺れ出した。地震か、と思った瞬間地面から水柱が何本も噴き上がった。
水柱はまるで荒れ狂う竜のごとくイグニア軍をじゅうりんし始めた。武勇を誇るイグニア軍は、ザイン王国軍によって一瞬に壊滅させられたのだ。
ザイン王国軍の戦法は猪突猛進のごとく、マティアス王子を先頭にした先制攻撃ばかりだった。
ザラニから向かって右側からマティアス王子率いる軍が近づいてくる。左側からは赤毛の馬に乗った騎士が率いている。
赤毛の馬に乗った騎士はどうでもいい、一番に対処すべきはマティアス王子だ。ザラニは右側に向き直り、マティアス王子軍を迎え討つ陣形を取った。いや、取ろうとしていた矢先、八十騎の騎士たちが吹っ飛んだ。
ザラニは遅れて、マティアス王子の風の剣に吹っ飛ばされた事に気づいた。吹っ飛ばされたのは人間のみで、馬たちは無傷だ。
驚いた事に、主を失った馬たちがフワフワと浮き上がって壁側に並んだ。どうやらこれもマティアス王子の風魔法のようだ。
ザラニたちイグニア軍はザイン軍にごっそり馬を略奪されてしまったのだ。これ以上マティアス王子に好きにさせてはいけない。ザラニは大声で叫んだ。
「魔法使いたちを前線に出せ!アンチ魔法を発動させて、マティアス王子の風魔法を無効化するのだ!」
マティアス王子の前に十人のフードの男たちが立ちはだかった。魔法使いたちは両手を前に突き出した。その直後、マティアス王子の風の剣がとまる。
「わっはっは!マティアス王子!風の剣が使えなければ、そなたはただの剣士にすぎない!潔く降参するがい、」
ザラニが言葉を言い終わらないうちに、マティアス王子はイグニア軍に突っ込んで来る。マティアス王子の剣が振り下ろされるたび、血しぶきがあがる。同時にイグニア軍の兵士たちの悲鳴があがった。
ザラニはマティアス王子の猛攻をぼう然と見ていた。マティアス王子は風の剣を防がれてもものすごく強い剣士だったのだ。
続いて赤毛の馬の騎士の軍団が到着する。赤毛の馬の騎士も次々とイグニア軍の兵士を斬り殺していた。
ザラニは驚愕のあまり、部下たちが殺されているのをただ見ているだけだった。
「あのぉ、このままだとイグニア軍は全滅してしまいますよ?」
ザラニの目の前にいたレティシアが申し訳なさそうに言った。
「マティアス王子はお優しいから風の剣を使うのです。ザラニ将軍さまがマティアス王子の魔法を無効化しては、王子は剣で戦うしかありません。兵力を削られないためにはアンチ魔法を解除した方が良いかと、」
レティシアの言葉にザラニはハッとした。このままではイグニア軍が壊滅しつしまう。
「アンチ魔法解除!」
フードをかむった魔法使いたちは、一斉に手をおろした。ザラニの目のはしで、レティシアがニヤリと笑うのを見た。
「ありがとうございます、ザラニ将軍さま。これで私も召喚魔法を使う事ができます」
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「貴様、まさか、」
ザラニはうわずった声で言おうとしたが、言葉が続かなかった。レティシアはにこやかに答えた。
「はい。私は召喚士でこの子は私の契約霊獣です」
リスはレティシアの肩の上でピョンと飛び跳ねた。その直後、ザラニの足元の地面がグラグラと揺れ出した。地震か、と思った瞬間地面から水柱が何本も噴き上がった。
水柱はまるで荒れ狂う竜のごとくイグニア軍をじゅうりんし始めた。武勇を誇るイグニア軍は、ザイン王国軍によって一瞬に壊滅させられたのだ。
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