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ザラニ対レティシア
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小娘レティシアは笑顔を絶やさず、馬の腹を軽くけった。白馬は勢いよくザラニに向かって突進してきた。ザラニはニヤリと笑って剣を振り上げた。
このまま白馬ごと娘を一刀両断してしまおう。ザラニが剣を振り下ろすと、驚くべき事が起きた。ザラニの剣を、レティシアが受けた途端、スーと流されてしまったのだ。
あまりの軽やかな動きに、ザラニは体勢を崩しかけて落馬しそうになった。これには頭に血が上った。ザラニは血走った目でレティシアをにらみ、オウッとかけ声をかけて再びレディに斬りかかった。
だが二刀目もレティシアに軽く受け流されてしまった。レティシアはまるで馬に乗りながらダンスでもするように、うさぎのようにザラニの周りを走り回っている。ザインは大声をあげて馬の腹をけった。
馬はレティシア目がけて突進する、レティシアは表情を変えずに、ザラニにの突進を避けると、ザラニに向かって剣を突き刺した。場所は的確にザラニの鎧の継ぎ目を狙っていた。
ザラニは慌てて身体を捻り、レティシアの剣を払う。レティシアは体勢を崩す事なく、何度もザラニを攻撃した。
レティシアはザラニが舌を巻くほどの強い剣士だった。剣が強いだけではない、レティシアは乗馬にも優れていた。人馬一体という言葉を体現しているようだった。
このまま戦いが続けば、間違いなくザラニが敗れる。ザラニは手をあげて部下に合図を送った。全員でレティシアを仕留めろ、と。部下たちは瞬時にレティシアに剣を振りかざして突進した。
レティシアはこの事に驚いたのか、馬を一旦退却させた。
「まぁ、ザラニ将軍さまとの一騎打ちをさまたげるなんて、何て無粋な方たちなんでしょう」
レティシアはそう言うと、剣を水平に構えた。レティシアの剣に水の螺旋が出現する。まさか、レティシアは剣と魔法を融合させる事ができるのだろうか。
魔法剣などという高度な技術は、ザラニが聞きおよんでいるかぎり、ザイン国の第一王子しか使えないと聞いていた。それなのに目の前にいる小娘が使うなどと、目の当たりにしても信じる事ができなかった。
レティシアがフワリと剣を水平に薙いだ。水の螺旋から作り出された激しい水流は、部下たちをなぎはらった。
部下たちは一瞬にして落馬し、気を失った。後には主を失った馬たちがしょざいなげにしていた。
ザラニはあんぐりと口を開けた。ザラニと共に戦場を駆け抜けた部下たちが、一瞬にして小娘に倒されてしまったのだ。
「ザラニ将軍さま。さぁ、無粋な方たちがいない間に戦いの続きをしましょう」
ザラニはどうすればこの場から逃げられるかを、頭をフル回転させて考えた。だが動転するあまり、よい案は浮かばなかった。
ふと耳をすますと、森の方から兵士たちの胴間声が響き渡った。待ちかねていたイグニア軍の兵士たちが来たのだ。やっと来たか、ザラニは形勢逆転に笑いを噛み殺しながら言った。
「申し訳ありません、レディ。私の部下たちが到着してしまったようです。貴女はここで八つ裂きにされるのですよ?」
ザラニはレティシアの恐怖におののく顔がやっと見られると思い、嬉々として彼女の顔を覗き込んだ。だがレティシアは不貞腐れた表情を浮かべていた。
「どうやらそのようですね。ザイン王国軍も到着したようです。ザラニ将軍さまを八つ裂きにするのはマティアス王子に譲りましょう」
このまま白馬ごと娘を一刀両断してしまおう。ザラニが剣を振り下ろすと、驚くべき事が起きた。ザラニの剣を、レティシアが受けた途端、スーと流されてしまったのだ。
あまりの軽やかな動きに、ザラニは体勢を崩しかけて落馬しそうになった。これには頭に血が上った。ザラニは血走った目でレティシアをにらみ、オウッとかけ声をかけて再びレディに斬りかかった。
だが二刀目もレティシアに軽く受け流されてしまった。レティシアはまるで馬に乗りながらダンスでもするように、うさぎのようにザラニの周りを走り回っている。ザインは大声をあげて馬の腹をけった。
馬はレティシア目がけて突進する、レティシアは表情を変えずに、ザラニにの突進を避けると、ザラニに向かって剣を突き刺した。場所は的確にザラニの鎧の継ぎ目を狙っていた。
ザラニは慌てて身体を捻り、レティシアの剣を払う。レティシアは体勢を崩す事なく、何度もザラニを攻撃した。
レティシアはザラニが舌を巻くほどの強い剣士だった。剣が強いだけではない、レティシアは乗馬にも優れていた。人馬一体という言葉を体現しているようだった。
このまま戦いが続けば、間違いなくザラニが敗れる。ザラニは手をあげて部下に合図を送った。全員でレティシアを仕留めろ、と。部下たちは瞬時にレティシアに剣を振りかざして突進した。
レティシアはこの事に驚いたのか、馬を一旦退却させた。
「まぁ、ザラニ将軍さまとの一騎打ちをさまたげるなんて、何て無粋な方たちなんでしょう」
レティシアはそう言うと、剣を水平に構えた。レティシアの剣に水の螺旋が出現する。まさか、レティシアは剣と魔法を融合させる事ができるのだろうか。
魔法剣などという高度な技術は、ザラニが聞きおよんでいるかぎり、ザイン国の第一王子しか使えないと聞いていた。それなのに目の前にいる小娘が使うなどと、目の当たりにしても信じる事ができなかった。
レティシアがフワリと剣を水平に薙いだ。水の螺旋から作り出された激しい水流は、部下たちをなぎはらった。
部下たちは一瞬にして落馬し、気を失った。後には主を失った馬たちがしょざいなげにしていた。
ザラニはあんぐりと口を開けた。ザラニと共に戦場を駆け抜けた部下たちが、一瞬にして小娘に倒されてしまったのだ。
「ザラニ将軍さま。さぁ、無粋な方たちがいない間に戦いの続きをしましょう」
ザラニはどうすればこの場から逃げられるかを、頭をフル回転させて考えた。だが動転するあまり、よい案は浮かばなかった。
ふと耳をすますと、森の方から兵士たちの胴間声が響き渡った。待ちかねていたイグニア軍の兵士たちが来たのだ。やっと来たか、ザラニは形勢逆転に笑いを噛み殺しながら言った。
「申し訳ありません、レディ。私の部下たちが到着してしまったようです。貴女はここで八つ裂きにされるのですよ?」
ザラニはレティシアの恐怖におののく顔がやっと見られると思い、嬉々として彼女の顔を覗き込んだ。だがレティシアは不貞腐れた表情を浮かべていた。
「どうやらそのようですね。ザイン王国軍も到着したようです。ザラニ将軍さまを八つ裂きにするのはマティアス王子に譲りましょう」
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